暗黒女子

著者 :
  • 双葉社
3.62
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本棚登録 : 1397
感想 : 215
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575238259

作品紹介・あらすじ

ある女子高で、一番美しく一番カリスマ性のある女生徒が死んだ。その一週間後、親しかった六人が部室で語り出す、彼女の死の真相とは?

感想・レビュー・書評

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  • 私立女子高の1番美しいカリスマ女子生徒の自殺。
    文学サークルの朗読会で、5人の生徒が彼女との関わりと真相を短編小説にし、順番に朗読していき話が進みます。
    それぞれの小説に少しずつ食い違いがあり、誰の話が真実なのか、、、全員の作品が語られた時「あぁ、暗黒女子だわ」と思いました。
    女子ならではの、ピリピリした空気、本音と建前、裏の顔や黒い部分。暗黒です。
    まだ女子高生なので、ここまで黒ければ上等ですね。
    昔映画を観ましたが、内容も印象もそのまんまでした。

  • お嬢様学校で闇鍋パーティ

    カリスマ女生徒が亡くなった。亡くなった背景には何があったのか。
    5人の少女たちの証言をもと真相に近づいていく。

    口語体の作品はあまり得意じゃないけど気がついたら夢中になって読んでいた。
    表面上は仲良し小好しでも水面下では死闘の日々。

    女子って怖い。

    ☆3.4

  • こわっ。
    自分も女子高卒なのでとっってもよくわかる描写がたっぷり。
    女子ってほんまこんなトコある。こんなトコばっかりではないけど、女子のこのどうしようもない悪意や心の機微をわかりやすく切り取ってくれた小説。
    最後まで楽しませてくれた。

  • お嬢様学校とミステリーってどうしてこんなに合うんだろうと思ってしまいます。
    美しく、聡明な彼女たちにも、きっと醜い秘密があるに違いない。それを見てみたいという気持ちが誰にでもあるのでしょうか。

    思った通りだと思ったら、そうではなくて、でも思った通りの結末でした。

  • 「思ってたイヤミスと違うな」というのが正直な感想。
    ストーリーにもう少しスパイスが欲しいし、ある程度の展開は先読みできる。けど、女子特有の気持ち悪さは上手く織り込めている。華々しくて可憐で可愛らしい笑顔を浮かべて「友達♡」って言ってる裏で、実はとんでもなく醜い物抱えてたりするんですよね。女の子って。
    でも、本書に織り込まれているのは、あくまで一部分に過ぎないので「本当の女子はこんな者じゃないゾ」感は否めない。

  • 由緒正しいお嬢様女子校。豪華絢爛なサロンでの優雅な文学サークル。
    シチュエーションは特殊だし、出てくる子も秀でた才能のある美少女ばかりで少女漫画の世界。
    闇鍋食べつつ、いつみを題材にした小説の朗読。そこまでは、なんだか妙な話だな程度だったけど、犯人を名指しした小説に違和感。二人目の朗読でこういうことかと不謹慎だけどワクワクした。
    同じ出来事でも、人によって敵対してたり姉妹のように仲が良かったり、何が真実なのか。
    小百合も何かあるとは思ったけど、なるほど。
    ただ、最初の小説で父親に『恥知らず』と怒られて入院ってとこで、早々に妊娠に勘付いてしまった。女子校だから相手は先生。北条先生の性別が不明だからもしや。
    私自身世代が違うから冷めた感覚で読んでしまった分、マイナス。だけど、表面的にキレイな分、人として嫌な面がよりブラックに感じて、面白かった。

  • カリスマ女子の謎の死。

    女子の裏の部分、人間の本性を存分に出した作品でした。

    一人ひとりの内容が食い違っており誰が犯人か思考しながら自分の中で想像を広げながら読むことが出来ました。

  • 書き手の違うオムニバス創作小説風。ミッション系女子校。カリスマの不審死。彼女をさまざまな視点から見る。闇鍋方式で進む舞台設定は臨場感たっぷり。
    それぞれのアレコレで、いつみはきっと…と思った通りで、光と影の下剋上もやっぱりで。
    期待を裏切らない、気持ちの良い心地悪さで、イヤミスとしてはとても爽やか。

  • お嬢様ばかりが通う女子高で、一番の人気と美しさを誇っていた女子生徒が突然飛び降りて死んだ。彼女はいったいなぜ死を選んだのか?同じサークルに属していた少女たちの「独白小説」がかわるがわる綴られて、真実が見えてくる…というわけではなくて、もっと真実がわからなくなる、謎めいてくるミステリでした。
    ハイソで非日常的なレベルな女子高が舞台なのでリアルな女子の心根を描く、というよりはファンタジーめいた印象が強くあったのですが、その現実感のなさがこの物語には結果的に良く見合っていたように思いました。
    ありえない設定から生まれる、ありえないほどの自意識過剰な少女たちの物語。十代は自分が中心にしか世界は回っていないもの。そのレベルの違いで、それでも自分を脇役に置くしかない場を理解はしつつも、あくまでほんとうの主人公はまだ自分だと思っているそんな時代。ヒリヒリと痛いそのエゴの向きだしさ加減がエグく、最後により一層それで物語世界を突き刺します。
    どこまでも突き詰めた自分勝手のなせるわざ。
    そんな真実が厭らしさを突き抜けていっそ清涼感を持ったほどでした。

    驚きますが、けれどイヤーなお話です。
    間違いなく。

    けれどあとくされなく楽しめる物語でもあるとも思うのです。あくまでおとぎ話チックな設定が強いからそう感じたのかもしれませんね。

  • 恐ろしい。女って本当に怖い。
    最後の最後、やっぱりそうなるかって感じ。

    女子高の文学サークル。
    闇鍋を囲んで朗読会。しかも、会長の死に関して。
    暗闇の中で食べる鍋というシチュエーション。
    それぞれの小説の内容も誰が正しいやら。

    死人に口無しのはずが・・・あ~恐ろしい。

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ロヨラ・メリーマウント大学院で映画・TV製作の修士号を取得。2008年、短編「雪の花」で第3回「Yahoo!JAPAN文学賞」を受賞、翌年、同作を含む短編集『雪の花』で作家デビューを果たした。ダークミステリー『暗黒女子』は話題となり、映画化もされた。他の作品に『絶対正義』『サイレンス』『ジゼル』『眠れる美女』『婚活中毒』『灼熱』などがある。

「2021年 『息子のボーイフレンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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