- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575236354
感想・レビュー・書評
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登場人物がうんざりするような性格で、読んでても面倒な気持ちになる。こんな人、知り合いにいたら絶対に嫌だなぁ。
途中まではいまいちひきこまれず物語を追っていましたかが、狂気のラストにはうなりました。熟成された雰囲気のストーリーは面白かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
雫井脩介おそるべし。
この人は無理にミステリーにこだわらなくても、魅力的な作品を書ける人だと改めて感服しました。
人間の心理や異常性をこれでもかと書いてあって、読むほどに背筋が寒くなる。
「犯人に告ぐ」でもそうでしたが、犯人探しはストーリーのほんの薬味程度のもので、
実は主人公巻島の心の動き、葛藤を余すことなく書き込んでいるヒューマンドラマなんですよね。
この「犯罪小説家」もそう。3人の登場人物の心の動きを細密に表現しています。
ミステリーとしてのトリックや推理だけを目的にして読んでいる人には、かなり物足りない内容だと思います。
ストーリーの中心が犯人探しでないからです。
ただ、「犯人に告ぐ」のように事件の解決を偶然に頼ってしまうことがなく、その点が練れているなと思いました。
「犯罪小説家」。。。。う〜〜ん、良いタイトルだと、読み終わって思いますよ -
会話文が多くて、私には読みづらかった。
会話文が多いせいでなかなか物語に入っていけなく、登場人物もなんとなく入り込みづらい。
みんな、面倒臭い人間ばかり。
待居もオノミツも今泉も。クセがありすぎて一歩引いてしまう。
「火の粉」はものすごく面白かったけど、こちらはイマイチ好みではなかったかな。 -
自殺願望サイトにまつわる人物関係。途中で何となく先が見えてくるが、最後のくだりには脱帽!思わぬオチがあり、唸った!
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「犯罪小説家」
落花の会。
苦労を重ねながら、遂にデビュー以降、賞を獲得した小説家・待居涼司。「凍て鶴」は好評を受け、映像化の話が持ち込まれる。話の主は、ホラー界で著名な脚本家の小野川充ことオノミツ。彼は「凍て鶴」に異様な興味を見せ、自らの主張、プロット、熱意をこりもなく待居に訴え、映画を作ろうと説得する。しかも、オノミツが脚本、主演、監督の三役で、だ。オノミツは、熱意だけでなる、自殺サイト「落花の会」の主宰者が自殺した事件に異常な拘りを見せ始め、待居は次第にその異様さに気味が悪くなっていく。
読み始めた時は、オノミツの異常な鬱陶しさと妙な軽さに、鬱陶しさを感じ、こいつが犯罪小説家じゃないかと疑っていた。「落花の会」の主宰者だけではなく幹部や事件そのものを映画に投影しようとする意味が分からないし、原作である小説を尊重するといいながら、頑なに意思は曲げない。これを異才と呼ぶならばそうだが、この鬱陶しい異才ぶりは、黒幕感がぷんぷんだったのだ。しかも、ノンフィクションライターまで巻き込む始末で、怪しさが高まっていく。
しかし、これぞ、著者に嵌められた証拠だった。「凍て鶴」に漂う僅かな痕跡を異才は嗅ぎつけた。嗅ぎつけたというのが、純粋な興味からなのか、本能なのか、探偵的な勘なのか。それは読んで頂ければ。
テイストは、オノミツのキャラぶりによって、ホラーでオチもホラーかと思いきや、ミステリーの残りはあった。とは言え、常軌を逸した終わりぶりだったので、一種のホラーみたいなもんだった。オノミツも待居も。 -
新進作家、待居涼司の出世作「凍て鶴」に映画化の話が持ち上がった。
監督に抜擢された人気脚本家の小野川充は「凍て鶴」のヒロインには、
かつて伝説的な自殺系サイト「落花の会」を運営していた木ノ瀬蓮美の
影響が見られると、奇抜な持論を展開する。
実は待居がサイトの幹部であり、自殺ほう助や幹部の殺害を実施していたのだった。 -
小説家の待居が凍て鶴という作品を書き上げ、小野川が映画化する段取りになる。自殺系サイトの落花の会に小野川が注目し、凍て鶴に投影しようとするが、落花の会は既に閉鎖されている。
最後まで結論が分からない、先が気になる。
人物の登場頻度など、よく表現されている。 -
途中までは★1つだったが、最後で何とか挽回。
賞をもらった小説家に映画化の話が持ち上がる。
その映画の監督候補は自殺系サイトの会の主催者をモチーフにと考え、会が消滅した経緯などを追っていく…。
とあらすじをメモってみたものの、
2/3までは話がどこに向かっているのかサッパリわからず、
だいぶ飛ばし読み。
ラストで謎の人物とライターとメールをやり取りして、森に入るところから俄然面白くなったけど遅すぎた。
もう少し作家のキャラを立てて、前半を端折ってくれたら結構飽きずに読めたような気がする。
前半は忍耐が必要なので、それほどオススメはしません。