ウィロビー・チェースのオオカミ

  • 冨山房
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784572004727

作品紹介・あらすじ

両親が不在の屋敷にあらわれた家庭教師によって、ボニーといとこのシルヴィアは、次々と陰謀の渦に巻きこまれていきます。少年サイモンの助けで窮地を脱するのですが…三人の大冒険の結末は?波瀾万丈のシリーズ第1作、待望の新訳!

感想・レビュー・書評

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  • タイトルや装画からオオカミが出てくる動物文学だと思った。予想とはまるで違っていたが、想像しなかった別のおもしろさだった。

    ウィロビー・チェース屋敷で何不自由なく育ったお嬢さんボニーが、家庭教師の陰謀によって孤児院に…子どもの頃読んだ『小公女』を想い出した。
    ボニーといとこのシルヴィア、孤児のサイモンの三人が大人の悪事を暴こうと奮闘するハラハラドキドキの大冒険。
    ジョーン・エイキンは、生き生きとした子どもの姿を描くのが本当にうまい。

    オオカミは、物語が動き出す前の不穏な空気を醸し出すのに一役かってるのかな?

  • 真夜中、突然列車が止まり、シルヴィアは目を覚ました。雪原に遠吠えが響き、オオカミが次々と窓に体当たりしてくる。窓が割れた・・。
    シリーズもの!

    (『キラキラ子どもブックトーク』玉川大学出版部より紹介)

    「両親が不在の屋敷にあらわれた家庭教師によって、ボニーといとこのシルヴィアは、次々と陰謀の渦に巻きこまれていきます。少年サイモンの助けで窮地を脱するのですが…三人の大冒険の結末は?波瀾万丈のシリーズ第1作、待望の新訳!」

  • 架空のイギリスが舞台のお話。外国からオオカミが流れてきていて、冬は常に襲われる危険に備えているという。
    でも、オオカミの設定がイマイチ活かされてなくて「?」ってなりました。お話はとても面白かったです。次々来る困難に立ち向かう主人公たちのキャラクターが魅力的で良かったし、読みやすくて最後は胸がスカッとしました。
    あとがきを読んで知ったんですが、こちらはシリーズものの1冊目。ということは、その後にこの設定が活かされてくるのかな?と思いました。

  • すっごく面白かった、これ!

    広大なウィロビー・チェースのお屋敷に住むおてんばお嬢様のボニーのところに、いとこのシルヴィアが引き取られてきます。
    病弱なボニーのお母さんの療養のため、ボニーの両親は世界一周の旅に出ます。
    代わりに遠縁のスライカープさんが家庭教師として住み込みに来ます。
    そして、シルヴィアと同じ列車に乗り合わせたグリムショー氏も、ひょんなことからボニーの家に滞在することになります。

    もうこのあたりからドキドキが止まりません。
    幼い少女二人の住むお屋敷に住み込む得体のしれない大人二人。

    そうです。
    ボニーの両親がいなくなったら、さっそく我が物顔に家の中をめちゃくちゃにするスライカープ先生とグリムショー氏。
    あっという間に悪人の正体を現します。

    手練れの悪党と対峙するにはあまりにもボニーとシルヴィアは幼いですし、世間を知りません。
    顧問弁護士に相談しようと思いますが、住所を知りません。
    しょうがないので主治医の先生に助けを求めようとしますが…。

    ふたりの味方になるのは、召使のパターンとジェームス、そしてウィロビー・チェースで自活をしている少年サイモンだけ。

    二人は次々にひどい目に遭いますが、お嬢さん育ちのわりに負けず嫌いで根性があって優しいボニーと、病弱ですが秦がしっかりしているシルヴィアに次々に襲い掛かる不幸。
    もう、巻を置く能わずとはこのことです。
    ページを繰る手が止まりません。
    何なら息を止めて読んでいたかもしれません。
    そのくらい面白かった!

    けどこれ、シリーズの1作目なんです。
    そして、原作はもう何年も前に出版されているのですが、翻訳が途中で止まっちゃっているんです。
    それを思うと、読みたいは山々ですが手を出さないほうがいいかとも思い…。
    悩むな~。
    オオカミの存在感があまりないのも、気になるし。

  • 「外国の本っておもしろい! ~子どもの作文から生まれた翻訳書ガイドブック」の「3. ファンタジー・冒険」で紹介されていた10冊のうちの1冊。

  • 架空のイギリスを舞台にしたダイドーの冒険シリーズの1作目。(ダイドーはまだ出てこない)

    ウィロビーチェースのお屋敷のひとり娘ボニーとそこにやってきたいとこのシルヴィア。こわい家庭教師がきたと思ったら、船出した両親が死んだとの情報が入って、家庭教師に家を乗っ取られてしまう。
    展開や結末は想像できるところもあるけど、ボニーとシルヴィアの冒険は結構過酷でスリリング。ドキドキしながらどんどん先を読めてしまう。ガチョウ売りのサイモンがいい。次はサイモンが主人公。

  • もし小学生の時に読んでいたら途中断念したかもしれないくらいスリリングなお話でした。
    大人の今だから終盤の展開が予想出来たので最後まで読めたけど、主人公たちのいじめられ方が可愛そうでドキドキしてました。ボニーの勇気はもちろんだけどサイモンの賢さが心に残ってます。
    ボニーのお母さんがすごく健康になるのはご愛敬かな!

  • どきどき、はらはら、少女二人の大冒険活劇!登場人物全てが(悪役ですら)とても人間らしく、温かな作者の人柄が偲ばれる。読後感が爽やか。名作。

  • 架空のイギリスが舞台ということだけど、野山の様子や食べ物にすごくわくわくする。スケートとか、抜け道屋敷とか、ガチョウにくるまれて寝るのに憧れる。サイモン!
    後から振り返るといい人はいい人、悪い人は悪い人と明快すぎたり、展開にリアリティが足りないかも?なところもあるけど、読んでると本当にハラハラどきどきして引き込まれた。シリーズのほかのも読んでみたい。

  • 2008年版が出ていて良かった!(今度是非見てみます)私が読んだのは、75年の版で図書館で保存庫入りのものですから、探さないと読めないのが残念なほど、よい物語でした。
    本物のおおかみは強い印象を与えつつも脇役で、オオカミを凶暴な悪いものとしてとらえた上でのタイトルだと思うので、オオカミ好きの私はイマイチですが、中身のお話は素晴らしくスリルもあり面白いです。悪い大人と尊敬出来る大人が出て来て、学校の勉強をしていなくても知識や知恵のある少年も大活躍します。時代の古さと異国感に多少の戸惑いはあっても、高学年の子に読んで欲しい一冊。これで物語にハマる子もいるかもしれない。とすら思えます。

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