チョコレートの町

著者 :
  • 双葉社
3.53
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本棚登録 : 418
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575237009

作品紹介・あらすじ

シャッターの下りた商店街。傍若無人な昔の同級生。どこか馴染めない家族。俺は、嫌っていた故郷で働きだした。そうして初めて見えた、大切なこと。故郷を持つすべての人に捧げる物語。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館でチョコレート特集の棚に置いてあった。
    タイトル、完璧!
    表紙を開くと銀色なのよ。
    チョコレートを包んでる、あの銀色。
    期待感を煽るわね。
    感想は…うん、まあまあかな。
    あなたは故郷から出られなかったんじゃなくて、出ないことを選んだ。でも私は出ることを選んだ。
    的を得てるよなぁ。
    私は…一度出て、夢を叶えるために戻ってきた。
    どうしても叶えたかったから戻ってきた。そこに後悔はない。
    でもあのまま向こうにいたら…と考えなくもない。
    ま、自分の選んだ人生だ。笑って生きてこ。
    読み終わったらまたあの銀色。
    一貫してチョコレートだなぁと全て銀紙に持っていかれて本を閉じた。

  • チョコレート工場のある町の風景が浮かんでくる作品。匂いもチョコレート!いいなー
    チョコレート食べたくなりました。
    そして主人公応援したくなる!

  • 故郷への想いに共感。
    私には、少し情景が浮かびにくいところ、言い回しがしっくりこないところがあった。

  • 登場人物がみんな、こんな田舎より東京がいいっていうけど、そんなに東京っていいかしら?
    田舎とはいえ、大学から一人暮らしさせてもらったり、自分の部屋をそのまま取っておいてもらったり、両親や兄弟が健在で悪くない関係で持ち家でお金の心配もないって相当恵まれてるけど。28歳だから仕方ないけど結構甘ったれなんだなあという印象。次男で責任感も無さそう。気がついたんだから実家のキッチン周りからでも修理してあげてほしかった。
    あと懐かしがる「東京」が厳密には都内ですらなくて失笑。川崎も千葉もそれぞれ違う良さがあると思うんだけど。
    舞台のチョコレートの街。愛知県N市(名古屋市)近くの小さい市。御当地チョコレートがある。ブラ○○○○○ーの会社かしら?
    それから男が女の子の手なんか握るな。元彼女にホイホイと2人きりで会ったり、結構危なっかしい気がする。今の彼女が乗り込んでくれて良かった。

  • いつか吉村さんみたいな人になりたいな

  • チョコレートの香る故郷の町に、短期間だけ赴任することになった早瀬。
    知り合いばかりの小さな町、そこでの暮らしや空気が、自分に合わないと感じて上京したはずなのに、赴任先での仕事をしていくうちに、少しずつ故郷での暮らしに馴染み始めていることに気付く。

    良かったです、とっても。
    『君は故郷を愛しているかい?』
    関東圏で育ち、暮らす自分には、故郷という言葉はあまりピンときませんが、大人になり、やっぱりいいものだなと思える感じは分かる気がします。
    登場人物がみんな魅力的。早瀬はゆるくて優しい感じだけど、男気もある。早瀬の彼女沙知、元カノ聡子は、ちょっと気の強い感じが魅力だし、若槻さんに田村君、吉村さん、みんなホントいいんです。

    チョコレート工場の責任者高橋君との最後の会話、早瀬の言葉『故郷への思いはそれぐらいがちょうどいいと思いますよ。離れた場所から時々思うぐらいが』に、グッときました。

    少し時間を空けて、また読みたいと思える本でした。

  • タイトルに惹かれて
    故郷を大切にしたくなる話

    吉村さん好きだ

  • タイニー・タイニー・ハッピーだったかな、確か。飛鳥井千砂さんの別の作品の後書きに、タイニー・タイニー・ハッピー、アシンメトリー、はるがいったら、は面白いけどそれ以外は少し停滞している。というようなことが書かれていたけど。
    サムシングブルーも、学校のセンセイも、この作品も私はとても良い作品だと思う。そもそも後書きに、そんなネガティブ要素書いていいのか!ああ、なんか悔しい。
    で、この作品。主人公、遼は勤めている不動産のひょんなトラブルから、しばらく地元で働くことに。
    地方から東京へ行った自分。行かなかった元恋人。帰ってきた人。
    地元勤務で共に働く田村くんや若槻さん。かつての級友、正志や清水くん。家族。兄の恋人。チョコレート工場勤務の高橋くん。人事部の吉村さん。
    と、わらわら登場人物が出てくるのに、一人一人の個性がくっきりあるから混乱しない。それぞれのあたたかみがあちこちに見える。
    カレーの染みを落としてくれるお母さん。ワンピースを羨ましがる兄の恋人。気まずい場面で渦中の人をお茶に誘う田村くん。
    人柄の良さや、嫌な人かと思っていたら実はいい人だった、というようなことを描写するときのさりげない表現がとにかくうまい。
    おすすめの一冊。

  • チョコレートのにおいがする町が故郷の主人公。

    仕事のトラブルで地元の支店で働くことになり・・



    なんかね、チョコレートのにおいのする町って

    名糖産業の工場があるところ~!って

    愛知県に住む私は思ってしまうのだけど

    愛知県出身の飛鳥井さんもそこをイメージして書いたのかな。



    実家から出たことない私は

    故郷に対する気持ちっていうのを実感する機会がないです。

  • 読みやすかった。
    うーん、読んだ読んだって感じ。

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著者プロフィール

1979年生まれ、愛知県出身。2005年 『はるがいったら』 で第18回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。11年に上梓した 『タイニー・タイニー・ハッピー』 がベストセラーとなり注目を集めた。他の著書に 『君は素知らぬ顔で』(祥伝社文庫) 『女の子は、明日も。』 『砂に泳ぐ彼女』 など多数。

「2021年 『そのバケツでは水がくめない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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