森に眠る魚

著者 :
  • 双葉社
3.59
  • (137)
  • (333)
  • (347)
  • (45)
  • (20)
本棚登録 : 1929
感想 : 394
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575236491

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 過去に実際に起きた事件を題材にした小説。

    ママ友小説とでもいうべきかな?

    5人の母親それぞれの視点から書かれているのが特徴。

    中盤まで面白いと思ったが、最後はあまりスッキリせず。

  • 5人の母親が親しくなり、お受験がきっかけで徐々に関係が壊れていく話。
    それぞれの母親に嫌な部分があるが、どこか共感できてしまう。
    子どもができたらまた読んでみたい。ような、読みたくないような。

  • 文京区幼女殺人事件をモデルにした小説。

    幼稚園
    小学校
    子供が小さいからこそ、親のなりふりが影響してしまう
    お受験戦争
    いや、近頃は大学、就職もそんな色をなしてきたのか?

    女の弱さ、男の狡さが
    これでもか、これでもか
    と出てくるので
    読んでいてナカナカ辛かった

  • 2015/1/5

    鳥肌!
    乳幼児をもつ母親たちの苦悩。
    終盤で「あ!あの事件をモチーフにしてる!?」と気づき、熱中。
    あの事件の動機、理解できなかったけれど、この本を読んで理解できてしまったな。
    容子の「わたしはわたし、人との距離は保てるのよ」と何度もなんども言い聞かせている感じが怖かった。

  • 偶然であった主婦5名の話。同姓なら共感できる部分がある。
    偶然の仲良しから、最後狂っていくので正常な時に読んだら問題ない。

  • 結婚した主婦たちが主人公で、一人ずつ交互に視点が変わりながら、物語が進む形式。
    ママ友として仲良くなり、子どもの幼稚園・小学校受験を経て関係が壊れるまで。

    色んなタイプの女性が登場するけど、どの人もとても現実味がある。その分、彼女たちが他の人にマイナスな感情を抱いた時、非常に共感できて気分が重くなる。自分の嫌な部分が浮き彫りになる感じ。
    最初は容子が好きだった。人と自分を比べようとせず、身の丈にあった暮らしを受け入れ、価値観の違う人との出会いも楽しめる。
    私はよく人と比べてうだうだするから、こうやって自分のあるがままを受け入れてる容子は素敵と思ってたけど、後半…
    まさか一番壊れてしまうとは。
    容子は学生時代に、自分と他人を比較しても意味がないと気づき、そこから確たる自己が出来たはずが新たな出会いで歪んでしまった。
    学生時代より強い敵(?)が出現して、今までの自分の容量だけでは受け止めきれなかったということかな。
    何歳になっても、人付き合いはついて回る。その年代ごとに求められるスキルや経験がある。
    なかなか読んでて疲れる作品。

  • 結婚して子供を産んで、家族が増えれば人間関係も複雑になり、親の娘として生きていた時とまるで違う価値観で生きていく。
    以前の日本のように嫁として嫁ぎ大家族の一員として子育てしている時の苦労はなく、自由を手に入れ好きなように子育てできることが必ずしも幸せであるとは限らないと知った。
    ある程度みんなが同じ方向を向いて格差の少ない時代の方が親も子も生きやすいんだろうなと思う。

    • ケイティさん
      最後の、ある程度みんなが同じ方向を向いて〜は、ゾッとしました。この考え方がまさに以前、文京区で起きた幼児殺害事件の根本‼️
      最後の、ある程度みんなが同じ方向を向いて〜は、ゾッとしました。この考え方がまさに以前、文京区で起きた幼児殺害事件の根本‼️
      2017/07/22
  • 母親になってから、心の隅で少なからず感じる閉塞感。比較、羨望、嫉妬、劣等感。普段は目を背けている醜い自分を直視させられる怖さ。

  • タイプの違うママ友4人が、少しずつ親しくなって
    けれどその関係がまた少しずつ壊れていく…
    その一連のお話。

    読み終わって、嫌悪感や疲労感を覚えるという意見が多いけど
    とても興味深い一冊だった。

    「羨ましい」や、「負けたくない」という気持ちは
    自分を磨いていく上でとても大切だけれど、
    こじらせてしまったら逆にとても怖いもの。
    少しずつ彼女たちの内側に蓄積し、漏れ出ていく「毒」がとても怖かった。

    けれど、この「毒」の味はみんなどこかで知っているはず。
    知らないという人は、知らないふりをしているだけ。

    その毒に飲み込まれていくかどうかは
    過去、特に幼い頃
    自身の「承認欲求」が満たされたかどうかが決めるんじゃあないだろうか。

    誰かに褒められたい、認められたいという欲求。
    それが幼い頃、満たされなかったという経験は
    いつまでもその人自身の根底に刻まれる。

    物語に出てくる彼女たちは
    家にも、服にも、食べ物にも困窮したことはない。
    けれど、もっともっともっと、と求め続ける。
    彼女たちはまるで、ヒビ割れたグラスのようだ。

    ヒビ割れたグラスにいくら水を注いでも
    満杯になることはない。
    同じように、彼女らはきっと
    永遠に「完全に」満たされることはないのだろう。

    「諦め」でもいい。「納得」ならもっといい。
    どこかでふっきれなければ、永遠に苦しいままだ。

  • 繭子と容子にイライラさせられっぱなし。
    リアルにありそうな話で、重い気持ちになりながらも面白くて一気に読んだ。
    他のママたちに影響されてしまうのは有り得る話。
    自分もそうならないとは言えないかも、と思った。
    よそはよそ、うちはうち!
    と言い切れる芯の強さを持ちたい。

全394件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

角田光代の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×