告白

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575236286

作品紹介・あらすじ

愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。第29回小説推理新人賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 「愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたからです。」この一言で震え上がりました。
    担任を持つクラスの生徒に殺された、娘の愛美。復讐劇が始まっていく。正直文章を読む手が止まらなかったです。物語の展開もすごかったです。調べてみればこれがデビュー作。自分がもし娘を殺された立場だったら。逆にもし、自分が殺した立場だったらと考えると鳥肌が止まりません。
    この本のおかげで湊かなえさんがもっと、好きになりました。あまりにもおもしろかったので感想はいつもより長めです。
    人物の視点が変わっていくところも面白かったです。どうしてこのような行動をとるのだろう?と思っていて、ある程度予想していたものの全然違う、180度違う答えがその人物の目線で読むと返ってきました。
    ここまで、面白い作品を書ける人はそうそういないと思います。これは今まで読んできたいろいろな本の中でも特に驚かされる本でした。かんなに驚く作品に次はいつ出会えるのか...そのぐらいのびっくりです。
    かなりの長文になってしまいました(^^)

  • 「好きな小説ベスト3は?」
    と質問されたら、迷わずランキングに入ってきます。今でも1〜2年に1回は無性に読みたくなって、内容も知っているのに読み返します。

    全編口語体で書かれている本に出会ったのは「告白」が初めてだったので、初読時はその斬新さに、驚嘆しました。

    第一章の「聖職者」で、物語の大筋はわかり、それから、章を経るごとに別の登場人物の目線で、事件が語られ、物語が立体的になり、最終章で、森口先生の復讐が完成。
    最終章では、読者として復讐が達成した事に、胸がすっとしました。しかし、100%すっとはせず、どこか胸の一部を抉られた様な不快感も残ります。

    勿論、渡辺くんがした事は悪い事ですが、もっと違った環境が彼にあれば、あの様な事はそもそも起きなかったのではないかと、考えてしまいます。環境は大事ですね。

    何度再読しても飽きることの無い作品です。

  • 「娘は事故ではなくこのクラスの生徒に殺された」と最後のホームルームで語った中学教師は、復讐を果たすべく2人の男子生徒にある仕掛けをしたうえで中学を去る…。女児が死亡した事件の真相と、それぞれの過去、現在、この先のこと…を描くストーリー。

    私、この作品は映画を観たことがあります。中学教師の役を、松たか子さんが演じていました。まさに、ハマり役でしたね!もう、10年以上前なんですねぇ…私も年をとるわけだ(汗)。すごく面白かったので、本も後から購入したん…でしょうねぇ!でも、それから読む機会を持てず、やっと今回読むことができました(^-^;

    読んでみて、映画のシーンが蘇ってきました!ラストはすごかったですよねぇ~。なんか、いい作品は映画を観ても、小説を読んでもいいんだなぁ~ってことを実感できました。母と子…この作品では歪んだ愛の形がテーマなんだと思いました。こうして、レビューをどうするか考えてると、ホント奧の深い作品だったと改めて感じました。

    • かなさん
      チーニャさん、こんばんは(^^)/
      「告白」好きだなぁ~
      ここのところ、湊かなえさんの作品を読みまくってるけど、
      やっぱ、原点だけあっ...
      チーニャさん、こんばんは(^^)/
      「告白」好きだなぁ~
      ここのところ、湊かなえさんの作品を読みまくってるけど、
      やっぱ、原点だけあって、なんか好きです!
      チーニャさんも映画も本も読んでるんですね!
      なんか嬉しいなぁ…♪
      チーニャさんが、もういちどこの「告白」を読んで
      どんなレビューをしてくれるのか、
      楽しみになってきました(^^)
      あ、でもいつでもいいですよぉ~!
      コメント、ありがとうございます。
      2023/04/15
    • なおすさん
      かなさん

      こんにちは。

      以前、私の感想にコメントをいただいていたことに約半年の時を経て気づき、それをきっかけに、かなさんの感想を拝見させ...
      かなさん

      こんにちは。

      以前、私の感想にコメントをいただいていたことに約半年の時を経て気づき、それをきっかけに、かなさんの感想を拝見させていただきました。

      告白、とても好きな本です。

      レビューを考えながら作品の奥深さを実感する感覚に大変共感しました。
      好きな作品ほど、自分のレビューでは魅力を伝えられていないような気がして、自分の微力さに歯痒くなります。
      魅力を伝える、っておこがましいですが。。
      2023/06/19
    • かなさん
      なおすさん、おはようございます♪
      ブクログ始めた当初は、
      他の読書家さんに読まれることは全く想定しておらず、
      自身の記録としてのツール...
      なおすさん、おはようございます♪
      ブクログ始めた当初は、
      他の読書家さんに読まれることは全く想定しておらず、
      自身の記録としてのツールとして使っていました。
      でも、他の読書家さんのレビューを読ませてもらうと
      誰が見てもわかりやすく、しかもそれを読んだ私が
      読みたくなるようなレビューを投稿している方も多くて
      そんなレビューにあこがれて、今に至ります!

