- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575237542
感想・レビュー・書評
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現代の闇に触れるお仕事小説ではあるが
しっかりミステリー要素もあった。
文量は多いけれど読みやすいと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
労働基準監督官を主役にした物語なんて他にあるのだろうか?頭の硬い人をイメージするが、とても真っ当で、とても正義感が強い。
お役所仕事ではなく、1つしっかりとした筋が通っていて、とてもまっすぐな主人公である。
ちょっと、読みにくいところもあったが、特に第六話は一気に読了できた。 -
労働基準監督署とは何をやっているかを学ぶのにこれほど面白い本はない。物語に熱中しながら、こんなことをしていたんだと、納得する。知り合いが労働基準監督官だったら、一読しておくと、その知り合い苦労が少しは理解できるであろう。しかし、理解されない法執行者というのは大変だなぁ。
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労働基準監督署で主任として働く男・三村が、様々な案件を通して、給与や労働環境などの課題解決に挑み、「適切な(ディーセント)仕事」のあるべき姿を訴えていく。
仕事ではキレ者の三村。しかし、遠距離で暮らす妻と息子との関係に悩み苦しむ。
終章の盛り上げ方が秀逸だった。これでもかというくらい不幸が一気に襲い掛かる。ちょっとラストがあっさりだったけども。
三村が、中学一年の息子に人間の幸福に関して話すシーンが好きだな。子供にも飾らずに真摯に向き合い、素敵なお父さんだと思った。
本文より言葉を引用。
「人は、仕事により、生活のための収入を得る。そのうえ仕事は、生きがいやアイデンディティも与えてくれる。仕事には、苦労もあるが、だからこそ達成感が味わえる。仕事とは、他人に何らかの価値提供をすることだから、誰かの役になっているという喜びがそこにはある。人は、仕事により成長し、仕事に拘束されたあとだから、余暇時間や引退生活では自由を満喫できるのだ。(略)仕事はすべての土台だから。」 -
こんなお仕事があるのですね!適切なお仕事をしているか査察する機関があるとは知らなかった…。「生きる為に仕事をするのだから、仕事で死んではいけない」はなかなか深い言葉だと思う。適切な働き方を是正しながら、職場に潜む謎を解いていく一種の日常ミステリー系の作品。最後に大きな陰謀があってビックリ!こういう仕事は知らぬうちに恨みも買ってしまうのね…。まっとうに働いてまっとうな給金をもらうことは意外と難しいのかな。そして結局奥さんとはどうなったの?2012/351
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感謝されることの少ない労基、働いている人は
苦労が多いことだろう。 -
TVドラマによさそう。
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上司や経営者の机にそっと置いてみたい一冊。
「ディーセント・ワーク=適切な仕事」が守られてるかを監督する労働基準監督官が主人公のお仕事小説。普通に働いて普通に暮らせる社会を目指して、日々奮闘する労働基準監督官、三村の熱い言葉が心地よい。
ちょっと引用。
「誰でもが、普通に働いて、普通に暮らせる。それさえ実現できれば、世の中のほとんどの問題は解決するし、世界は平和になると思うんだ」
「法律は冷たいんじゃない、平等なんだ」とか。
普通に働いて、普通に暮らす。この当たり前とも思えることが、いかに守られていないか、当たり前のことを守るために不断の努力が必要なんだということを思い知らされる。
仕事は生活の土台だけど、仕事で死んじゃあ意味がない。