ABC予想入門 (PHPサイエンス・ワールド新書)

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569810676

作品紹介・あらすじ

いい難問こそ、新しい数学を創造する!数学の未解決の難問のうち、最も重要といわれる整数の理論、ABC予想。この証明を完成したといわれる、望月新一京都大学教授の500ページを越える論文が大きな話題を呼んでいる。ABC予想とは何か。果たしてこの数学の難問は証明されたのか。この数学予想の先にどのような数学的世界が広がっているのか。注目のABC予想とその周辺をやさしく解説した道案内の書。

感想・レビュー・書評

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  • 読了したが。。。。何がすごいことなのかわからず、面白さ半減ですね(汗

  • 請求記号 412/Ku 74

  • ABC予想を中心とする数論のいろいろな予想について書かれた本だが,新書の割にかなり本格的で,数式はもちろん出てくるし,証明もある.内容的にも少し背景知識がないと難しい.

  • 2012年8月にYahooのトップニュースに、京都大学の望月教授が「abc予想を(肯定的に)解決か」という見出しが踊った。

    大部分の人がabc予想については初耳であり、しかもWikipediaを呼んでもいまいちピンとこなかったのではないだろうか。

    本書は、タイトルのとおりabc予想についての解説本である。
    導入部分は数学の未解決を整理して、そのなかでもFermatの最終定理やRiemann予想のように数論の未解決問題が今後の重要なテーマである、ということからabc予想を紹介している。

    内容は、今般の新書とは一線を画し、数式が多数出てくる本格派。
    全般部分は、注意深く数式を追っていけば理解することができるが、後半の本格的なabc予想の導入である楕円曲線とモジュラー形式については大学の数学の素養が必要である。
    かなり導入が雑で、大学で工学部の人ではおそらく理解出来ないくらい専門的(工学部では群論は学ぶ機会が少ない!)。

    が、数式を理解できなくとも、その定理の主張と結論を追っていけばなんとなくabc予想の意味するところを掴めるのではないだろうか。

    数論の分野で特にabc予想のような解説本は、マニアックになりすぎて一般人では理解できないのがほとんどであるので、このような書籍は貴重である。

  • 数論の専門家によるABC予想解説。後半はかなり手ごわいけど,前半は数学における予想の意義とか素数入門とかフェルマー予想とABC予想の関係とか,興味深く読めた。楕円曲線と保型形式あたりから追いつかなくなってしまったが,何やら凄いらしいという雰囲気だけは感じ取れた。
    第4章の多項式abc予想の証明に誤植を発見。
    p.124の第2式の右辺は bc(b'/b-c'/c) じゃなくて b(b'/b-c'/c)
    p.125の⑤式,左辺は a/b じゃなくて b/a

  • 数論についてある程度の素養がある人向け。タイトルや同シリーズの他書籍からして、たとえ文系でもいけそうな雰囲気があるけど、少なくとも大学での初等代数か、フェルマーの最終定理の解決に関する本を読んで理解していることを前提としている気がする。
    多項式における考え方と整数における考え方の対応は面白かった。望月教授の論文でたとえABC予想が証明されたとしても、そのままではフェルマーの最終定理には使用できないということが分かっただけでもよしとした。
    著者サイト( http://bit.ly/j8qI0R )に正誤表があるがそれ以外にも誤字あり。p125の分子分母逆とか(2013/7/7時点)。専門の校正がいないのだろうか。

  • はっきり言って数論の本はあまり好きになれないのですが、この本は読ませる内容になっています。

    もちろん、内容はやさしいところから始まってはいますが、レベルの高いところを到達目標としていますので、途中を全部理解しようとするとむむむ?となるのは仕方ないのでしょう。

    Amazonのレヴューではかなりハイレベルなレヴューが既に書かれていて誤植もかなり指摘されています。とても誤植を探すほどに真剣に読んではいませんが、楽しく読ませてもらっていました。

  • ちょっと内容が難しい

  • 本書に書いてある事をすべて理解するにはあらかじめの予備知識が必要になりそうです。ただ、前半の未解決問題についてや予想の立て方は読んでいて面白いし、自分としては論文の大まかな流れを理解できただけで満足です。


    この本はABC予想という数学の予想について取り上げられている。ABC予想とは1985年に小平邦彦の「楕円曲線論」で定式化された予想です。この予想は2012年8月30日に望月新一教授が自信のホームページに500ページを超える論文「宇宙際タイヒミュラー理論Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ」にて発表されたものなかにこの予想を証明しているかもしれないと話題を呼んでいる。
    はじめにそもそも数学の予想とはなにかについて触れている。数学者はまず物事を考える時まず予想を立てる。そして、それが正しいかということを検証するのが普通の流れだ。これは科学全般にいえる事だろう。未解決問題には様々なステップがある。1.未解決、2.新しい予想が生まれてそれの解決待ち、3.予想が成立して解決、4.予想が不成立で解決。この4つの段階を具体的に過去に解かれた予想問題を例に説明している。また、その後に実施に数学の予想をたてていくステップを披露している。有限の範囲で手計算でできる事から数学的な現象を観察して予想を立てる。その予想も難解であるなら細分化してより簡単な予想に変換する。
    次に絶対数学というものについて説明している。絶対数学とは一元体上の数学です。この絶対数学が今回の主役であるABC予想に大して使われている。また、それとは別にABC予想と素数、ゼータ関数、オイラー積についての関連性について触れている。
    正直細かい数学の話は難解でこれ一冊では理解できません。例えば、空間を割るとかそもそもどのように定義されているのかわからないのでどうしようもありません。
    ただ、望月新一教授の論文の内容について箇条書きでまとめると
    *素数に分解する行為と多項式の因数分解は似ている行為である。
    *多項式のABC予想は解決している。
    *多項式の場合微分ができるからヒントが多い。
    *整数で微分のような事ができれば解決に近づくのではないのか。
    *楕円曲線、保型形式、モジュライ空間etcをつかっている。
    という事です。

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著者プロフィール

黒川信重(くろかわ のぶしげ)
1952年栃木県生まれ。
1975年東京工業大学理学部数学科卒業。
現在,東京工業大学名誉教授。
   専門は数論、特に絶対数学、多重三角関数論、ゼータ関数論
著書は『リーマン予想の150年』岩波書店、他多数。

「2019年 『リーマン予想の今,そして解決への展望』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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