家族ずっと

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 111
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575237672

作品紹介・あらすじ

家族の深さと強さを"難局"の上で再確認する、森浩美の家族小説短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 家族シリーズ第五段。中高大の入試問題にこのシリーズが使われているそう。試験対策で読む家族シリーズを子供達はどのように受け止めているのだろうか。

  • 8話からなる短編集。
    わかり合えているのに、少しの言葉の綾から、確執を持ってしまった家族。
    ずっと過ごしてきたからわかり合える何気ない共通の思い出に、そのこだわっていた確執の塊も氷解していく。
    「父ちゃんのホットドッグ」等、親も子供も遠慮の思いが、砂の混じったホットドッグが、今の病室で食べる1/2のホットドッグが、心も温まる美味しい物へ変化して行く。

    「ピンクのカーネッション」も後妻に入ったが、母親としての子供への配慮と、実母と継母の違いを受けとめきれない娘のボタンの掛け違えが、母親への似顔絵でやっと親子になれる。

    「だめもと」では父親と、娘2人の旅行で話。
    成長していく娘たちと、父親への距離感をどう近づけるか?
    だめもとと、言う言葉が、ぴったし!

    「裏窓の食卓」一人娘が結婚して、初孫も見れたのに、妻が先に逝ってしまって、一人残された男が、裏窓から聞こえて来る、お母さんと幼い子供の夕食の会話に、聞きほれて、自分も一緒に食卓に居る気分に浸る。そして、疎通になっていた娘への連絡をしてみて、家族の絆の糸をつなぐのである。

    「埋め合わせ」三代続く開業医の次男に生まれて、兄と比較されながら、医師となった男が地方の病院へと、、、
    そこで掃除係だった老人と、話をして、医師を希望していた息子が交通事故で無くしたことを知る。
    医師として働く息子を想像して、お茶の差し入れをくれた老人の思いが、伝わって来る。

    「ぶかっこうなおにぎり」父と娘の幼き日の運動会で、父が、握ってくれた不揃いなおにぎりをみんなのひやかしで、食べれなかった思い出。大人になり、一人で、仕事に悪戦している娘の所に泊まりに来た父親が、作ったものは、心あったまるおにぎりと、いつまでも気に掛けているいる事や親は子供の幸せを一番に考えているという手紙であった。

    「サンタ夫婦」子供の学校で、サンタが、いるのか?いないのか?論争で、父親は、息子に、サンタが居ると教える。
    其のことで夫婦喧嘩になり、父親は実家へと、、、、
    すわ、離婚へと発展か?
    でも、やはり、子は、かすがい!
    元のさやにおさまって、めでたしめでたし!

    やはり、何でも言いきれるところ、そして、少し、確執や、反抗期のあった時間等、家族だから、わかる話が、満載!

    森浩美氏の描く家族像は、それぞれの家庭の家族お描写が、楽しく描かれていると、思う。

  • 長編を期待してたら
    短編集だった
    どこまでも優しい・・・

  • 8編の短編の作品からなる家族小説。作者はあとがきの中で、たとえどんなに小さくても「希望の光」を残すようにしていると書いている。家族という一本の糸で繋がった、ちょっと切ない人間模様。ぼくの好みとしては、「父ちゃんとホットドッグ」「ぶかっこうなおにぎり」かな。

  • ご存じ森浩美さんの家族シリーズ第5作め。
    2012年の春発売ということですが、春、夏、秋、冬の8話の短編が収められています。

    母を病気で亡くし、後妻に入った女性に素直になれない少女が、
    母の日にピンクのカーネーションとともに、彼女の顔を描いてプレゼントするお話

    ひょんなことから、高校生と中学生の二人の娘と旅行に行った父親が旅さきで「だめもと」のお願いをするお話

    子供の頃に父といさかいがあり、ずっと実家から遠ざかっていた男性が、父親の入院を知り、お見舞いに。そこで思い出した「ホットドック」にまつわる話・・・etc。

    家族のありかたは多種多様。
    お互いの気持ちもすれ違いがあったり、溝ができたりと、
    さまざまな問題が出て来るケースもあります。

    でもその問題を解決できるのは自分たち「家族」だけなのですね。
    ひとつの家族をつくったら、せめて子供たちが巣立つまで、
    ずっと続いていって欲しいものだと思います。

    (以下作者の言葉です)
    家族を続けるのには、お互いの「理解」という「努力」が必要なのです。
    (その通り! 拍手喝采!)

  • 待望の最新刊。

    ご本人が言われているように盛り上がりはないけれど、
    読後の清涼感がたまりません。
    (ただ、今回は、?、というのが1話だけありました)

    この2行で説明は事足りてしまいますが、
    この小説の真の魅力は読まないとわかりません。


    すでに次回作もあるとのこと。
    ゆっくりしたペースで付き合っていきたい本です。

  • 家族シリーズ。どの話もいいのだけど、短編ばかりで物足りなさを感じてしまう。一つ一つの話に深みがほしい。

  • 家族にちなんだ短編集

  • どこにでもありそうな日常を切り取った短編作品集。
    何と言っても良いのは読後にくる安心感。
    忙しい時にこそ、開きたい一冊。

  • ひとつひとつがほっこりするエンディングでした。

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著者プロフィール

作詞家、小説家。放送作家を経て1983年より作詞家を始める。作家・脚本家としても活動。

森浩美の作品

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