日本のセックス

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著者 : 樋口毅宏
  • ¥ 1,944
  • 双葉社 (2010年04月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575236927

日本のセックスの感想・レビュー・書評

  • 偶然であるがこの著者の小説を3作続けて読むこととなった。話はかなりマニアックなエロから始まる。どんどんエログロの内容はエスカレートしてくるが、ふと気づくと面白いミステリ小説に変貌している。事件は二転三転してもまだまだ転がり休むところが無い。結末もスッキリ爽やか?だ。三島由紀夫の豊穣の海のラストに通ずるものさえある。随所に散りばめられている主人公の社会観・国家観も秀逸で首肯することばかりだ。読書好きの知り合いたちに薦めたいのは山々だが、これを読ませて顰蹙を買わないか心配である。薦めることが出来るのは一人か二人だ。でも一人は女性だから無理か・・・次は「さらば祖師谷」を読むことになるだろう。図らずも最新作から順番に遡る事となる。楽しみだ。

  • 本仲間が貸してくれた本。
    「たぶんキライだと思うけど面白いから読んでみ?」って。

    ずいぶんすごいタイトルだなあ…と思いつつ。
    あとがきにサッと目を通したところそこまで酷い本でもなさそうな感じ。

    じゃあ読んでみるか…と、読み始めたら。

    これがもう。。エログロで。
    本当にもうエログロで。

    途中で「もうやめようかな」と何度も挫けそうになりました。
    後半に入るまで作者に対しては嫌悪感しかありませんでした。

    でもこの本の一番の面白さは後半部分にあったのですね。

    途中でやめたら、ただのエログロ本でしかなかったから。
    最後のあの部分までちゃんと読みることができて本当に良かった。

    エログロの部分は、自分の耐性に合わせて飛ばし読みするのが良いかと思います。
    たまに伏線がはられているので、バッサリと省略して読めないのがツライところだけど。

    1頁を数秒でザッと…程度のナナメ読みでも、十分 ひろえる伏線かと思います。
    (エロとグロの間に散りばめられている人間関係さえ拾えていれば大丈夫)


    ラストパートの物語の展開はホントウに秀逸。
    あんなにも嫌悪感を抱いていた物語だとは思えないほどの読後感!

    すごい本でした。

  • 第1回(2011年度)受賞作 国内編 第6位

  • 思ったより読了するのに時間がかかった。いっきに読み終えるものと思っていたが、他の作品と通低音は同じなのだが内容のエゲつない濃さに何回か立ち止まらざるを得なかった。これが2作目と思うとこの著者はこの調子で大丈夫なのか。ところで半分以上は題名のとおりエロとグロです。お気を付けください。

  • エログロ耐性は強い方だが、前半の延々と続くエロ描写はさすがにしんどかった。
    物語に入り込むことは出来なかったので、後半は主人公が堕ちていく様も強く生きるのも、何の感慨もなく淡々と読んだ。

  • まず本屋で手に取り、レジでお金を払う所から羞恥プレイが始まる。男性定員に「お願いします」と差し出した時は恥ずかしかった。家族と同居してる人は、家でも羞恥プレイを強要されるかもしれない。父親に「四十八手か?」とニヤニヤしながら言われた時は恥ずかしかった。

    本書を開いて前半はエロ。ドエロ。恐らく変態的行為と思われるエロしかない。官能小説を読んだことのない私としては、正直しんどかった。生々しい。(けれど、これ以降もし手にした本にエロ展開が描かれていたとしても、多少耐性が付いたのではないかと思う。)
    途中エロではなくグロを挟んで、後半法廷ものにシフトチェンジ。ホッとする。エロの中に紛れ込んでた伏線を拾いながら問題提起もしつつ終結。ホッとする。しかし、しっくりというか、頭に「?」が残る。多分著者と年代が違うので、散りばめられたサブカルチャー(特に音楽面)が今一理解出来ず終わってしまった所為だと思う。

