- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569819600
作品紹介・あらすじ
破綻した大手航空会社。社員の意識を変えることで再生し、先の震災を乗り越えるまでのドラマを描く感動のノンフィクション・ノベル。
感想・レビュー・書評
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京セラ稲盛さんのフィロソフィーの真髄が伝わってきた。最後の方は涙でした。
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久しぶりに泣きました。JAL再生に向けて、顧客第一ではなく、社員の幸せ第一、その幸せがプライドに繋がり、顧客満足に繋がり、、、
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2010年に経営破綻し、その後、カリスマ経営者稲盛和夫を会長に据えて、着実に再生への途をたどったJALをモデルにした小説。
会社全体で思いを一つにするということの重要性はよくわかった。また、職場を超えてフラットにミーティングをするというのも良い試みだったのだろうと思う。
そして、稲盛(小説中では佐々木)イズムの浸透に当たっての当初の社内のとまどいがよく伝わってきた。ただ、そこから稲盛イズムが浸透していく過程に、あまり納得感がなかった(いつの間にか反対していた社員も稲盛イズムに染まっているような印象)。正直、自分も、小説中で言われているように、「ちょっと宗教っぽいな」とか「こんなことで会社が復活するのか」というような思いがあったのだが、この小説を読んだだけでは、それが払拭されるには至らなかった。しかし、現実として、JALをはじめ、多くの会社が稲盛氏の手にかかって再生されてきたのだから、稲盛氏の貢献が大きいのは事実なのだろう。そのあたりがもっと伝わってくれば、なおよかった。題材は面白いと思うのだが、ちょっと小説としてはあまり深みがない(出来過ぎの)印象を受けた。 -
JALの再建が物語の元となっている。経営破綻を機に、空港で働くスタッフ達が力を取り合い、再建までの方針をぶつかり合いながらも検討していく。後半は東日本大震災が起こり、そこでの奮闘が綴られる。企業小説を多く書く著者だけあって相当厚みがあったが、登場人物への思い入れが抱けなかった。個人のディテールをもう少し描いて欲しかったかな。
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江上さんの本は、金融関係や会社更生など、社会的な問題を提起した本が多いと思うのですが、この本はそんな中にあってしみじみと心に染入るような部分もある本でした。ちょっと、普段の江上さんの本とは異なる部分がありますな。。
面白い本でした。 -
破綻した、日本航空の再生に携わった人々の話。万民半官のお役所体質により、経営が破綻。稲盛さんの手により、見事に復活した。会社とは、社員一人一人が同じ方向を向いてないとダメになってしまう。まあ、日本航空は傲慢経営であった。サービス業なのだから、本来お客様の為と言うことを忘れているのだ。リストラや債権放棄によって再生出来た事を忘れてはならない。途中から東日本大震災の話になって、涙が出てしまった。物語は中途半端で終わってしまった。研修で出会った二人の恋愛事情も途中で終わり、尻切れとんぼ的なのは残念であった(^_^;)
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電車で読むんじゃなかった。結構泣けます。
JAL再生の話の中で稲盛さんの話が出てくるのはいいし、東日本大震災の話を出してもらってもいいんだけど、キレイにまとめすぎてないでしょうか。
まぁ、泣けたからいいですけど! -
☆☆☆☆4つ
こういう「素」な小説もたまにはいいのだ。
全くのひねりもなければ落とし穴も無い。するするすべすべと読めて、まんべんなく頭のなかに入ってくる小説である。
でも、結構小説的技工の様なものはそこらじゅうに使われていて、あ、ここだな!って何の抵抗も無く判ってしまうところが、なんちゅーか安心して?読める。そうまさにこういうのを「読める」っていうのだろうなぁ。
そしてしかも存外に面白いw。
序盤の「ヤマト航空」と繰り返し出てくる社名がどうにも鼻につく。どうして「日本航空」ってハッキリ言わないんだ。破綻の引き合いに出すアメリカのGMの事は平気で実名で書いてるのに。しかも「ヤマト」という他に実在する企業名をどうして使うか。日本=大和=ヤマト か?。考えているようで何も考えていない結果に終わってしまっていますm(__)m。
しかし、中盤からの「人」を中心に据えた物語展開に入っていくと、この作者の本来持っている読み手をお話の中に引き込む技が冴え渡って来るようだ。
でも「お、こりゃおもしろいぢゃねーか」と感じ始めたところへ、何を思ったか東日本大震災からの仙台空港の復興のお話がメインになってしまって、物語自体もそこで終わってしまった。
『翼、ふたたび』というかっこいい題名のカンバンは降ろすべきでしょう。すまぬ。