縮充する日本 「参加」が創り出す人口減少社会の希望 (PHP新書)
- PHP研究所 (2016年11月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569827377
作品紹介・あらすじ
教育、マーケティング、政治。同時並行的に起きている「参加」の潮流を読み解き、縮小しゆく日本社会の「あるべき姿」を考える。
感想・レビュー・書評
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昔からあった課題と解決策が顕在化してきた、という感じ。事例もたくさんあるけど、体系化されてこなかった。だから、見過ごされてきた。
理論と実践のパッケージが増えてくれば、あとは組織論の問題が残るように思う。
すなわち、多様な参加者を受け入れる器の大きい組織をどう作っていくか。その部分をもっと語って欲しかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
途中、アート系の話が多く、ちょっとかったるくなったが、多分アートの知識がないからだろう。
第7〜9章はいい意味で印象的。-
2021/07/19
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参加、私ではなく私たち。
人が少なくなるなかで人の重要性は相対的に上がってくる。そこから何を産み出すのか。 -
コミニュケーションや参加というテーマは、学生時代から興味があり、D論のテーマとしてやりたいと思ったこともあったが、指導教官に止められたりした。
それをやってのけたというのが、山崎さんか。
じぶんの体験も踏まえながら、様々な分野での参加の最前線を、横に繋いでいく。
そのキーワードが、コミニュケーションのデザイン。
でも、彼の方に軍配か上がるのは間違いないな。 -
様々な領域で「参加」の流れが来ている。
それぞれの領域で違う言葉で、同じことを示していた。
人口が減りつつも厚みのある日本へ。
山崎亮さんが書かれたこの本は、最近の自分の中では一番読んで良かったと思えるものだ。 -
【由来】
・図書館の新書アラート
【期待したもの】
・お師匠さまの「縮減する社会」と酷似したタイトル。「ふるさとを元気にする仕事」の著者だったということもあり、どんなことを主張しているのか読んでみたい。
【要約】
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【ノート】
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【目次】
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多角的に近代の日本を紐解いて、「参加」という潮流が2020年以降の日本を形作っていくという感じか。領域横断的で読み応えあり面白かった。
コミュニティデザイン、オープンデザイン、オープンデータ、アクティブラーニング、クラウドファンディング、コワーキング。 -
【資料ID: 1117000853】 318.8-Y 48
http://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB22516256 -
「わたくしごとを『わたしたちごと』へ変えていくのが公共の概念になる。」p.33
「『ゼロを一にするのは、しくみのないところで新たな活動を始めるNPOの仕事。一を十〇にするのは理論武装をして一般化する学者の仕事。それを事業にして収益を上げる五〇までは企業でもやれる。収益につながらない部分も含めて全てに適用できる一〇〇にするのが行政の仕事ーーー』。」p.93-94
「人口の自然減という時代の流れに、大南さんは逆らおうとはしていない。同じ減るなら創造的に減っていく道を考えようということだった。」p.98
「そして、住民が『お客さま』になっていった。」p106
「高い専門性と同じくらい、ひょっとしたらそれ以上に、『いっしょに何かをやりたい』と相手に思わせる力が協働の時代には求められてくる。そこは表層のように見えながら、じつは本質的なことだと感じるのである。」p.418-419
「客足が遠のいて寂れてしまった中心市街地は全国の地方にある。『なんとか活性化させたい』と、studio-Lに依頼が来る。そこで重要になるのは、働き方をデザインすることだ。(中略)僕らは困る。商店主たちが求めているのは、自分たちの働き方を何も変えずに大型店やネットショップと対抗する手段なのだ。昔に戻りたいというのと同じだ。どんなに知恵を絞ったところで、時計の針を逆に進めることはできない。」p.427
「中心市街地に求められるのは、インターネットで経緯する雲の上ではできない役割だ。それは、人と人とが現実に出会うことでしか生まれない価値の創造と言っていい。」p.428
地域への人びとの参加について複数の論点から書かれている。最近読んだ『未来政府』とリンクする点が多く、ためになった。『未来政府』が行政側のとるべき姿勢を描いているならば、本書は住んでいる人びと側がとるべき姿勢(本書でいう参加)が描かれている。