漫画貧乏

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著者 : 佐藤秀峰
  • PHP研究所 (2012年4月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569803838

漫画貧乏の感想・レビュー・書評

  • マンガ界は金鉱の様なイメージがあり、金を発掘するのは途方もない労力や運が必要だが、ヒット作を描けば莫大な金が入って来る、そんな風に思っていた。
    だが、ことはそれほど単純ではなく映画と同様に様々な困難だあるのだと認識した。セリフが勝手に直されることがこれほど多いことも知らなかった。脚本の場合は、現場でどんどん変わっていくのが常だ。だが漫画家の場合、作品として完成した原稿に手を加えられるのだから我慢ならないだろう。
    時代は変わっていく。漫画家として生きていくことも脚本家として生きていくことも厳しいことに変わりない。作家にはそこに立ち向かう知恵と勇気が求められると感じた。

  • 安価にいいものを提供して儲けるって大変だろうし、そこに人のプライドとかも入ってきて泥沼化していたんだろうか。漫画を読むのは好きなので、良い着地点が見つかるといいな

  • 2012年現在の「海猿」「ブラックジャックによろしく」漫画家の状況あれこれ。前半は連載赤字に憤る話。後半は雑誌衰退に対し、個人で稼ぐための試行錯誤色々。

    何かよく言えば冒険的、悪く言えばモメごとの多い作家さんなのは知ってた。確かに台詞や人物の無断変更は酷い(っていうか打合せ何やってたの?)。連載作家になりたきゃまず100万貯めろって現実も苦い(マンガ家志望の専門学校や塾では教わるのかな?)。我の強い個人的な主張を鵜呑みにするのは危険だけど、作者が憤るのも分からなくもないと思う。

    反面、収入-経費=所得が原則なので税金計算違わん?とか、効率を考えて取材費のかからないテーマや作画のデジタル化、人件費の最適化など、努力はしてるのかなーとその辺書かれてないことに対して疑問に思ったりもした。週刊連載がいかほど激務か分からないし理屈屋というか職人肌ぽいので妥協は嫌そうだけど。

    あと後半の交渉の不味さを読んでて、タイトル通りお金に飢えた印象、というかお金もそうだけど信用できる人が周りにほぼいなくて、フリーで不安定な人生だからこんな感じの突っかかった人なのかな~と思ったり思わなかったり。でもそこがこの人のマンガの強みと言うか根幹なんだよなと思ったり。新しい試み:漫画on webも見てみたけど、うーんー別にここで買い物しないといけない感じはなさそう。協賛企業なんかついてボチボチはやれてるのかな。

    面白いかと言われると微妙。マンガ家の格差構造というより佐藤秀峰という作家のノンフィクションどっぷりという感じだった。果敢な先駆者か偏屈な道化師か。でも本当、紙の本が急落してるのは本当なので彼の七転八起ぶりには敬意を表したいと思って星3つ。

  • 漫画家の苦労。

    漫画で全部書いているのかと思ったら
    途中から文章。
    最初にあった漫画は、Webに使った分、だそうで。

    漫画家と小説家、といえば、印税で左うちわ、だと
    思っていましたが、まさかの赤字だとは。
    確かにひとりで書けば、時間はかかるけど丸儲け。
    人が入ってしまえば、それだけお金がなくなりますし。

    読んでいて、かなり漫画家ってしょっぱいんだな、と。
    原稿料は貰えるけれど、自分の本なのに
    自分の本ではないとは。
    そういえば、前に勝手に使った、というニュースを
    見た事があります。
    それがあれだったようです。

    今はそうではないらしいですが、某社は原稿命で
    作者の命はうすっぺら、だったと聞いた事があります。
    漫画家って、まったくもって対等ではない現実。
    新人の本をカバーするために、と聞いた事がありますが
    それでも…これは、きつい。

    となると、小説家ってどうなのでしょう?
    一人でしているとはいえ、取材とか資料とか
    色々ありますよね??

