3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュース」戦略 なぜ、御社の新規事業は大きくならないのか?

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569824291

作品紹介・あらすじ

日本企業が「世界を制する事業」を生み出すには? 「業種を超えた連携による巨大事業の創造=ビジネスプロデュース」の実現方法を指南!

感想・レビュー・書評

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  • 20200203
    DIが提唱するビジネスプロデュースとは何かを説いた本。戦略コンサルのかでも新規事業創出に特化するというものであり、その要諦が纏められている。
    高い視座で、関係者を巻き込み、ルール作りを行っていくプロセスには非常に魅力を感じる。DIの特徴として、自社でインキュベーションの為の投資機能もあることから、コミット力の高さも兼ね備えている。
    自分が将来、自身の力でビジネスを回していく楽しさと達成感を感じるためにも、本書で述べている新規事業を作り出すための構想力、連携力を意識して学んでいきたい。

    //MEMO//
    DIが提唱するビジネスプロデュースとは何か?
    企業の戦略策定だけでなく、企業と一緒にビジネスを生み出してしまう、そんな仮説を置いている。
    だとすれば、事業経営者として活躍したい自分のプランには非常にマッチしている。というのも、課題解決能力だけでなく、問題策定=新規論点創出に繋がり、2つの能力が鍛えられるからである。

    シナリオプランニング
    新規事業創出

    高い視座で新規事業を官民で生み出すには?
    ①自前主義を捨てて繋がりを増やす
    ②縦割業界意識の撤廃
    ③官民の繋がり=ロビイング活動を業界全体の視座で行う

    ビジネスプロデュース
    ①構想=企業間、官民の垣根を越えて価値を生み出す発想

    5つのステップ
    ①構想する
    →社会的課題設定、ファクトの積み上げ、第三者との相談、ファーストパートナーとの戦略的提携
    →設計: フック(サービス)、回収エンジン(ビジネスキャッシュフロー)

    ②戦略を立てる
    →KPIの設定

    ③連携する
    →視座の高い相手を選ぶ、そしてレファラルを聞く。そのためには自身の価値を高めて示す

    ④ルールを作る
    →内部ルール、外部ルール。外部は社会的、例えば法律などを変えるところまで行動すること

    ⑤実行する
    →単なるオペレーションの積み重ねで終わらない。度重なる方向修正、関係者すり合わせ。長期的視点←構想に基づくKPIを達成し続ける事


    ビジネスプロデューサーの素養
    ①前向きで明るい
    ②謙虚で素直
    ③自分の意思を持っている

  • 日本でなぜ新規事業が大きくならないのか?

    大きくするためにはビジネスプロデュースが

    必要で、それをするための考え方が

    とてもわかりやすく書いてありました。

    日本は世界に先駆けて、少子高齢化など、

    社会的に解決すべき課題を抱えており、

    ビジネスプロデュースの需要が高まっている

    状況であることがわかりました。

  • ビジネスプロデュースを最初に知る本としては⭕️

  • 新規事業を検討するにあたりヒントを求めて読書。
    社会課題、これまでにない領域にこそ潜在ニーズが眠っており、大きな市場の可能性があるという話。
    顧客開発、ニーズドリブンの重要性、連携して価値を提供する大事さを訴える。
    ゼロイチではあっても、大きな構想、事業規模の新規事業を考える際に大いに参考になりうる本。さすがDI

    メモ
    ・事業に関する問い
     どんな社会課題に立脚しているか
     社会課題にあたいする市場規模は
     会社でできることと、他プレーヤーにお願いすることは何か
     会社がポジションを取れる理由は
     他プレーヤーがやってくれる理由は
     どんな法整備や規制の緩和が必要か

    ・フックと回収エンジンという考え方

    ・ビジネスプロデュースの5ステップ
     1 構想する
     2 戦略を立てる
     3 連携する
     4 ルールをつくる
     5 実行する
     最も大切なのは連携 大きな絵を描き、実行しながら構想を進化させていく

