好きなひとができました

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569831589

作品紹介・あらすじ

簡単に人と付き合うけれど「好きなひとができた」とすぐに別れる男。彼を巡る人々の心情からその真実の姿を浮かび上がらせる長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 別れの言葉で「好きな人ができたから」って言われちゃったらもうアウトですよねー・・・ってことで、これほど人を傷つける残酷な言葉があるだろうか・・・衝撃と慟哭のミステリー!って言われちゃあ読むっきゃないですよねぇ?w

    んで、目次を開いてビックリ!
    え?まさかの妖怪譚??しかも短編集だったり???
    怪訝な面持ちでページをめくる・・・んー、現代だね。ダイジョブ、妖怪譚ではなさそう・・・w

    さてさて・・・あ、なーるほど。ふむ、これはなかなか面白いかも~、と読み進める。

    むーん・・・いろいろ壊れてるなー。
    壊れてる人に関わってると、その人も壊れて行っちゃうのねー・・・という、ね。

    背の高い細身の男ってのにリアリティを感じられるともっとよかったんだけど、それが希薄だったのがちょっと残念。
    でも、衝撃でも慟哭でもなかったけど、なかなか読ませる感じでよかったです♪

  • ころころ恋人を変える軽い男の話だと思ったら毒親と毒友の環境下で育った悲しい男の話だった
    好意は必ずしも良いものではなく、時には身を引くことも大事だと感じた
    どうか次の恋から上手く進みますように

    そして背の高い男性はどこかで思い止まりますように

  • 帯に煽られます。自分的には全然ミステリーではなかったです。主人公のイケメンとその周りの人のストーリー?みたいな。

  • 「好きな人ができたから」。これほど人を傷つける残酷な言葉があるだろうか……。
    人から「好き」と言われるたびに次から次へと女性とつきあい、すぐに「好きなひとができた」と言って、別れを告げる男、神崎登吾。彼はなぜそのような行動を取るのか。彼になぜ女たちは魅かれるのか。そして彼に捨てられた女たちの心情は?
    神崎登吾に運命を捻じ曲げられた男たち女たち、かつての友人、親戚たちの証言から、徐々に彼の正体が浮き彫りになっていく。そして、諦めきれず執拗に彼を追い続けるある女、影のようになぜか彼につきまとうある男が引き起こす決定的な事態とは!?



    現在の神崎登吾は出てこない。みんなの口から語れる神崎は、全て過去のものとなっている。リサイクルショップで働く神崎、付き合っていた頃の神崎、小学生の頃の神崎、イトコとして付き合っている神崎。全ては過去のもので、思い出の中の彼。


    「好きな人ができたから」と別れられたほうは、たまったもんじゃないけど、みんなどこかで吹っ切れて今の生活を過ごしている。だけど、なんとなく神崎の周りをうろつく怪しい男、過去の神崎を探っている女。少し薄っすら寒いところがあった。


    神崎は、少しかわいそうな育ち方をしてきた。優しい言葉を言う人は信用しない。彼が育ってきた環境がそうしたんだろうなと。でも、なんか彼が幸せになってほしとも思ってしまった。最後のオチは、なんだか微妙だったけど、結局、最後まで現在の神崎は現れなかった。それもまたいいのかもしれない。


    2023.2.23 読了

  • 2022/10/24

  • *次から次へと女性とつきあい、すぐに「好きなひとができた」と言って、別れを告げる男。彼のその行動は、周囲の人々、そして彼自身の運命を歪ませていく…。周囲の人々の証言から、浮き彫りになる男の正体とは!?思わぬ結末が胸を打つ!衝撃と慟哭のミステリー*

    整った容姿を持つが、子どもの頃から「好きだと言えば、おれを支配する通行券を得られたと思う人々」に嬲られ、苛められ、虐げられてきた男の話。

    本物の愛情を求めてすぐに人を好きになるが、そのうち相手から支配や要求が増えてきて、ああまたか・・・と失望し、次の「好きなひと」のところへ乗り換える神崎登吾。溺れる者のような痛々しさが心に染みます。

    そんな登吾を追う、昔馴染みのストーカー男と、登吾を諦めきれない元カノのストーカー女を軸にストーリーが進み、最後は・・・いいのか悪いのか・・・ちょっと煮え切らない結末。「好きだと言えば何でも許される」と言う状況にずっと耐え続けてきた登吾の痛ましさが生生しかっただけに、もう少し救いがあっても良かったかな・・・読後感は悪くないですが。

  • これはキツい。「好きな人ができました」と言って、次から次へと彼女を変える神崎登吾。彼に振られて執拗に追いかける仁村萠。逃げる男にしつこい女。どっちにもウンザリかと思いきや、そういう話ではなかったと。人を好きになるって、綺麗な感情だけではない。押し付け・支配欲・嫉妬・執着心、時に負の感情も混じるもの。歪んだ愛は凶器に変わり、不要な愛は重荷になる。そこにいじめ・子への虐待描写も絡んで、ちょっと重かった。ところどころは共感できるけど...何だかなぁ。章題の妖怪名もムリヤリ感があって余計。ラストもスッキリしない。

  • ただただ可哀想なイケメンにまつわるお話

  • 加藤元さんは最近注目してます。男でも女でも、若くても年寄りでも、お父さんでもおばあちゃんでもいろんな人になって語ることができる人だなあと感じます。しかもけっこうネチネチと。今回は恋愛について語られるのかと思いきや、家族がテーマでした。後味が少し怖かった。

  • ゆるいミステリー。真の主人公は想いを語らず、彼に関わる人々の想いや行動、ストーカー彼女の行動で物語が進んで行く。最後の予想は早い段階でつくが、人を好きになるとは難しい事ですな。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ、東京育ち。日本大学芸術学部文芸学科中退。日本推理作家協会会員。2009年、『山姫抄』(講談社)で第4回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。『泣きながら、呼んだ人』(小学館)が盛岡のさわや書店が主催する「さわベス」1位を獲得。2011年に刊行した『嫁の遺言』(講談社)が多くの書店員の熱い支持を受けベストセラーに。その他に『蛇の道行』(講談社)、『四月一日亭ものがたり』(ポプラ社)、『ひかげ旅館へいらっしゃい』(早川書房)、『ごめん。』(集英社)など。昨年刊行した『カスタード』(実業之日本社)は奇跡と癒しの物語として多くの読者を勇気づけ、本作はその続編にあたる。不器用だけど温かな人情あふれる物語には、幅広い世代にファンが多い。

「2022年 『ロータス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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