  • 出版社が、取材や監修の責任を取らないくだりに苛立ちました。お金の問題もあるけれど、作者が編集者にビジネスパーソンとして扱われず軽視される立場に疑問です。

  • Kindleだと無料。そう(無料という意味)考えると素晴らしい内容だなと。漫画家を目指すなら必ず読んでおくべきなのかも。
    本書は発売から約3年経過してるし、電子書籍の浸透具合はだいぶ変わってきてる感じがする。でも、漫画 on Webはさらに進化しているようで(最近のニュースだと)今後が楽しみですね。

  • 震えた。この作者の方を応援したい。出版社の酷い部分もあるけど、理解できる部分もあり。あと、いくら安くてもショボい開発会社に発注するのはお金を捨てるのと一緒。

  • Kindle storeで無料だったので息抜きに読んだ本です。とはいえ、漫画家佐藤秀峰の挑戦が描かれた良書なので、Kindle持ってる人は無料だしぜひ読んでみてください。んで、なぜ本書が無料なのかも考えさせられます。

    話の構造はマンガのビジネス構造に囚われた出版社と漫画家の関係と、その苦悩。ビックビジネスになるためには、たくさんのステークホルダーがきちんと利益を分配できる構造を作らないといけないということが身につまされます。

    翻って自分は自分の属するビジネス界にきちんと価値を提供し、その貢献に寄与できているのか。明日も頑張らなきゃと思う一冊でした(2015.2.10ごろ読了)

  • 漫画家が生活していくことの厳しさが非常によくわかる。連載作家でもアシスタントに給料を払うと赤字。連載期間の2年半、全く休みなし、私生活というものが存在せず、それでも原稿料だけでは赤字という事実に愕然とした。

    そもそも漫画雑誌自体がビジネスとして赤字。紙媒体での漫画ビジネスは衰退の一途。
    著者は漫画家の未来のため、オンラインコミックのサイトを立ち上げる。

    実体験に基づいた豊富なエピソードが漫画でも綴られる。面白い。

  • 漫画家になることがどれほど大変なことか、これまで全く知らなかった。
    読んでみて大変とかいう言葉では表現できないほど過酷な世界であることがわかる。
    漫画家と編集者は本来対等な関係でありながら、実際は編集者の立場が絶大で、自分が書いた漫画でさえ、自分のものにならない理不尽さも感じることができた。

  • 「ブラよろ」が何故無料で読めたのか、これで全貌が理解できた。彼ほどの才能、ヒット作の数々を持っていても、個人の看板一つで食っていくのはかくも厳しい。メディアの電子化はフリーランスの重要な活路だと思っていたが、一概にそうとも言い切れないようだ。

  • 漫画家の金銭的な実情が生々しく書かれているのは興味深い。
    佐藤さんの作ったサイトにより、細々とでも食っていける漫画家さんが増えることを祈ってやまない。今後、「この人、漫画onWeb出身だったんだ」と言われる人が出てくるかどうか。
    アシスタントの人件費が圧倒的にネックな様に思える。クラウドソーシングとか活用しやすい枠組み作るのはどうだろうか。
    愚痴っぽいところはご愛嬌。編集も随分酷いことしてる。無許可で許諾はダメだろ。

  • 2012年4月刊。Kindle 版 (0円) で読了。
    『ブラックジャックによろしく』の著者による、漫画家の待遇について書かれた暴露本(?)。
    マンガなのは冒頭だけで、それ以外はエッセイです。
    マンガ業界と出版業界の現状。そしてこれから。