    ・妄想の起点は社会課題
    ・2007年当時の社会的テーマ
     環境エネルギー 
     ライフサイエンス
     ヒューマンサイエンス
    ・社会課題を起点にすると視座が高くなるが、リサーチによる深い分析と両方が必要。
     妄想を構想に変えるために必要なのは高い視座と深い分析と、妄想を議論する相手。
    ・フックと回収エンジンが離れているほど事業規模は大きくなる傾向あり
    ・構想はビジネス全体の仕組み、ビジネスの生態系、ビジネスのエコシステムをつくること。戦略は実行できるよう具体化して優先順位をきめていくこと
    ・連携は、グループ内ではなく、その分野で最高のプレイヤー、業界外と組むくらいでないと大きな価値を発揮できない。
    ・連携はなるべく上の層であることが望ましい。担当変更含めた連続性を持たせるために。
    ・大きな事業創造の検討ステップ
     社会課題や意義
     妄想、構想、戦略
    ・適材について
      準トップクラスの中で攻めの仕事が好きな人材
      三つの要素が必要不可欠
       前向きで明るい
       謙虚で素直
       自分の意思がある
    ・育成法
      成功、失敗、どん底を体験させよ

    ・経営トップとはKPIをしっかりと握っておくこと。
     急な黒字化を求められたときに正当化できるように
    ・行政に求める3つの取り組み
      業界別の組織から社会的課題別の組織への変更
      実証実験フィールドの豊富な提供
      ビジネスプロデュース学部の創設

  • 規模は違えど参考になる話はあり、なんか取り入れられないか
    一段下の仕事をしたら、その下も一段下の仕事を…耳が痛い

  • 書いてある内容はイチイチ納得感あるものだ。
    企業は既存事業の先行き不透明感から、新規ビジネスの必要性を訴えるビジネスマンが多い。
    しかし一体、今までのキャリアの中で新規ビジネスを起こした人がどれだけいるだろうか。
    一度も新規ビジネスをやったことがないのに、人に「やれ」という。
    そして、企画を提案すれば「それで儲かるのか?」「既存部署の邪魔をしないでくれ」などと批判する側に回る。
    今の日本企業はこの循環に陥っているので、新規ビジネスがなかなか離陸しない。
    本書が発行されたのは2015年だ。
    今でも状況に大きな変化はない。
    2020年の今、このコロナ禍の状況では特に攻める事が難しい。
    しかしコロナの影響によって、既存事業のジリ貧化がむしろ決定的になった中で、新規事業への期待が高まっているのも事実である。
    攻める事が難しくても、歯を食いしばってやっていかないと滅びるだけなのだ。
    そういう気概を持っている人が果たしてどれだけいるだろうか。
    心では分かっていても、今までのサラリーマン人生で「チャレンジしないこと」「失敗しないこと」が最適として染みついている人たちに対して、気持ちの転換が出来るのだろうか。
    そういう意味でも本書の記載内容は正論であるが、実現するのに難しさを感じてしまうのはどうしても拭えない。
    さて、このような状況の中でどうやって新規ビジネスを成功させるのか。
    それがこの「プロデュース思考」なのだろう。
    本書冒頭で出てくる「もっともっと視座を高く」は、自分の発想で足りなかった点としてハッとさせられた。
    新規ビジネスと言っても、目に見える小さな「出来る事」から発想してしまいがちだ。
    どうしても「失敗したくない」という気持ちがあることも要因なのだろう。
    1億円の投資で2億円になっても「それは新規ビジネスとは言えない」と本書ではバッサリ切り捨てる。
    10年かかっても20年かかってもいいから、それが数百億円~千億円規模になるのかどうか。
    そういう視座を持って臨めというのは、確かにその通りだ。
    この規模にまで発展させるためには、一つの新規技術のネタを活用した程度では到底到達できない。
    「社会的な課題」を解決してこそ、大きな大きな市場が待っているのだ。
    その市場作りまでに視野が及んでいるのかどうかがすごく大事なのだ。
    これは本当にその通りだと思う。
    最近になってようやく「課題」について一般論として会話が出来るようになってきた。
    今でも「課題?イシュー?何ですか?」という人もいるが、「SDGs」とかの広がりもあって、何となくその重要性に気付いてきたし、コロナ禍の影響で実体験として「日々の課題」を感じることが出来たからだと思う。
    さて、この中から大きな社会的課題を見つけ出し、その解決方法を見つけ出すことが大事なのだ。
    社会的課題が大きければ大きいほど、解決策は困難を極めるが、逆に言えばそれらを解決することが出来れば、大きな市場が開くことになる。
    そういう高い視座の元に、実行段階でも何が何でも推し進めるのが「ビジネス・プロデューサー」だ。
    テレビ業界では「プロデューサー」という言葉は馴染んでいるので「困難があっても推進していくリーダー」という認識に違和感はない
    これをビジネスに当てはめていくということなのだろう。
    いずれにしても高い視座で、途中で諦めないで謙虚に実直に実行していく。
    非常に難しい仕事だが、やりがいはある。
    自分にも何か出来ることはないだろうか。そんなことを感じてしまった。
    (2021/1/23)

