日本人の原点がわかる「国体」の授業

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  • Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569809281

作品紹介・あらすじ

日本にとっていちばん大切なものは何か。日本人としてこれだけは知っておきたい天皇と憲法と国体と歴史についての白熱授業!

感想・レビュー・書評

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  • 明治天皇の玄孫にして、憲法学者であり歴史学者でもある竹田先生が、
    「国体」についてまとめられた一冊、講義形式でスルッと入ってきました。

    アメリカは「自由の国」、フランスは「平等」に重点が置かれている、
    中国の国体は「中国共産党一党独裁の社会主義国家」、そして日本は?

     “誰もが自分の生まれ育った国は「こんな国」と説明できるはず”

    これについて、自らの血肉とした言葉で説明できる人は、
    今の日本にどれくらいいらっしゃるでしょうか、、もちろん私自身も含めて。

     “国体とは、日本人のアイデンティティの根本をなすもの”

    国際化(グローバル化)との言葉が声高に叫ばれている今だからこそ、
    自分自身の“根底”は何かということを強く意識する必要があるかと。

    でないと、世界の荒波と向き合っていく事は厳しいのではないかな、とも。
    いくら英語がペラペラと喋れても、中身が伴わないと“話せません”。

    そして話す内容こそ、己のアイデンティティが投影されてくるものでしょう。
    これは何も日本に限った話ではなく、普通の国ならごく自然に涵養されている事かと。

    そして、文中でもありますが、日本は「和」の国だと思います。
    “和して同ぜず”でも、“和ともって尊しとなす”でもよいですが、

    大事なのは、「和」の精神とは体裁を取り繕うものではなく、
    自分にも人にも正直に向き合って理解し合うということを、認識すること。

     “「和」とは「自己の主体性を保ちながら他者と協調すること」”
     “「同」とは「自己の主体性を失い、他者と協調すること」”

    そのため、上っ面の協調性で誤魔化すのではなく、
    不満があればお互いにぶつけ合うことも、必要とされるでしょう。

     “一人ひとりが自由に振る舞い、なおかつ全体として統率が取れている。”

    この資質は日本にとっては普通でも、世界から見て稀有なもので、
    このことは東日本大震災の際にも、発揮されていました。

     “国家観の大切さを共有するだけでも、日本は大きく変わる”

    「国家観」なんて大上段な言葉を使わないまでも、
    自分が日本人としてどうありたいのか、それを考えるだけで、、

    そして、子供にも“考えるように”伝えていけば、
    何かが変わっていくのではないかな、と。

    ん、決して“結果”を押しつけるのではなく、
    自らの言葉で紡げるように材料を提供していきたいですね。

  • 世界最古の国、日本はすばらしい。自分のことは後回しにする「和」の精神によって、民の幸せのために尽くした「天皇」という象徴のもとに、戦わずして統合した日本は、世界人類の奇跡と説く。
    読んでいてうれしくなってくる。とても読みやすい、つまりどちらにも偏っていない(ようにみえる)のが良い。

  • 竹田先生の日本学シリーズ。
    読んでいてたまらなく嬉しくなる。日本人であることを誇らしく思える。これだけで、竹田先生の功績は偉大だと思わずにはいられない。
    天皇がどのような存在なのか。世界はどう見ているのか。これを知らずして、日本を語ることはできない。絶対に。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • そうか、そもそも国体という言葉を使っちゃ行けなかったのか。

    日本の国体は何かと言えば、天皇陛下を頂き、君主主権でも国民主権でもない、君民一体となった、和の国。

    うん、概念としては物凄く判る。

    が、今の日本がそうなっているのか、民の方がそう感じているのか、それで満足なのか、甚だ疑問。
    GHQと共産主義者と、隣国の思惑通り、すでに国としての一体はなくなっているような気がして怖い。

  • 借りて読んだ本。

    『たかじんのそこまで言って委員会』にてお見かけしていた竹田恒泰さんの本。
    恥ずかしながら初めて竹田さんのプロフィールを拝見。
    明治天皇の玄孫(家系図上曾孫の更に一つ下)…これ、知らない私…すみません。
    憲法学・史学がご専門。