  • 佐藤秀峰のデビューから漫画 on Web開設に至るまでの半生記。
    山崎まりもブチ切れているけど、大手出版社の屑っぷりが素晴らしい。出版不況といったところで正社員の雇用と給与はそのままで、不況のシワ寄せは漫画家さん達にいく。同じ正社員として編集側の立場はよく分かるし、編集が自分で給与決めてる訳でも無いので、しょうがないと言えばしょうがないのだが、腕一本で勝負している漫画家からしたら我慢ならんでしょうな。
    私も漫画は漫画喫茶、本は図書館とKindle少々と作者に還元しないフリーリーダーですので(この本はKindle)、何らとやかく言える立場でも無いのですが、リスクを取らない人達が一番利益を取る日本の現状はどう考えても不健全。
    編集者も「自分が作品作りに貢献してる」と言いたいなら編集プロ作って勝負するべきなんでしょうね。社員編集者が作品への貢献を語るとかいうおこがましさが、佐藤さんの怒りの根っこにあるような気がします。
    メーカーで営業が「売ってやった」とか語るいかがわしさに近いかも。そういう奴に限って売れないと製品のせいにするんだよね。

  • 「ブラックジャックによろしく」の著者が
    出版業界から離脱し、オンライン出版へ、そして
    この漫画の無料公開へ踏み切った経緯が書かれています。

    いかに世の中の漫画家が不遇な立場になっているか、
    出版業界の問題点やこの先の展望なども書かれています。

    未だにこんな古い体質がまかり通っているのかという
    驚きもありました。

    ただ、この著者もビジネスというものが全く分かっておらず
    結構なワガママ発言を連発。
    アイデアと熱意があっても売上はたてれない、という現実に苦しむ。
    世間知らずな面を自ら露呈してしまっているような。。。

    目線が漫画家目線に絞られているので、
    出版業界目線のこの手の本があれば比較してみると面白そう。
    また、オンライン出版が今後どれだけ発展していくのかも
    楽しみになってくる本でした。

  • ブラよろの主人公よろしく、闘う闘う。
    ちょっと癖の強い人。
    ドンキホーテ感もちょっと漂う

    基本は連載貧乏の話+出版社の横暴→ネット配信に活路を探る

    システム開発、メンテナンスの負担がタイヘン。
    ぺージビューが落ちてきたので、ぶらよろ無料公開

    58 90%以上の雑誌が深刻な赤字
    80 10万部を超える作品は10%、100万部は1%
    86 単行本1冊の単価は150円くらい@1万部
    149 ヤングサンデー廃刊。人員はスピリッツと少年サンデーへ
    人件費削らなかったのでこの2つは小学館で最も赤字を抱える雑誌に

    モーニング、原稿料3万1680円、平均

  • 代表作「ブラックジャックによろしく」をはじめとするリアルなストーリーと描写でヒット作、問題作を連発するマンガ家による、リアルなマンガ家の内幕。

    語られるマンガ家像は、夢の印税生活による文化人ではなく、収入以上に費やされる必要経費に押しつぶされ、頼りとする出版社・編集者にも搾取され続けるプロレタリアートだった。

    労働時間の割に報われることのないマンガ家の現状を、主に金銭面からクローズアップ。結果、このままではマンガに将来がないと悟った著者は出版社・編集者、そして一部のマンガ家たちにも背を向け、ネットの世界に飛び込んだ。そんな未決着の闘いの記録。

  • 愚痴。漫画家がいかにヒドイ労働をさせられているかを、しつこく繰り返す。「原稿の製作費を保証しろ」とか有り得ない。どうせ喧嘩するなら、原稿の価値を原価じゃなく売上で語らないと。■漫画家サイドの不満をひたすら述べるばかりで、出版社側の都合にはおかまいなし。人気作家となって影響力が出てきた状態でも、出版社に「金くれ」しか言わず、離別する方向でしか考えられないのでは、出版社も同業者も渋い顔するのも当然。■いわゆる「Win-Winの関係」というかビジネス感覚があまりに欠如している子供の我儘に聞こえる。まぁ、出版社も保守的で、こういう無茶をする人がいないと何も変わらないんだろうけど。

  • ドラマ化もされた「海猿」「ブラックジャックによろしく」の作者が、漫画界を憂い自分の描きたいマンガを世に送り出すためにWEBサイトを立ち上げた過程を書いたもの。