  •  どうしようかなあ、というのがこの本に対する最初の直截な思いである。まず、こんなタイトルの本を買うのか、という自分への問いかけ。さらに、ブック・カバーを極端に嫌うぼくにとって、この本をちゃんと携帯し、人々に怪しまれずに済むのか、という心配。そう、いかなる時であれ、自分の読んでいる本を恥ずかしむことなく、カバーをつけぬ主義主張もさすがにこの本のタイトルには少々なよなよと挫けそうになる。


     読み始めると、いきなり雑誌主催の濡れ場のシーンが連続する。いきなりの濡れ場連続で本書は始まる。その先が心配になるくらい。
     人妻である容子は、旦那の佐藤からは他人とのセックスを奨励されているらしい。これまで300人ほどの男たちと姦らされているらしい。佐藤は、こうした異常な行動により彼女への愛を持続することができる変態なのだ。その異常性欲の輪はスワッピングパーティを通じて、さらに広がってゆく。変態たちの生態は、性の変節ばかりではなく、人生や恋愛の異常な追求というところにまで及んでゆく。


     それ故に、本書は官能小説には堕さず、人間喜劇とでもいうべき、現代文明の切り口として、異様に優れたしかしあくまでもフリークであることをやめない特異な樋口ワールドとして完結してゆく。この作家のどの作品にも共通する通り、独自のノン・タブーぶりと、過激すぎるバイオレンス、そこを橋脚から固めてゆく強烈な筆力というところは、こんなふざけたタイトルの作品であれ、しっかり継承され、存在感をきりりと放っているのである。


     一連の性描写の後に続くバイオレンス、そして法廷闘争を通じての騙し合い、化かし合いは、大物政治家までをも巻き込んでゆくことにより、さらに巨大化し、イメージは、戦後から平成にかかる日本現代史にまで広げられる。どこがセックス小説なのか、と言わんばかりに、逸脱は拡大する。圧倒的な人間史観を一人の女性の官能的小説という形で、神託してしまった作家・樋口毅宏の力技は当分どこまでも続いてゆきそうだ。


     この作家、編集者としてのキャリアを持つらしい。だから本ということの逸脱の仕方も知悉しているのだろうか。作者紹介欄に「1971年にセックスで生まれる」と書かれた本書。隅々にまで目を通さないと何が隠されているかわからない、どす黒い玩具のような一冊である。

  • 途中までひたすらエロ。官能小説でも手にしてしまったかと見紛うほどエロしかない。官能小説を読んだことがないので知らないけど。

    半ば過ぎると雰囲気が一気に変わり、テーマは愛へ。おもしろいけど、いまいち響くものを感じなかった。

  • 「民宿雪国」の描写に感動して買った同著者の次なる1冊。

    前半はとにかく変態的なセックス描写なので、その展開でずっと行くと思いきや途中からは法廷ものになっていく。

    性の側面から夫婦の愛情、人の多面性を描いた佳作だと思う。
    私は何度も涙が出ました。

  • ただのエロ小説で終わるのかと思ったら、法廷ものだった。3分の2くらいはアイズワイドシャットな描写ばかりで疲れてきたとこにやっと事件が起きたからやれやれした。タイトルと中身が合わない・・・著者と年代が同じなおかげで音楽面のネタはくすりとできた。Great3がこんなに出てくる本もないだろう。再読は無い。



  • この人はいつも、実況中継のように、実際に見たまま文字を綴っているのかと思わせるくらいの圧倒的リアリティをどうだと言わんばかりに見せつけてくる。
    日本をディスりながらも、日本のサブカルチャーをガンガン引用する樋口の十八番は相変わらず。
    主人公夫婦の名字が佐藤と岸田でニヤっとした。

    ただ卑猥で性にとち狂った男と女を描きつつ、日本における裁判員裁判の問題点を浮き彫りにしている。
    男でありながら女性主人公をここまで表現するのにも舌を巻く。