    本書は難しい単語が羅列されているわけではないので私のような超入門者?でも読みやすかった。

    “国体”、“国柄”という言い方もある、とあるので何となくの意味合いは感じられるのですが普段から馴染みがあったかと言われると「いいえ」。
    GHQの教科書検閲基準によって排除された内容の中に“国体”があり、それ以来教科書だけでなく、日本社会の中でも使われなくなった。
    日本の誇りを表すようなことば、教えなど、まるごと禁止されたのだ。
    そういった圧力などの中、過去から現在の天皇陛下まで、日本の天皇がいかに国民のことを思いやり、示されてきたのかが述べられている。
    戦争中は自国の兵のことを思い、贅沢をけしてせず忍耐強く待たれていたこと。
    戦争に勝利したとしても他国の民を思い、けして喜びにわかず、表情ひとつ変えなかったこと。
    他の国の皇帝とは違う、天皇の器の大きさ、優しさ。
    各国の“国体”について著者が述べ、日本国の象徴的存在として天皇について語られる。
    天皇について、そして、これから日本という国がどうあるべきか。
    他国と比べ、日本はこんなに素敵なところがあるんだ、こんな国は日本だけ!
    と、こんなに日本のことばかりほめている本を読んだことがないので若干くすぐったい…。
    でも、いいところ、いっぱいあるんです!
    誇りを持って胸をはる。
    その状態で色んな国の人々と向き合っていけたらいい。
    愛国心、と言えるほど立派なものではないかもだけれど、自分の国を改めて好きになりました。
    そして、『古事記』はちょっとずつ勉強してみたいな。

    日本建国から現在までの年数を計算する時は“西暦プラス660年”ということが当たり前なのかもしれませんが、私の中で嬉しい収穫だった。

  • 国体という言葉の定義が独特だよねこの人。

  • 日本の国体は、天皇であるということ。

    天皇主権も国民主権も嘘で君民一体が正しいとする意見。
    和を尊んで自分のことを措いてみんなの幸福のために行動する…、このような日本人が今実際何人いるだろうか。日本は和の国と言い切るのは私は賛同しかねる。和とは、「自己の主体性を保ちながら他者と協調すること」。確かにこれは理想ですね。
    先の大戦がベトナム、カンボジア、フィリピンなどの東南アジア諸国の西欧からの独立に貢献したという面も指摘されている。

    しかし、彼のいう日本人が、あまりにも美化されていて読んでいて違和感を感じた。彼がいうほど少なくとも私の周りの日本人は自分のことを後回しにし人に尽くすような人ばかりではない。
    「必ず要求された以上の仕事をします。」なんて、、よく必ずなんて言えたものだなと。そんなわけないだろぅうう!
    彼の精神論は少し偏りすぎていると思います…。(ちなみに私は学生

    けれど現在日本人の民族意識が高まっているのは真実であると思う。テレビ番組を見ても書店へ行っても感じられる。
    彼ほど偏ってはいないですが、私も生まれた国が日本で本当に良かったと思っていますし日本の歴史を知ることも好きです。日本のことを知って、ちゃんとした日本人になりたいとは、常々思っているところであります。

  • 日本人とは…本来はこうなんだ!
    そして、天皇について…
    泣きそうになりました。

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    「国民の不幸は天皇の責任」という考え方59
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    天皇を守るためなら「濡れ衣でも受け入れる」92

    責任を問われることには率先してそれを担っていこうとする。これが「和」です。93
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    誤りの原因は、君と民は対立するという考え方自体にあるのです。114

    ヨーロッパの法概念で理解すれば、君主主権かつ国民主権という考え方は成立しません。

    「天皇主権か国民主権か」という設問の立て方が、すでに君民一体の日本には当てはまらないのです。115
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    将来にわたる永続を考えるのが、日本人の行動原理です。145
    ――――――――――――――――――――――――――――――

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著者プロフィール

昭和50年(1975)、旧皇族・竹田家に生まれる。明治天皇の玄孫に当たる。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。専門は憲法学・史学。作家。平成18年(2006)に著書『語られなかった皇族たちの真実』(小学館)で第15回山本七平賞を受賞。令和3年(2021)には第21回正論新風賞を受賞。著書はほかに『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』『日本人はなぜ日本のことをよく知らないのか』『日本人はいつ日本が好きになったのか』『日本人が一生使える勉強法』『アメリカの戦争責任』『天皇は本当にただの象徴に堕ちたのか』『日本の民主主義はなぜ世界一長く続いているのか』(以上、PHP新書)、『現代語古事記』(学研プラス)、『決定版 日本書紀入門』《久野潤氏との共著》』、『なぜ女系天皇で日本が滅ぶのか《門田隆将氏との共著》』(以上、ビジネス社)など多数。

「2023年 『日本のどこが好きですか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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