動物に「うつ」はあるのか (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569805320

作品紹介・あらすじ

動物にも精神疾患はあるのか?-この疑問は、そもそも「心の病」とは何か、私たち人類はどうすればこれを克服できるのかという社会問題そのものである。毎年三万人が自殺で亡くなり、休職者の激増が取り沙汰されながら、じつは根本的な原因も確実な診断法や治療法もわかっていない精神科医療の実情。ただ話を聞いて「とりあえず抗うつ薬」では、真の問題解決にはならない。ひょっとしてうちのイヌ、うつ病!?何も語らない動物を通して、「悩み」と「病気」の線引きの難しさ、心と脳をつなぐ研究の最新動向を読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • うつ病が何かまだ解明されてない。だから動物実験モデルを作れてないってお話し。
    脳の病気と心の病気、正常と異常と線引きは難しい。。。
    実験動物の色々に着いて、勉強になった。
    期待してた動物の精神については分からず。

  • 心理

  • タイトルに偽りあり、といえば偽りありではあります。動物に「うつ」があるのか、ということが主問題ではなく、動物研究から人間の「うつ」を理解することはできるのか。そもそも「うつ」のち療法をどうやって確立していけば良いのかってのがメインテーマ。その過程において「動物に”うつ”はあるのか」という問題を解決しないと前に進めないよねって、ことであり。

    著者の加藤先生はSTAP論文で揺れている理研のチームリーダーです。一度だけお会いしたことがありますが、研究内容も、人柄も素晴らしい方でした。本書にもその人柄が現れています。もちろんたった一度会っただけでその人の本質なんかわからないだろうし、そもそも「その人の本質」なんてものが存在するのかだって怪しいかも知れない。でも私はこの本を、「うつ」「双極性障害」という病に真摯に立ち向かう医師・科学者の著作として感銘を持って読みました。

  • 精神にも脳にも、ニュートラルなんかなくて、いろんな事実があるだけだし、だからこそよいと思っています。故にスタート時点でズレながら読み始めるのですが、動物にうつはあるのか、というのはテーマではなくて、反・精神病治療に反論するための本でした。
    精神病の原因究明が遅れていることは、動物実験のしにくさにあり、動物実験してもええじゃないか、適切な実験をしていますから、と。
    動物は、あくまで実験の対象なのです。
    終始タイトルに騙された感があって、怒りながら読みましたが、最初からそういうつもりで読めば、また別の知見が得られるかなあ。

  • 名前こそ出さないものの、サイエントロジーの反精神医学が批判されている。

    動物実験を中心とした基礎研究の紹介が主で、一方で臨床研究も紹介し、精神病の解明と治療法の確立のためには両者の協調が必要だと説く。

    その過程で、精神病研究の実際についてかなり詳しく知ることができる。

    このこと自体が、安易な薬物療法否定論に対する、説得力のある反論の材料になっている。

    精神病は脳の病気であるというのが著者の見方。「心の病」というのは不適切で、「病」は脳の器質的な病変に原因がある。現在その病変が明らかにされていないため、「心の悩み」と「病」が混同されることがあるのだという。

    「うつ病など気合が足りないからだ」とかいまだに言われる世の中。精神病が畢竟脳の病気であることは広く知られなければならないことだと思う。

  • ちょっと私にはむずかしかったというか。理系です。科学です。
    でも、こういう研究者とマウスたちのおかげで生きていられるんだなと、感謝です。

  • もらい本です。
    結局まだまだわからないことが多いのです。
    たとえ治療ができたとしても、わからないことが多いのです。

    治療戦略と研究戦略は違うと言うし、
    誰のための研究か考えないといけないと言うけど、
    そんな周りから「こうあるべき」だけを押し付けられたって、研究するのも人だから。
    いなくなっても困るでしょうに。

    研究の専門職大学院があればいいのかもね。プロジェクト型研究専門の研究者(今で言う技師)。

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著者プロフィール

順天堂大学大学院医学研究科 精神・行動科学 主任教授。1988年に東京大学医学部卒業後、同附属病院にて臨床研修。滋賀医科大学附属病院精神科助手、東京大学医学部精神神経科講師などを経て、2001年理化学研究所脳科学総合研究センター(当時)精神疾患動態研究チーム チームリーダー。博士(医学)。2020年より現職。

「2023年 『「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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