  • アブノーマルなプレイを愉しむカップルという設定に 『 顔のない裸体たち 』
    http://booklog.jp/users/natsume3am/archives/1/4104260053
    を思い出してしまい、「いい歳して、さして好きでもない男にさえ嫌われたくなくて無茶するアホ女の話か?」と恐る恐る読み進めたのだが、全然違った(当たり前だ)。

    容子の全てを愛したい佐藤と、佐藤の一部を愛してない容子。
    そんなふたりの距離も弱さも鈍さも狡さも言い訳も、何もかもが生々しい。

  • 小沢健二がホントに好きなんだな。

  • 110930onBS171 テロル...に他書記載
    ---
    官能から始まる物語は、やがて、圧巻のバイオレンス&法廷サスペンスへ――

    『さらば雑司ヶ谷』で話題沸騰の新しい才能の最新作は、不覚にも最後は涙する〈マニア夫婦の激動ライフストーリー〉。
    緻密な計算と破天荒な展開、洞察力に満ちたダベリが、ページを繰る手を止めさせない、21世紀の『O嬢の物語』

    容子と佐藤はスワッピングマニアの夫婦。あるマニアが集うパーティーで、マサトとミユキと名乗るカップルと出会う。
    だがそれは、ふたりの人生を大きく狂わせる暴走ラブワゴンへ乗り込むことだった……。

  • 読み始めた時点で、このような評価をつけるとは思いも寄らなかった。
    前半のエログロから後半の裁判の展開は他のレビューの通り。
    細かな冒頭陳述の起訴事実のくだりなんかも、許容の範囲でリアリティや持たせている。
    とても極端な話を繰り広げ、およそ思いも寄らぬ切り口を示される。やりすぎ感はあるものの、その切り口を見せるための要素だったのかと。ストーリーとしても、まき散らしたものは回収する。うーむ、読ませるなぁといった感じでしょうか。

  • 「いくら絶望しようとも、女はへこたれる生き物ではない。男のように女々しくはない。彼女らと自分はもちろん違う人間だが、その女性たちは心の奥底で、「自分を裏切ってほしい」「心を打ち砕いてほしい」と望んでいたのではないか。でも、私は嫌だ。損をすることは嫌いだ。」

    なんともなしに、読んでしまったのだけれど、
    このタイトルが全てを包括しているかどうかは、少々謎…。
    前半部分での性描写などが日本のセックスと言われてもそうではないと思うし、後半からの法廷の様子がそうだと言われてもそうではないと思うし。
    あぁ、でも日本的な文化をとても表しているなぁ、と思う部分はいくつかあった。
    それはやはり、最後の参考(?)文献的なところの量の多さ(もちろん、どの作家さんでも大量の参考文献があるとは思うけれど)から着ているのかなぁ、というような知識の量があったような…。
    とは言っても、やっぱりよく・・分からない。
    読まさせるのだけれど、ヨクワカラナイ。

    【9/24読了・初読・市立図書館】

  • ちょっと異常な性趣味を持つ人々の、スワッピングパーティから始まり、次第にある事件を起こしてしまい、裁判沙汰へと発展していく話。

    前半はどエロ満載。ち○こにま○こ、パイパンとかスワッピングとか愛液とかアクメ・拷問・スカトロと、もう色々出てくる。
    そのまま話はスワッピングパーティからSMへ進み、事件が起き、そこから話は裁判沙汰へ・・・。

    正直、ちょっとグロい性描写ですが、後半はなんだかピュアな恋愛になっていきます。生々しい欲情を通じてのプラトニックな愛。

    好きな人が一人でも、目の前に好みのタイプが現れればその人とヤリたいって思うのは普通でしょう?
    性欲って、食欲や睡眠欲と違って、対「人」だから難しいところでもある。
    だからこそ、他人に理解されない性癖はカミングアウトしづらい。
    そういう意味では、性を解放できる人って奔放で自由な生き方を謳歌してるんだろうか。
    それを「変態」「悪趣味」「きもww」と言って蔑む人が居るから、おおっぴらに自分の趣向を公言できる人は少ない。
    その蔑みが、自分自身を苦しめているかもしれないのに。
    過食症と拒食症がいるように、サチリアジスやニンフォマニアやアセクシュアルもいて当たり前だと思う。

