- Amazon.co.jp ・本 (617ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575234633
作品紹介・あらすじ
母親を殺害された娘の叫び。あの忌まわしい事件から七年、心に癒しがたい傷を負った人々の物語。話題作「風紋」続編。
感想・レビュー・書評
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よかった。ひとつの殺人事件がこれほどまでに影響を及ぼすんだと分かった。イライラして何をしでかすか分からないとき、この本に書いてあった事を思い出したら思いとどめれる気がした。文章も言う事はないけど、読者に深く訴えかけるものがあってとてもよいと思った。
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『風紋』から7年、犯罪被害者遺族と加害者家族のその後。
被害者遺族の真裕子は、事件を忘れることが出来ないだけでなく、引きずったまま逃れられずにいた。
突然あんな形で母親を亡くし、大人になりきれないまま24歳になってしまったようにさえ見えた。
7年振りに再会した新聞記者の建部には、少しずつ心を許し始めたところが救い。
加害者の妻香織の変貌ぶりには驚かされはするも、興味はそそられた。
その息子大輔が心配。
これから先に真実を知ることになるとしたら、誰か救ってあげられるのか。
大輔の周囲で起きた新たな事件の真相も気になる。
このまま下巻へ進みます。
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「風紋」の続編上巻。
高浜則子が不倫相手に殺害されてから7年が経過。
娘・真裕子は事件当時、浮気をしていた父と、生活が荒れていた姉を許すことも出来ず、孤独に人生を諦めて生きていた。
加害者である松永の妻・香織は、長崎の祖父母に息子・大輔、娘・絵里を預け、子供達には母親であることを隠し、東京で再起を図ろうと男に依存し、大輔は自分を押し殺しながら生きていた。
また事件を取材した建部は長崎支局に転勤になっていた。
香織の甥で、大輔達と同居する従兄の歩が殺害され、葬儀で香織を見かけた建部は、運命的なものを感じ、犯罪関係者の顛末を記事にしたいと駆り立てられる。
祖母の体調不良、絵里の闘病のため、東京の香織のもとへ移った大輔、東京へ舞い戻った建部、東京で孤独に生きる真裕子。
加害者家族と被害者家族、3者の流れが混じり合うとき、新たな物語が始まる。
登場人物が東京へ集うあたりから、それぞれの行動や想いから、絶望、希望、欲などあらゆるものが迸る。
犯罪がいかに人生に波及するのか、一例を垣間見る感じで、続きが気になって仕方がない。 -
風紋の続編。
母親を殺害された高浜真裕子は、そのとき高校二年生。心に癒しがたい傷を負った。一方、加害者の子供たち大輔と絵里は長崎の祖父母のもとに預けられ、父と母を知らずに成長する。運命が変わったあの日から七年、かけがえのない人をもぎ取られた真裕子の心の傷は癒えるのか。殺人犯の父親を持った子供たちは、その運命を受け容れることができるのか。 -
2016.5.1
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「続風紋」を加筆・訂正・改題
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2015_05_15読
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相当分厚い一冊ですが、飽きずに読めます。
事件から7年が過ぎ、加害者の家族と被害者の家族、永遠に癒される日は来ないのか!
早く下巻が読みたい。 -
久しぶり上巻だけで600ページ越えの長編。加害者の身内と被害者の身内の、事件のその後。事件の7年後に起きた別の事件から、7年前の事件を担当した新聞記者を通じて両方が因縁のようなものでうっすら繋がっているような・・・
小学生男児の母であるわたしにとって、序章から衝撃だった。そこから、ぱーっと一気に擦れた地図を広げられた感。少しずつ明らかになっていく箇所を、ようようつなげながら読む。両者は結局どう繋がっていくのか。事件の根っこにあるものがなんなのか、下巻に続く。 -
風紋」の続編。
主人公の男の子が小学生であったことが辛かったです。
加害者の家族、被害者の家族、事件は終わることなく永遠と続いていくんだな・・って思います。
もう一人の主人公が最後は幸せになれそうでほっとしました。彼女を支える新聞記者が第三者として、客観的に事件を整理していってくれるので、納得しながら読みました。