現実を視よ

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569806921

作品紹介・あらすじ

「このままでは3年以内に日本は没落する!」
グローバル企業として日本を牽引する柳井氏だからこそ言える、“日本への直言”。国家・企業・個人は、今、何をなすべきか。日本を覆う閉塞感の正体を喝破し、激変する世界の中で生き残るために檄を飛ばす、啓発の書。

感想・レビュー・書評

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  • ・アジアの中で、日本語は頭が良い、富裕である、は過去の事。

    ・国に頼れない。会社に頼れない。将来の自分を具体的に見据え、日々に取り組む。

    ・世の中に価値を提供しないサラリーマン。自分の時間を会社に提供した見返りが、給料。

    ・敗戦後の日本にあった、燃えるような情熱。松下幸之助、本田宗一郎、盛田昭夫。

    ・社員にもベンチャースピリットを。

  • 日本の経営者で好きな方は松下幸之助、本田宗一郎です。あと、「海賊と呼ばれた男」の出光佐三。
    というか、この方たちの本しか読んだことがないだけですけど。著者の柳井正もこの本を読んで同じような方だなと感じました。
    共通する部分は、非常に仕事に情熱的で明確な理念があり泥臭さがあるところ。
    本書では日本の腐敗した政治と、理念・情熱・謙虚さを失った日本企業に警笛をならしている。

    フリースやヒートテックが売れ、すぐに海外進出するも当初は失敗の連続。その失敗を活かして近年のアジア進出での大成功。
    この20年でアジア圏は日本とは比較にならない経済成長を遂げているそうで、日本企業の元気のなさや殿様気分に嘆いています。そこでこのタイトルということ。
    今の日本は高度経済成長の遺産(日本人の能力はすごいんだというメンタル面)だけでなんとかやっている感じ。その遺産もあと5年持つのかどうかあやしい。
    このままの経済状況であれば2年後までには円は価値がなくなり紙くずと化すらしいです。のらりくらりと政治家が時間稼ぎをしながら未来のお金を使ってきたツケがとうとうやってくるという訳です。

    この本を読んでいる最中、日本政治のヤバさを感じましたし、僕自身が今からやりたいこと、できること、理想とする仕事の仕方などいろんな事を考えさせられました。

    “毎月きちんと給料が出て、自分の生活を成り立たせるほうが、世の中を変えるよりもはるかに大切。だから新しい挑戦をせず、ひたすら組織のなかで自己保身に走る。しかも、いったん既得権益を手にしたら最後、それを絶対に手離さない。かくしてエネルギーのベクトルは、社会を変えるのではなく、居心地のいい現在の状態をできるだけ温存する方向に傾いていく。”

    “海外の管理者階級、いわゆるホワイトカラーたちは、自分たちが会社の一部とは、絶対に考えていない。自らは独立した事業者で、会社と対等の契約を結んでいるという認識である。会社から受け取る報酬は、あくまで自分の技術に対する評価。会社に所属しているから給料が貰えるとは、微塵も思っていない。海外で出会ったビジネスパーソンに、「どういう仕事をしていますか」と尋ねると、たいていの人は「広報をしています」「経理部長です」と、自分の仕事や職務を答える。ところが、これが日本だと「○○社に勤めています」と、会社名がでてしまう。要するに、「就職」ではなく「就社」という感覚なのだろう。”

    “現状維持でいい。そう思った途端、進歩は止まる。外の世界では、絶え間ない進化と発展が続いている。何もせずに同じところにとどまっているのは、じつは最大のリスクなのである。この国にもう、安全、安心、安定はない。自分は人生をどうしたいのか、会社をどう変えたいのか、この国をどうすべきか…一人ひとりが日本の置かれた現実を直視しながら、志高く毎日を真剣に生きないかぎり、未来も変わらない。”

    “誰にとっても人生は一度だけ。それなのに、「いまの状態がいつまで続くのだろうか」「いざとなったら国はなんとかしてくれるのか」と、たった一度の人生を他人任せにして、びくびくしながら生きるのは、じつにもったいない。人生の主役は自分自身。自分のなかにどれほどの可能性が詰まっているか、試してみないとわからない。”

  • 今の日本に必要なことは日本人だけの箱庭をやめてオープンソサエティに移行することだ。世界に通用するタフな人材を育成すること。行政だから赤字でも許されるということはない。行政も企業と同じく利益を出さなければ存続できないという危機感を持つことが必要。政治の本質が「国家経営」だとすればいったいどちらの「常識」が正しいのだろうか

