面白くて眠れなくなる植物学

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569830292

作品紹介・あらすじ

ベストセラー「面白くて眠れなくなる」シリーズの植物学版。身近なテーマを入り口に、植物のふしぎ、植物学の奥深さを伝える一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 中学・高校の生物の植物の分野を分かりやすい文章でおさらいしてみましたという感じで、眠れなくなるほどではない。稲垣さんの本としては、はっちゃけたところもユーモアもなくてちょっと肩透かしかな。まあ新しく知ったことも幾つかあった。例えばー
    ・蒸散の関係で樹木は140メートル以上には成長しない。
    ・葉のつき方や花びらの数はフィボナッチ数列に従っているのはおなじみだが、花びらの数にはリュカ数列のものもある。
    ・トリケラトプスは、被子植物がアルカロイドという毒成分を身に着けていく進化スピードについていけなかった。
    ・クロロフィルとヘモグロビンの分子構造は、真ん中がMgとFeの違いだけ。
    ・樹木の中心の心材は死んでいて抗菌物質で守られている。

  • 植物にも、「血液型」がある?!
    112〜115ページを見てみると、私は大根・キャベツ型らしい。
    「おぅ・・・・・」という返答しかできないこの微妙さ!
    100ページには、古事記の記述(本当かどうかは原典にあたるのが原則だが、省略!)によると、「大根のような白い腕」という褒め言葉があったそうな。
    大根足も褒め言葉。
    大根役者は「当たらない(食中毒にならない)」から、役にあたらない→下手くそ!という説がある。
    そんな大根と一緒にされて、喜ばしいことだ。
    夕飯は大根の味噌汁にしよう。

    植物が持つフィボナッチ数列も面白い。(16〜27頁)
    フィボナッチ数列よりはメジャーでない、リュカ数列なるものも。
    植物はそれに従っているそうだ。
    数学の世界は、自然界にたくさん備わっているそうだが、神は数学を愛したのだろうか。
    それとも、数学が神を生み出したのだろうか。
    「神」という曖昧な存在は、もしかしたら数学でできているのかもしれない。

    有名なメンデルの話やクローンザクラの話も、初めて目にする話もある。
    確かに面白い。
    このシリーズはたくさんあるので、徐々に読んでいこう。
    仕事があるのは本当にありがたいことだけれど、ただの願望を言うならば、
    「一人で」(子供の世話も何にもしない)「自宅待機」(テレワークも出勤もしない)で本を読み漁りたい・・・。
    巣籠もりは苦じゃないが、教師役と母役と保育士役と社会人役をやるのは、疲れたよ。

  • 下記好きだった箇所の内容。

    雑草は踏まれても立ち上がる
    人間の都合でその方が良いという解釈。
    本当は踏まれてまた上に伸びるより寝かせて花を咲かし種子を残す方が合理的なので、何度か踏まれたら立ち上がらない。

    植物の方が人より合理的。余計な感情がない。
    様座な事実を見るのに非常に勉強になりました。



  • 植物学を、短い文章で興味を持たせるように記載されたもの。
    それにしても、植物の狡猾かつ合理性には改めて驚かざるを得なくなる。
    葉や花の数には、フィボナッチ数列や、リッカ数列によるもので、いかに効率よく光合成をするかを無意識的?に行っているなどなど脱帽である。
    まだまど興味がつかない分野であることを再確認した。

  • なぜ花は美しいのか?その理由には美しい数学が関係していた!
    という大変興味深い内容から始まる植物の雑学。人間と違って植物はこんなにも合理的なのか…と思い知らされた。生き延びるために講じる工夫が素晴らしい。本当に意思があるのでは、と思ってしまう。

  • 植物学の本。
    眠れなくなるほどではないが、植物学としておもしろい

    メモ
    ・紅葉なぜするか。秋冬になり気温が下がり、光が減ると、葉っぱが生産工場からお荷物になる。葉っぱと本体が離層という現象がおきる。それ以降も葉っぱが光合成して、葉っぱに糖が溜まる。やがて動画アントシアニンに変化して紅葉する。並行して緑のクロロフィルが分解されることも相まって。
    ・アントシアニンの効果。赤色色素。紫外線を吸収して細胞守る。水分不足や寒さから身を守る。抗酸化機能で病原菌から身を守る。

  • 植物はどれくらい高くなるのか。表紙の通り、150m以下だったと思う。理由は植物の茎の中を重力に逆らって根っこから吸収した水や栄養分を葉っぱまで届けることができる限界距離から。ではどうやって重力に逆らってまるで吸い上げるように根っこから葉っぱまで運ぶのか。
    実に独特の切り口で植物の不思議な生態や知識が書かれている。
    庭で植物を育てるようになってから植物学に興味がわき図書館で気になって借りた本。
    植物好きとしてはとても面白かった。特に日常で起こっていることがとても奇妙でまた神秘的だと思えた。

