家族の分け前

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 149
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575237269

作品紹介・あらすじ

『家族の言い訳』シリーズ第4弾!初めは照れくさく、そのうち面倒くさくなり、いつしか伝える言葉も忘れてしまった。夫婦同士、親が子を、子が親を思う気持ち。大事な思い。けれど、確かにそこにある。家族の絆、再生の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 家族の在り方、全8編。

    上手くいかない仕事や娘の離婚。
    波風立てたくない姑、小姑との関係や育児放棄。
    最近の若者の子育てや夫の鬱病。
    若者の就職難や妻との諍い。

    どれも最後には、救いであったり希望だったりで心にわだかまりのひとつも残さず終わっているのが心地良く感じた。

    「父の背中で見た花火」に切ない気持ちになった。
    「せめて一矢」の息子の一言に感激。
    「ママ、みーつけた」で涙する。
    「神様のげんこつ」の爺さんに拍手。
    「それでも鳥は空を飛ぶ」の妻と子の優しさに感動。

  • この短編集では最近社会問題にもなっている育児放棄や鬱病などのテーマが取り上げられていて身近な事柄だけに関心を持って読みました。

    作者自らが記されている様に物語の最後には「救いの光」「希望の光」が残されているので後味の良い作品に仕上がっています。

    森さんの作品は派手さはないけれど「家族である幸せ」をしみじみと感じさせてくれるので大好きな作家さんです。

    次の家族シリーズも楽しみです。

  • 家族シリーズ第四段。短編8編。非正規雇用、鬱病、シングルマザーのネグレクト、夫の家族との軋轢など、家族を巡るあんまりよくない類の話ばかり。けどあとがきで著者も語るようにどの話にもほんの少しの救いがある。この辺が共感を呼ぶのだろうなぁ。

  • いろいろな家族を巡る短編集。

    娘の離婚、同居と小姑問題、育児放棄、鬱病、就職難、など。
    そろぞれに、ちょっと深刻な問題を含んでいるけれど、最後には、少しだけ明るい兆しが見える話ばかり。

    初読みの作家さん。
    あとがきに書かれていた『安心して読める作家』さんとして、私の中にも認識されました。

  • 森浩美さんの家族シリーズ、2冊目。
    短編集だったし、1日でいっきに読める、読みやすい本だった。
    「父の背中で見た花火」という、父と離婚した娘の話を読んだ後、涙が出て止まらなかった。

  • 「ママ、みーつけた」は苦しい話だけど、ありそう…と思える話。「父の背中で見た花火」もありそうだし。「せめて一矢」の最後の清人の一言がよかった。

  • なんか、そういうことってどこにでもあることなのかなぁ~なんて、思ってみたり・・・した

  • 家族小説シリーズ第5作。(長編もの含む)
    さまざまな家族が登場して、それぞれの問題を乗り越えていくという、
    まるでテレビドラマのような短編集です。
    実は、この作品を読むまで
    シリーズ化されていることを知りませんでした。

    「アジサイ」「父の背中で見た花火」「せめて一矢」
    「ママ、みーつけた」「神様のげんこつ」「それでも鳥は空を飛ぶ」
    「蜜柑とこたつ」「車輪の空気」  以上8話。

    “育児放棄”、”うつ病”、”就職難”など
    社会的に問題にもなったテーマをもりこみ、
    その家族の悩みや苦しみを切々と描いています。

    タイトルもいい味をだし、
    作者も意図して書かれているとおっしゃっていますが、
    ラストはあくまでポジティブ!

    暗い生活環境でも
    一筋の光が見えて来る、そんなラストが待っています。
    本当に身近にいるような登場人物たちばかりですので、
    このラストは読者にとっても、気持ちがいい。

    いつかこのような問題がわが身にふりそそいでも
    きっとこんなラストが待っていると、
    とても明るい気持ちにさせてくれる一冊でした。

  • 【収録作品】アジサイ/父の背中で見た花火/せめて一矢/ママ、みーつけた/神様のげんこつ/それでも鳥は空を飛ぶ/蜜柑とこたつ/車輪の空気

  • SMAPの『青いイナズマ』『ダイナマイト』などを作詞した方の作品『家族』シリーズ。家族の風景がすごく柔らかく穏やかに描かれている。ほろりと涙することも、ふっと笑ってしまうことも。素敵な作品。

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著者プロフィール

作詞家、小説家。放送作家を経て1983年より作詞家を始める。作家・脚本家としても活動。

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