- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575237290
作品紹介・あらすじ
どうして私だけ生き残ってしまったの。たったひとり、少女はバス事故で助かった。深い心の痛みを抱えて過ごす日々の先に-。とりまく人々の心模様を絡めて描いた、優しい強さが沁みわたる「再出発」の物語。
感想・レビュー・書評
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楽しい話ではない、むしろ辛ささえ感じましたが、それでも読めて良かった。
性善説で過ごしたいものです。
静かながら芯の太い強さ・優しさを感じられる穂高明作品。いま一番楽しみに手に取れる作家さんの1人です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
バスの事故で、顧問の教師と仲間達を失い、一人生き残った千春。
彼女と彼女を巡る人たちの、連作短編集。
興味深く、夢中で読みました。
多感な年頃の子にとっては、とても辛い経験だっただろうと、親世代として、胸が苦しくなりました。
彼女をみつめる目が、『細々した悪意』に満ちている事実が、妙にリアルな気がしました。
時間の経過とともに、同級生久住くんの話などから、立ち直り、前を向き始めた千春を、強くあれと応援したい気持ちでいっぱいです。
久江叔母さんの小さな悪意、
これが一番応えたのではないかと、正直かなり心配してます。
叔母さんの心理を理解することは、千春には出来ないのでは?と思うのですが。 -
バス事故で1人だけ助かった少女の話と周りの人々のはなし
第1章が1番よかったです -
「これからは、みんな一緒にお祝いするんだねえ」(八重子)
最後のケーキ屋さんの話で前半のそれぞれのモヤモヤがスッキリした。 -
表紙のイラストが気に入っての装丁買い。ほんわかしたお話かと思いきや、なかなかずっしりしたお話でした。最終章で表題の意味が生きてきます。初読みの作家さんでしたが、他の作品も読んでみたくなりました。
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花丸ありがとうございました。
以前もこちらにおじゃましたことがありまして、
そのときはまだ読む前だったので、感想を読むのを控えていたんですが...花丸ありがとうございました。
以前もこちらにおじゃましたことがありまして、
そのときはまだ読む前だったので、感想を読むのを控えていたんですが・・・
ふしぎなものですね。同じように感じていたことを、本日読ませていただいて感じている次第です。ひとりこたえ合わせ状態です(笑)おもえば先ほど書き上げたばかりだったので、まだ他の方の感想を読んでいなかったので。
表現は違えど、ピンポイントに注目点が同じだったことを知りました。わたしがmacamiさんに近づいていったのかもしれませんね。目を通してなかっただけに、自分に鳥肌。こんなことあるんだなぁ。(苦笑)
同じものを読んで、そうそう同じような感想にめぐりあうことも少ない中で、この出会いに心から敬意を表して。
2013/02/19 -
☆onionさん
こちらこそ、コメントまでありがとうございます。
わたしもときどきおじゃまさせていただいてます。
onionさんのレビューは...☆onionさん
こちらこそ、コメントまでありがとうございます。
わたしもときどきおじゃまさせていただいてます。
onionさんのレビューはとても丁寧で深くて
じっくり読ませていただきました。
読んだときの気持ちの動き方を思い起こし
onionさんと重なっているのかなあと思うと不思議な感じです。
叔母の件・・・言葉以上に伝わってくるものがありましたよね。
わたしもすごく印象に残っています。
2013/02/21
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交通事故のたった一人の生存者となった17歳の千春。
日々事故のニュースはあるけど、例えば加害者のみ助かったら、子どもを亡くして親だけ助かったら、恋人を亡くしたら、若者の暴走事故、どれも助かった!と心から喜べないのだなと改めて感じた。
ましてや重症で生死をさまよい、体の一部や機能、記憶を失くしたり様々な辛さがあるだろう。
元には戻れない。
17歳の千春の葛藤がリアルで、辛かった。
そして周りの人たちの悪意も理解できてしまう。
最後、千春が新聞記事にどんなふうに語ったのかはわからないけど、少しでも前を向いて生きてほしい。
事故、気をつけねば。