- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569840734
作品紹介・あらすじ
生前退位の前に知っておきたい、皇室、天皇陛下の話。憲法の中の天皇、天皇の歴史、皇室の未来とは? 池上彰さんと一緒に考える一冊。
感想・レビュー・書評
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さすが池上彰さんという感じの本です。
天皇家の歴史、呼び名と称号、仕事内容等をわかりやすく説明してくれていると思いました。
天皇陛下という存在を漠然とした認織で持っていなかったが、この本を読んで少し明確になったと思います。
最終章の元侍従長との対談は必読です。
平成天皇陛下(上皇陛下)の性格や普段の報道では見れない裏側を語ってくれています。
人物としての上皇陛下の人物像が見えてきます。
国民統合の象徴とは何かの答えが見えるかも!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
分かりやすさで定評のあるジャーナリスト池上彰による、天皇についての本。
本書は上皇陛下がまだ生前退位される前に刊行されたものであるが、学ぶところは多いにある。
そもそも日本人として日本に生まれたからには、意識せずとも(どの国でもそうなのであろうが)自身の国について考えさせられることがあるのであろうが、ではその中心ともなるのは、日本では首相ではなく、天皇なのであろう。
それは主役が国民となった今日においても、我々自身の気づかない連綿たる伝統と歴史、そして国民を繋ぎ融和と繁栄の、まさに一個人を脱した結合体かのようである。
日本国の象徴であり日本国民統合の象徴、簡単には言うが、それを日々問い続け、実践されてきた上皇陛下には、並々ならぬ思いがあったのであろう。
果たして一般人がそういった高齢になっても仕事を継続していけるのかさえ疑問であるにも関わらず、多忙でも手を抜かず、生真面目にこなすことには、まさに国民の安寧と幸せを祈り、共に歩んできた証明となり、今後のあるべき天皇の模範ともなろう。
それ故に皇室がどうあるべきかを、しっかりと議論しなければならないのであろう。
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平成天皇が生前退位をされたときの経緯をもとに、天皇制を考える上で、歴史を紐解き、皇室とその仕事を紹介しながら、最後に天皇のお側で仕えた元侍従長とのインタビューを通して、わかりやすく考えさせられる構成になっている。
現在の皇位継承者は3人(秋篠宮→悠仁親王殿下→常陸宮)しかいない。常陸宮はご高齢のため、悠仁親王殿下に男性の世継ぎが生まれなければ、天皇の系統がなくなる問題が手付かずで残っている。これは男系男子のみが皇位を継ぐことができる皇室典範に基づくものになる。過去には女性天皇が6人(計8代)いたが、いずれも男系男子の天皇に繋がっていた。今上天皇の長子として愛子様がいるが、前例に基づけば皇位継承できるが、この皇室典範が縛りになっている。天皇制の持続について、政治家が放置してきた不作為は重くのしかかってくるだろう。最後に、元侍従長のお話を通して、天皇の素顔に近づくことができるが、憲法で表現されている象徴天皇という立場を抱え続けた思いに深く頭が下がる。 -
天皇の譲位とそれにともなう改元は、連日のニュースで大きく報じられました。本書では、元号とは不可分な関係である天皇制について、メディアで話題となった天皇陛下の「お務め」や「生前退位」「憲法」などさまざまなトピックを挙げて解説しています。
(都市・環境学コース M2) -
このタイミングで読めて良かったです。陛下のお気持ちを知り、温かさに涙が出ました。退位後は美智子皇后様とお2人の時間をゆっくりと過ごしていただきたいです。
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池上彰さんのわかりやすい解説ですっきりと理解できた。天皇の歴史、生活、憲法上の位置付け等について実は今までよく知らなかったという人におすすめ。戦前の権力者としての天皇の立場と戦後の象徴天皇の立場は大きく違う。今上天皇が政治的権限の無い象徴としての役割を考え続けられた結果、被災地や戦没者の慰霊に訪れる姿、国家元首としての振る舞いはまさに日本の発展、国民の幸せを願うものであり、日本国民統合の象徴の意味がわかった気がする。これから皇室の存続や天皇の在り方を議論する上で知っておくべき内容だった。
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全く知らなかった天皇・皇室の世界を少し知ることができた。
さらっと読める本。 -
新天皇陛下が即位され、元号も変わったので読んだ。
(本来は前が良かったかもしれないが)
そもそも皇族とは誰なのか
戦前と戦後で皇族がどれだけ変わったのか
天皇とは何なのか
象徴とは何なのか
王とはどう違うのか
子供が素朴な疑問として聞いてきそうなことを池上彰さんが噛み砕いて答えてくれる。
いつも通りのわかりやすさで本書を読めば天皇とは何かを理解できる。
本書を読んで、女性天皇の議論などに触れるとより理解が深まるはず。