  • 『面白くて眠れなくなる植物学』 稲垣栄洋 著 | 九州大学 藤田直子研究室
    http://kyushu-u-fujita.sakura.ne.jp/wp/archives/book/%E3%80%8E%E9%9D%A2%E7%99%BD%E3%81%8F%E3%81%A6%E7%9C%A0%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8B%E6%A4%8D%E7%89%A9%E5%AD%A6%E3%80%8F-%E7%A8%B2%E5%9E%A3%E6%A0%84%E6%B4%8B%E3%80%80%E8%91%97

    『面白くて眠れなくなる植物学』|今すぐ誰かに話したい!
    http://asayoru.net/botany-1

    面白くて眠れなくなる植物学 | 稲垣栄洋著 | 書籍 | PHP研究所
    https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-83029-2

  • 978-4-569-83029-2
    C0045\1300E
    発行所:PHPエディターズ・グループ
    発行元:PHP研究所
    タイトル:面白くて眠れなく植物学
    2016年5月6日 第1版第良刷発行
    著者:稲垣栄洋(いながき ひでひろ)

    目次より
    初めに
    1 すごい植物のはなし
    木はどこまで大きくなれるのか?
    植物のダ・ヴィンチ・コード
    花占いの必勝法
    花は誰のために咲く
    ちょうちょうはなぜ、菜の葉に止まるのか?
    花の初恋物語
    トリケラトプスの衰退と植物の進化
    リンゴのヘタはどこにある?
    日本タンポポ対西洋タンポポ
    水戸黄門の印籠はフタバアオイ
    紅葉はなぜ赤くなる?
    植物の毒は私たちを魅了する
    マツはなぜめでたいのか?
    2 面白くて眠れなくなる植物学
    芽が出ない
    竹は木か草か?
    ニンジンの上手な描き方
    木が先か?草が先か?
    大根足はほめ言葉!?
    植物が動かない理由
    植物はなぜ緑色をしているのか?
    植物血液型は?
    桜のジャージは何桜?
    種子のひみつ
    メンデルの遺伝の話
    カラフルなトウモロコシの謎
    3 読みだしたらとまらない植物の話
    赤提灯は熟した果実
    草原物語
    台所の植物学
    かいわれ大根が育つとどうなる?
    どうしてバナナにタネはないのか?
    ねこじゃらしは高性能植物
    泥棒の風呂敷は唐草模様
    オスの木とメスの木
    法隆寺の柱は生きている?
    暮らしを支える植物繊維
    植物の誘惑ー地球
    おわりに
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    著者さんについて
    1968年静岡県生まれ
    静岡大学農学部教授
    能楽博士、植物学者 農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、現職。
    主な著作に
    ●身近な雑草の愉快な生き方(ちくま文庫)
    ●植物の不思議な生き方(朝日文庫)
    ●キャベツにだって花が咲く(光文社新書)
    ●雑草はふまれてもあきらめない(中公新書ラクレ)
    ●散歩が楽しくなる雑草手帖(東京書籍)
    ●弱者の戦略(新潮選書)
    ●身近な花の知られざる声帯(PHP) 他
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    リンゴと柿とイチゴ ん~ そのように思ってみた事は無かったけども いわれてみれば確かにその通り。
    木はどのくらい高くなれるかなんて気にした事も無かったけど25階建てのビルの屋上からストローで地上のコップから水を吸い上げるって考えたら・・・。
    葉っぱの形にも理由があり、葉っぱの付き方にも理由があり、発芽にも花の色にもちゃんと理由があるんだ。
    コスモスもサボテンも身近過ぎて、大根もニンジンも身近過ぎて「そーゆーもん」って理解してたけど、面白い。

    導管師管維管束・・。テストに出るぞって以来ご無沙汰数十年にして おぉぉぉ~!と楽しみました。
    ターボエンジンとツインカムの話も自分には理解しやすかったです。
    エノコログサは高性能だけど弱点あり。

    フィボナッチ数列w

  • うさぎの増え方はフィナボッチ数列に従うとか、豆知識として面白い本。さっぱりしたいと雑草を刈り取るやいなや、土のなかに眠っていたまだ発芽していない雑草の種が「ほら、日射しがよくなった、チャンスだ!」といっせいに発芽して、以前よりまして雑草が生えてきて酷くなるという解説は苦笑してしまった。

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著者プロフィール

稲垣 栄洋(いながき・ひでひろ):1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する記述や講演を行っている。著書に、『身近な雑草の愉快な生きかた』『身近な野菜のなるほど観察録』『身近な虫たちの華麗な生きかた』『身近な野の草 日本のこころ』(ちくま文庫)、『植物はなぜ動かないのか』『雑草はなぜそこに生えているのか』『イネという不思議な植物』『はずれ者が進化をつくる』『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』(ちくまプリマー新書)、『たたかう植物』(ちくま新書)など多数。

「2023年 『身近な植物の賢い生きかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

稲垣栄洋の作品

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