    偏向報道とか性のタブーに対してのアンチテーゼとか、著者にそんな考えがあるのかわからないけど、そんなようなものを感じました。

  • タイトルからの連想通り、エロです。
    あらするプレイや性癖、トラウマがこれでもかと続き、「正気」と「狂気」の境目がわからなくなります。
    まあ、そんなものないんですけどね。

    ポルノ小説か?と思いながらもちゃんとエンターテイメントしています。
    後半のどんでん返し連発は、悪く言うとやりすぎですが、著者のサービス精神だと思い楽しめました。

    しかし男って、ありふれた性描写でもつい目がいってしまいますね。
    見えそうなパンツに目が行くのと同じですかね。
    本能って怖いですね。

  • 面白かった。
    エログロのマニアなプレイから導入が始まり、最後には純愛に。
    えっ、えっと思う程の展開もあり。
    内容から作者の年齢が近いと思ったらその通りだった。

  • 容子と佐藤はスワッピングマニアの夫婦。あるマニアが集うパーティーで、マサトとミユキと名乗るカップルと出会う。だがそれは、ふたりの人生を大きく狂わせる暴走ラブワゴンへ乗り込むことだった…。

    序盤は常軌を逸したエロ小説だったが、中盤から法廷小説となり、終盤は…何だかよくわからなくなった。「民宿雪国」もそうだったが、こういうジェットコースターのような展開が著者の持ち味なのだろうか。
    (D)

  • 2011年44冊目
    エロから始まってグロくなったと思ったら事件が起きて淡々と物語は進む。いろんなカルチャーに対する切り込み方が面白く、村上春樹のことが嫌いなんだろうな、なんて思いながら読んだ。
    女性に読んでもらって感想を聞きたい。

  • twitter文学賞で6位だったので気になってた小説だけど、あんまり面白くなかった・・・。
    奥さんを別の男に抱かせたり、更に別の男の子供を孕ませたりすることで性的興奮を得る夫婦や、SM関係の兄妹、アダルト雑誌の編集者として勤めるカップルなど、一般的にみると奇異な性生活を送ってる人々の愛憎が交錯して、崩壊していく、というようなストーリー。
    色んな背景を持つ登場人物を出すことで、タイトルである「日本のセックス」に繋がる何かに向かっていくのかと思いきや、登場人物・性的描写が単なる読者サービスのまま終わってしまってるような気がする。
    散々、状況描写を細かく書いてるのに、最後は結局、幼いころに母親がどうとか家族がどうとか、フロイトの精神分析みたいなもんを唐突にもってきて終わってしまう。1世紀も前の下らない種明かしを書くぐらいなら、それぞれの登場人物の心理描写をもっと丁寧に追うだけで、特殊に見える人々に読者がもっと寄り添っていけるんじゃないかと思ったり。
    というか、種明かしがないと小説が終わらない時点で、そもそも、実際にはあり得ない変な人たちの物語、っていうミステリー小説なんかなあ?それやったら、私が完全に読み違えてる。
    うーん、どっちにしろよく分かんない・・・。

  • このド直球なタイトル。しかも、十人十色千差万別であろう(大差ないか?)セックスを「日本の」と一括り。気持ちいい。序盤は、まさにタイトルに恥じない性描写がこれでもかこれでもかと続く続く。流石に食傷気味になった。 でも読み進めると、物語はあらぬ方向に展開していく。 著者の脳内をとにかく詰め込んだ感じがすごい。そして、それが物語に成っているのがまた凄い。読後、なんだか澱みたいなもんが胸に残る感じが不思議な充足感につながる。なんだか強烈な本。ラストがまた変にキレイなのも、かえって面白い。

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批評メディア論――戦前期日本の論壇と文壇

大澤 聡

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