  • 柳井さんがここまで政治にも踏み込んだ発言をする人だとは思ってなかった。企業は社会の公器という考え方も持つ熱い人だったんだな。
    今の日本は政権が変わっても何もよくならないし、企業やそこで働く人のほうが世の中を変えるのではないかなと思った。

  • 日本が”超”危機的状況に陥ってしまっている事実、こうなってしまった元凶、そして、この状況から脱する数少ない残された手段について、ユニクロの社長が、やけどするほどの熱さを持って語った本である。

    「マネーゲームに興じた某IT起業家」「”消えた年金問題”は国家犯罪」「常軌を逸した”国土強靭化基本法案”」・・・このように、本書の特徴は”柳井氏の今の日本に対する想いの丈”を、堰を切ったように、何1つオブラートに包むことなく、最初から最後の1ページにいたるまで、ただひたすらに語り続けていることだろう。それは世間によくある「海外をカジった人間がその影響を受け、単に日本を蔑んでいる」といった構図ではない。氏が、純粋に日本のことを誇りに思っている(氏は、それを”大和魂”と呼んでいる)からこそ何とかしたい・・・その想いから「みんな気づけ!立ち上がるんだ!」と必死に叫んでいる・・・そういった構図である。

    しかしながら一方で、この本は、一部の層からは嫌悪感を持って迎えられるかもしれない。ここで”一部の層”とは”人間のミッション(幸せ)=継続的成長・繁栄”といった考えに同意できない人たちのことだ。というのも、本書は全てこの前提に立って書かれたものだからである。

    とは言え、柳井氏は決して難しいことを根拠無くだらだらと主張しているわけではない。そこには日本・・・いや世界の第一線で戦ってきた者だからこそ感じる想いを、自身の経験から、至極まっとうに語っているだけである。

    「現状をしっかりと把握し、危機感を共有し、逃げずに立ち向かうべし。」

    単純明快だ。

    私のような年代や年配の方には熱く響きそうな本だが、本当は(前提条件に疑問符を持つかもしれないが)特にこれから社会人になる若い世代こそ読み、何かを感じ取るべき本だと思う。全てに同意はできなくとも、何か学びはきっとあるハズだ。

    (書評全文はこちら→ http://ryosuke-katsumata.blogspot.jp/2013/01/blog-post_6.html

  • このままでは日本はやばい。
    現実を見なければ。

  • 今の自分が抱える疑問にヒントを与えてくれる内容だった。「何故新しいことをやらなければならないか。何故成長しなければならないか。」
    そもそも、こんな疑問を抱くこと自体が、柳井さんに言わせれば、平和ボケしているということ。

    上の疑問に対する本から得た気づきは、資本主義の原則は稼がないと食えないということと、日本には何もしなくても稼げる資源が存在しないということ。

    そういった当たり前を日常無意識でいられるのは、社会主義と化した政治や大企業の施策に保護されているから。

    競争相手が見えているか?
    社会を変えたいという気持ちは持てているか?
    自分に問いかけたい。

  • ㈱ファーストリテイリング(ユニクロ)の柳井会長による著書です。「グローバル化の尖兵」を自経営トップが見詰める世界と日本の「現実」とは?「成功法則」のない時代に企業と個人がもつべき「視点」とは?我々日本人が、猛スピードで変化する世界の動向にいかに無頓着であるかを気付かせてくれると同時に、激動の時代を生き抜くために持つべき心構えを教えられます。

  • 世界で戦っている人の言葉は重い。
    こんな厳しいのかってくらい。

    ただ、なぜか読み終わって
    鼓舞されている自分がいる。

  • ユニクロはグラミンとバングラでソーシャルビジネスを行っている。貧困層の職業訓練に取り組み、服の対面販売に就く機会を提供している。
    ユニクロはもともと山口県の田舎だったからブランドの重要性を誰よりも理解している。H&Mもザラも同じ。スペインと北欧だから。
    圧倒的なナンバー1にならないといけない。Winnner takes allにならないといけない。
    世界は多様である、それをしっかり理解して、どの国、どの地域でも柔軟に対応できる能力が不可欠。
    ユニクロの商品の根底には、まじめさ、きめ細かさといった日本の哲学がある。
    理想を持つ。

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