      でも、やっぱり私は語彙力も少ないし
      思うようにはいきませんけれど(^-^;
      でも、沢山のいい作品を読んで読みっぱなしはもったいない!!
      「自分を磨く手段として読書は有効…それだけでは不十分なので、
      そこから得られたものを自分なりにまとめる作業が大切…」
      これ、喜多川泰さんの「手紙屋」という作品にありました♪
      上手にレビューできなくとも、自分なりにでもいい、
      自分のためにこれからも
      レビューを考えていければいいと思ってますよ(^-^)
      この「告白」もいい作品で、私も大好きな作品です♪
      いい作品は、何年たって読んでも、やっぱりいいっ!
      なおすさん、コメントありがとうございます。
      2023/06/20
  • 湊かなえさんの著作、ブクログ登録は2冊目になります。

    湊かなえさん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。

    湊 かなえ(みなと かなえ、1973年1月 -)は、日本の小説家。広島県因島市中庄町(現・尾道市因島中庄町)生まれ。武庫川女子大学家政学部被服学科卒業。2007年には金戸 美苗(かなと みなえ)の名義で第35回創作ラジオドラマ大賞を受賞した。
    現在、兵庫県洲本市在住。

    ちょっと興味をもったのは、生年月日。
    自分と同じ、丑年、山羊座生まれでした。
    私の方が、一回り年寄ですが。

    イヤミスという言葉があるようですね。
    どういう意味かというと、ミステリー小説の一種で、読んだ後に「嫌な気分」になる小説のことをいいます。
    で、その代表作家が、湊かなえさんだとか。
    これって、非難されているわけではないようですが、ちょっと気になるジャンルですね。

    で、今回読んだ、『告白』。
    こちらは、イヤミス小説の代表作になるようです。
    心理描写というか、その辺が、良く書かれていると思います。

    この本の内容は、以下のとおり。(コピペです)

    「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!“特別収録”中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。

  • 10年位前、偶然図書館で見つけ、慌てて手にした本。湊かなえさんが好きになり始めた頃に読んだ本だったと思う。
    今考えると、私にとって初めましての
    湊かなえ作品だったと、貴重な1冊
    だと思うようになった。

    ふたりの男子学生の思い。
    女性教師の我が子への思いは、道はずれた方角へ向いてしまったのではないか?
    ――考え込んでしまう1冊だった。

    • sinsekaiさん
      自分も湊かなえ初作品が「告白」でした!
      あまりにも衝撃的な内容でショックを受けたと同時にものすごくスッキリもしました…

      侍の復讐劇の現代版...
      自分も湊かなえ初作品が「告白」でした!
      あまりにも衝撃的な内容でショックを受けたと同時にものすごくスッキリもしました…

      侍の復讐劇の現代版というか
      自分自身があの立場だったらきっと復讐を思い立つだろうから、非常に共感できました!

      綺麗事を言えば、ひどい話とも取れるし、救いがないとも言えますが…
      賛否両論あるからこその名作だと思います。
      2021/06/24
  • 怖かったけど読みやすくドンドン引きこまれ読み終えてしまいました。読んでいくうちにいろいろなことが繋がっていきそういうことか!とわかっていくのでそういう意味では、すごくおもしろかったです。
    映画化されていたようなのでそちらも是非観てみたいと思いました。

  • 2020/08/05読了
    #このミス作品38冊目

    まさにイヤミスという作品。
    娘を殺された女教師の復讐劇。
    最初から最後まで淡々と重い展開。
    そして誰も幸せにならない。

  • 娘はこのクラスの者に殺された。
    衝撃の始まりからこの事件に関わる人達のその後。真相。
    そして女性教師の最終目的。
    物語の終わり方もまた驚かされました。
    全体的に嫌な気持ちしか残らないけど、それがこの本の醍醐味。
    読んでいて暗くなるけど続きが気になる。
    まるで毒が侵食するようにじわじわとのめり込んでしまう。
    そんな1冊でした。
    湊かなえさんの世界が凄まじい。他の作品も読んでみたいと思います。

  • いつか書こうと思っていたが、あまりにも、「読後感が悪い」というレビューが多いので──

    四年前、帯に魅かれ発売直後に購入したのだが、稀に見る衝撃的な作品だった。

    モノローグで淡々と始まる文章。
    春休み前の終業式での教師から生徒へのメッセージ。しかし──
    ──愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたからです。
    この語りで一気に魅きこまれる。