  • 内容はとても良い本です。
    ですが、万人が読む本でもありませんので注意。
    ビジネスは3,000億規模でやるものだと思っている人、社会問題の解決を目指す人、そのためには法改正も視野に入れている人などは、とてもハマると思いますが、会社や組織の中で単に「新事業」を立ち上げようとしている人向けの本ではありません。
    本書の概要を俯瞰的に掴ませようとする架空のストーリーが途中にあるのですが、海外(東南アジア)で街を作る、というビジネス構想のストーリーです。
    この規模感をリアルに感じられる人が読む本でした。

  • 大学の講義で知った、社会変革型リーダーはまさにビジネスプロヂューサーなのだと思う。
    発想力、構想力をもち、周りを巻き込み、幸せを増やすという仕事はとても憧れる。

    考え方として、仮にオーストラリアに一人でビジネスを立ち上げろと言われたときに何をするのか、自社の売上の10倍の3000億のビジネスをする場合に何をするのかを考えることが有意義であると思う。

    3000憶規模を考えるヒントは、社会課題の解決である。社会課題であれば、課題の規模も大きいため、解決するビジネスの規模も大きくなる。そして、この課題を解決するためには、繋げることに着目しなくてはいけない。一人でやる必要はなく、多くの信頼できる人を集め、一緒になって達成すればよい。

    読み物としても、生き方を考えるうえでも有意義な本だった。

  • ほとんど認識通りだったので、新しい学びは「自分の認識はズレてない」というところか。

    アメリカはこの20年で飛躍的に成長した。一方日本はというとほとんど成長なく、時価総額は逆転し追いつけないほどになった。

    大手企業もスタートアップも3000億円の事業創造に立ち向かえているか?

    SDGsは非常にいい舞台。

    ■3000億円の事業創造における重要な問い
    1.どんな社会的課題に立脚しているか?
    2.その社会的課題に値する市場規模はどのくらいか?
    3.あなたの企業でできる範囲と、他のプレイヤーにお願いすべきところはそれぞれ何か?
    4.あなたの企業がそのポジションをとれる理由は何か?
    5.他のプレイヤーがそれをやってくれる理由は何か?
    6.その事業には具体的にどんな法整備や規制の緩和かわ必要だろうか?

    ■ ビジネスプロデュースの肝
    「社会的課題を取り込み、それを解決する形での業界を超えた構想を描き、その実現に向けた仲間づくりをして連携していく」

    ■考え方の違い
    "欧米人は、大きく考えて大きな絵を描こうとすることが多いように思う。普通に考えても「できない」ことをいかに「できる」ようにするかを考えるし、そこに価値を置く。それに対して日本人は「できる」ことから発想する傾向が強いように感じる夢や理想から発想するよりも現実から発想する。しかし、今ある技術、今ある市場、今ある業界から発想している限り、桁違いの成長など期待できないのが現代のビジネス環境だ"

  • 日本の企業から大きな事業が生まれない要因を述べつつ、現在の企業内外を取り巻く環境下でいかにして事業を創造し大きく育てていくか、その方法論を語った一冊。

    キーワードは「つながる」こと。

    企業単体で行う事業の多くは飽和状態にあるので、ブルーオーシャンである社会課題解決をテーマに複数企業/自治体とつながってビジネスを構想せよ!という内容。

    ビジネスプロデュースのステップは、妄想→構想→戦略→連携→ルールづくり→実行。

    構想段階の話は、楠木建さん著「ストーリーとしての競争戦略」の時間展開を含んだ因果論理のある戦略ストーリーづくりにも通じる部分があり。

    その他にも、外部企業やそこの担当者、自身のメンターとなる人などの見極め方やつながり方、さらには新規事業創造についての社内での理解・協力体制づくりについての考え方が書かれてます。

    3000億の事業を生み出す!と表紙にあるので一見自分とは縁遠い話に聞こえますが、実際に自分がやるとしたら...と想像しながら読むと色々考えさせられます。

    当事者になりきって考えると、私の場合は「リーダーシップの旅」に書かれているような、見えないものを見ようとする志の高さや強さ、自分/周囲の人/社会に対するリーダーシップの重要性を読みながら感じました

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著者プロフィール

株式会社ドリームインキュベータ代表取締役社長

「2023年 『「共感」×「深掘り」が最強のビジネススキルである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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