- Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569824840
作品紹介・あらすじ
『三省堂国語辞典』編集委員を務める著者が日々出会う日本語について、言葉や挨拶、表現方法、敬語など幅広くさまざまに語る。
感想・レビュー・書評
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「『おつかれさま』は目上の人にも使えるが、『ご苦労さま』は失礼」という最近よく聞く説に「根拠がない」と、別の観点から納得のいく説明がされている。昔からの変遷も踏まえつつツイッターなど現在にもアンテナが張ってあって主張が誠実。
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著者が、普段から「ことば」をおろそかにすることなく、誠実に考えていることが分かる。
相手を尊重した上で「生きた紋切り型」の言い回しを使うこと、「わびる」ということばは相手への想像力がはたらいているという話、普段使うことばの選び方など、あくまで人と人とのコミュニケーションをつなぐものとして、ことばを捉えているように感じる。
辞書編纂者として、普段からことばに注意を払っている。街中の看板・学生の話し言葉・ネット上の投稿など、対象を限定することなく、ファッション・花の名前・料理など、分野を限定することもなく、アンテナを広く張り巡らせている印象。
コンサルタントが日頃からビジネスに関する感度を高めているのと同様だと感じる。 -
日常出会うことばに意識を向けて観察してみよう。
ちょっとした意味の違いを大切にしてことばを使い分ける。
気になったことばを辞書で調べてみる。
できれば複数の辞書にあたって見てみる。
ことばはどんどん変化するもの。
そうした変化もふまえ、楽しき言語生活を送るための知恵が満載。 -
著者が、辞典編纂のため、あらゆる日本語を「用例採集」して考え・感じ取った、ちょっと工夫した表現、人間関係もよくなることばの使い方について、事例を交えて紹介・提案しているエッセイ。
少し思ってた内容より、感覚的な話が多い気がしますが、役に立つところもありました。
役に立つポイント
・否定的な表現に形容詞ではなく動詞を使う
・「いつも文末に来ることば」「いつも文の最初に来ることば」は、基本的にひらがなで書く
・反対語を意識すると文章が書ける -
辞書編纂者ならではの、普段言葉を使う上でのちょっとしたコツなど。「とても」や「せいぜい」の意味の変遷など、知っているとネタとして使えそう。散髪時の髪の長さを伝える方法として、奥さんから言われたという「写真を持っていけば?」というアイディアは、某理髪店のアプリで機能としてあるようでやっと時代が追いついてきたという感じかもしれない。
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「舟を編む」が出版された後なので、辞書編纂者の書いた本に興味がわく人が多くいるだろうことを予想して出版されたと思われる本。
まあ、日本語の常識を今一度確認してみるには読むといいかと。 -
新書文庫
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三省堂国語辞典編集委員