    こんな小説があるのか!! という驚愕を覚えたのがこの作品だった。
    しかも全体で六つの章から構成されているこの小説。
    元々は第一章『聖職者』だけで完結していたというのにも驚いた。
    もちろん、この第一章の教師の語りだけでも作品としては充分に成り立つのだが、そこから敢えて、他の人物視点でのモノローグを追加し、最終的にまとめあげた。
    他者の告白を追加し、その後の展開を繋げることによって物語はいっそう凄みを増した。
    『聖職者』で一度終わっている話を、流れもインパクトも壊さずに、章を展開させていくのは簡単なことではない。
    それをいとも容易にやってのけた。湊かなえ、並大抵の才能じゃないと思った。
    この本を読み、その切れのある文章とストーリー展開に驚愕し、凄い作家が現われたと思ったものだ。

    だから私には、この小説の読後感が悪い、と評する方々の気持ちが全く理解できない。
    何故に読後感が悪いと感じるのだろう。
    逆に爽快じゃないですか?
    スカッとした終わり方だと感じる私がおかしいのだろうか。
    何故に悪いかなあ……。不思議だ。

    天に向かって吐いた唾は巡り巡って自分の顔に落ちてくる。
    『因果応報』『目には目を歯には歯を』悪いやつは当然、それなりの報いを受けるのだから。
    自分の犯した罪を反省することもなく、さらに悪業を重ねればこんなことになるのだと少年に諭す。
    復習劇ではあるけれど、これは当然の報いだろう。
    愛する娘を何の理由もなく殺されてしまった母親の悲しみの深さを考えれば。
    最後に救いがないと書かれる方もいるが、何とか希望を与えてあげたいと共感するような人物なら救いも必要だろうが、全く反省していない自分勝手な男の子。
    無差別連続殺人鬼を懲役三年執行猶予ニ年というような軽い懲罰にして、救いを与える必要がいったいどこにあるというのか?

    最後、自らの浅はかな行動によって、最も愛する人を理不尽にも殺されてしまったつらさや悲しみを、ようやく気付くことができるのですよ、修哉君は。
    そのような他人の悲しみを実感として知ること。
    自分の犯した過ちがどれほど人の心を傷つけたかを知ること。
    これこそが甘ったれた考えを持った修哉君にとって、今後の人生の中で厚生に繋がり、救いになると私は思うのだけれど。

    自ら犯した罪はやはり必ず償わなければならない。
    その償い方が、これほど強烈で凄まじいものだとしても。
    彼を本当の意味で救うのなら、このラストのような方法しかないと思うのだ。

    だって考えてもみてください。
    最愛の娘を遊びまがいで殺され、どうしようもない絶望感と悲しみを胸に抱え、その犯人を知りながら法で裁くこともできず、本人に反省の色もないと気付いた森口先生の立場になったら、あなたはどんな感情を抱き、どうしたいと思いますか?

    • MOTOさん
      初めまして。
      読後、又は観賞後、他の人はその作品に触れてどう感じたのだろうか?
      とは、とても気になる所ではありますが、
      それがあまりにも同じ...
      初めまして。
      読後、又は観賞後、他の人はその作品に触れてどう感じたのだろうか?
      とは、とても気になる所ではありますが、
      それがあまりにも同じような感想ばかりだと
      (こんな風に思う事が正解で、それ以外は間違いなのか?)なんて、読んだ本に対して、非常に失礼な思いで心が痛む事があります。
      Koshoujiさんの書評は大変興味深かったです。
      著者が実際目にしたら、きっと大喜びするのではないか?と、思いました。

      2012/10/31
  • 面白かった。読む手が止まらず一気読み。告白は有名な作品ですが、初めて読みましが、衝撃でした。ラスト、そうきたか…といった感じでした。こういうのすごく好き。

    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      ゆりさん、初めまして(^o^)

      私もこの作品、気に入っています
      テンポ良くて、どんどん引き込まれてしまいますよね
      ゆりさんの感想を読んでい...
      ゆりさん、初めまして(^o^)

      私もこの作品、気に入っています
      テンポ良くて、どんどん引き込まれてしまいますよね
      ゆりさんの感想を読んでいたら、再読したくなりました
      2023/09/03
    • ゆりさん
      k村さん、はじめまして。

      遅くなり、すみません。私もどんどん引き込まれましたー(笑)
      k村さん、はじめまして。

      遅くなり、すみません。私もどんどん引き込まれましたー(笑)
      2023/09/18
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      大丈夫ですよ、お返事ありがとうございます♪

      これからもよろしくお願いします(^O^)
      大丈夫ですよ、お返事ありがとうございます♪

      これからもよろしくお願いします(^O^)
      2023/09/18
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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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