告白

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575236286

作品紹介・あらすじ

愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。第29回小説推理新人賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 誰が犯人かわからなくて最後までハラハラするのと、物語が進むごとに真実がわかっていく。誰が嘘を、ほんとを言っているのか分からなくて色々な読み方ができるところが面白い。

    思春期の少年少女の不安定な心や気持ちの描写がうまくて面白い。

  • 「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」
    我が子を校内で亡くした中学校の女性教師森口によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。
    語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、イヤミスの女王・湊かなえのデビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラー。
    自分だけの世界に浸り肥大した承認欲求をもてあまし命の価値を実感出来ない思春期の生徒、娘を殺した生徒に対して巧妙に仕組まれた復讐を仕掛ける担任教師森口、犯人生徒、犯人生徒のひとりに片思いする女子生徒の視点から描かれる森口の復讐から浮かび上がるのは、思春期の生徒の独り善がりな正義感や自分の感情と承認欲求しか大事に出来ず命の価値を実感出来ない歪んだ心理(特に自分の才能を発揮して自分を捨てた母を振り向かせたい一心で起こしたのが殺人だった主犯の生徒のサイコな心理や女性教師森口に操られているとも知らず主犯の生徒をいじめる生徒の独り善がりな正義感など)、息子を美化するあまり本性が見えず悲劇的な結末を迎える犯人の一人の生徒の母と熱血教師でいようとするあまりクラスの実態に気づかない熱血教師ウェルテル、復讐の果てにあるとことん救いのない結末まで、アンチ学園ドラマイズムで描き抜く、逆説的命の授業的な傑作イヤミス小説です。
    「あなた方は嘘をつくのが上手いですから」「誤った生徒に自分の罪を認めさせ命の大切さを実感して欲しい。自らの犯した罪の重さを知り、それを背負って生きて欲しい」「法律が許しても私はあなたを許しません」「これが私の復讐です。本当の地獄。ここからあなたの本当の更正が始まるんです」

  • とってもおもしろかった!楽しい気分にはならない内容だが、どの章も引き込まれる!読み終わった後、もう一度読み返してみて、なるほど、こういうことね、と納得を重ねていった。

  • 学生時代に図書館で借りて衝撃を受け、何度も読み返している。紛れもなく、私がイヤミスにハマったきっかけの本。

    読者がまるでその場にいるように、登場人物が語りかけてくるような湊かなえのお家芸はより一層物語に没頭させる。

    章ごとに変わる語り手に次々と真実が顕にされ、ページを捲る指が止まらなかった。


    最後は「ご想像にお任せします」タイプだが、どちらにせよハッピーエンドなんてものは無く、なんとも後味が悪い。でも本人達にとってはトゥルーエンドなのかもしれない。

  • 妬み、僻み、憎しみといった負の感情のオンパレードだった。登場人物の心情を汲み取るのは難しく、いや汲み取りたくないという思いが終始あった。しかしそれ以上に物語の顛末が気になり、夢中になって読んでいた。そして、読み切った感想はただ一言。胸くそわるっ!笑

  • 面白い!!!あっという間に読んでしまった。

    これは事前に映画を見てしまってるからかも知れないけれど、淡々と物語が進んでいく。
    ここで描かれているのは猟奇的な殺人、偽りの正義感による狂ったイジメ、捻じ曲がった子への愛?、マザーコンプレックス、ナルシシズムなど。まあまあのカオスぶり。普通の映画、小説だったらもうちょっとイカれた感じのBGMとか描写をつけてもいいんじゃないかな?
    ただそうした雑音がまるでない。静かに行われていく凶行だからこそ、引き立つ怖さがある。これが湊かなえさんのデビュー作と聞いて驚き!なんという作家なんだ!!!
    あと、読了後は内容的にも胸糞悪いハズなのに、いいもの読んだ!!!っていう謎の満足感があるのが良い。

    また読みたいなあー

  • まさに原点にして頂点。この人の本、まだこれしか読んでないけど。
    細かな人間の心の動きを、全くの無感情で書き上げるという一見矛盾した手法で進んでいくのが不気味だった。
    これって最終的には森口悠子先生は殺人者になるのだろうか。

  • 登場人物のモノローグのみで話が進んでいく。
    その中で、自分の視点もそれぞれの人物に引っ張られ、共感していってしまう。
    けれども、それぞれの視点から見れば1人の人間の視点は一方的なものでしかなく、前の章を読んでいた時まで共感していた気持ちは、次の章を読むとひっぺがされてひっくり返される。
    自分の気持ちの置き所が分からなくなってしまった。作品の力がすごい。

  • 映画を観て、とてもよかったので原作も間違いないと思ってました。おもしろかったです。

  • 別視点でも話が進むがそこまで必要じゃなかったかな。省いても良い箇所が多かった気がする。
    最初の緊張感は凄かったけど、全体を通しての驚きはそこまで感じなかった。
    最後もちょっと無理を感じてしまった。
    読書好きには薦めるけど、家族には薦めない。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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