    作品へのこだわりを主張し、漫画家としての権利を訴えるために戦っているなぁという印象を受けた。
    編集により作品のセリフが改ざんされたり、勝手に作品の二次使用が許可されていたりといった問題点や、経費を差し引くと赤字になってしまう原稿料の話などが興味深かった。

  • ブラックジャックによろしくの作者である佐藤秀峰氏が、自信の漫画人生を振り返り、「漫画家は儲からない仕事」と説く本。

    著作権は漫画家にあるにも関わらず、編集部にやりたい放題やられ、原稿料も十分にもらえないという状況に我慢できず、今は、自信でWEBによる漫画販売を行っている佐藤氏。

    漫画は日本の文化、と言われながらも、作成している人たちの扱いはひどくなる一方。漫画文化を守っていくためには、佐藤氏のように、新たな取り組みをしていける人が必要なのかもしれない。

  • 既存のスキームを打ち壊そうと思ったら、こんなにも障壁があったよ、という話。
    よい出版社、よい編集者、というのはいるのだと思う。しかし、ここに登場するそれらはほぼ皆、悪として描かれている。運が悪かったのか、著者がわがまななのか、実はやっぱり悪い人しかいないのか。

    著者のことは、もめてWEBで漫画公開している人だ、ぐらいしか知らなかったのだけど、思ったよりも骨太ではなかった。むしろ、弱い人だとも思った。弱いけれど、転びながら強くなっていかざるを得なかったのか。
    漫画業界を舞台にしているけど、ことは漫画に限ったことではない。生産者と消費者の間にいろんなものが挟まってきた近代、そして挟まっているところにいる自分はどうあるべきか。どんよりした気分が抜けない。

  • 漫画家の感情を読みたくて購入した一冊。
    結論から言うと、ウェブサイトの宣伝のための著書。
    だが漫画家の現状に肉薄した挑戦的な内容は、漫画家を目指す者は読んでおいた方がいい。

    原稿料と連載貧乏、コミック売り上げと印税。
    実は、赤字運営の漫画雑誌。
    この辺りは、竹熊健太郎 「マンガ原稿料はなぜ安いのか?」も合わせて読みたい。

    著者は「海猿」や「ブラックジャックによろしく」で有名な、佐藤秀峰。
    無断二次使用やセリフ変更など、編集部への不信感を募らせるところから彼の心は動く。
    原稿料アップ・印税率アップを要求するも叶わず、出版社を移籍。

    最終的に自分で本を流通させられないか悩み、一つの結論まで結ぶ。
    その行程は起業そのものなので、ビジネス書コーナーに積んであったのも頷ける。
    起業の為の準備、下調べ、相見積りなど、異業種でも発想の基本として参考になるだろう。

  • 本の内容的に、私も共感した部分もあれば、ちょっと違うんじゃないかと思った部分もあります。
    若干、客観性というか意見の多様性というかが少ない気がします。
    少人数で企画・編集・出版した本、良くも悪くも若干独白気味という気がしました。
    論理的に書いてはいるのですが、こう、なんか、そんな印象を受けてしまいました。

    しかしながら、漫画家の実態が少しわかった気がします。

    連載ものでは赤字。
    コミックの印税が入るようになれば生計が立つ。
    アシスタントは徒弟。
    編集部は高飛車。

    といった感じ。

    編集力というのは非常に曖昧だが、一つ言える事は
    会社に属している編集員はリスクをほとんど負わないということ。

    自分が担当した本が売れなくても給料は貰える。
    しかも相当高給らしい。

    本書で紹介されているサイト:漫画 on Web

    払ってもいい金額:900円

  • 周囲とケンカしながらも新たな挑戦を続ける姿勢が素晴らしい。先駆者が叩かれるって本当なのね。

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漫画貧乏の作品紹介

『海猿』『ブラックジャックによろしく』などのヒット作で知られる漫画家・佐藤秀峰が漫画業界、出版業界の矛盾に真っ向から立ち向かう!!

漫画貧乏のKindle版

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