蛇行する月

著者 :
  • 双葉社
3.65
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感想 : 134
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575238358

感想・レビュー・書評

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  • 昭和のテレビドラマで、(きのう かなしべつで)? というテレビドラマを思い出しました。雪と風がいつも背景にあった記憶があります。先般テレビ番組に出演されておられた桜木さんのお話と重なるところもあり、興味深いものがありました。

  • 幸せは他人ではなく自分の心が決めるということ。女性ならではの世界観も面白かった。あーあるあるってやつ。

  • 読みやすかった
    月日とそれぞれの人間の感じ方

  • 北国特有の少ない陽射しや、抗うことのできない寒さや雪に由来するものなのか、桜木さんの作品の登場人物にはそんな背景の気質を感じる。厭なことも飲み込み、我慢を重ね、自ら前に進むというよりは、やり過ごしながら時に身を任せて、年齢を重ねる。「これが自分の幸せだ」と自分に言い聞かせる女性たち、本当の自分の気持ちはどうなんだろう。多くの自己犠牲や諦めが沢山あったけど、心の底には沈めこんだ悲しみや寂しさ、妬みはないだろうか。

  • 幸せって、人が判断するもんじゃないのよね。

  • 45:★4.5。読み終えて、ものすごく苦しかった。女であること、女友達、友達づきあい、そのままならなさと、ままならないがゆえに、まっすぐであることを貫いた順子に対する視線はきつい。それが嫉妬なんだろうけど、嫉妬だって認めたくないから、駆け落ちして籍も入れずに子供を産み育ててる順子を「下」に見て、順子よりは「幸せ」になろう、幸せであろうとする。
    それを傍から見るとあまりに滑稽でおぞましいんだけど、同じ女としてすごくわかる気がする。女子同士で会うときは、男子まじりの時よりずっと身づくろいに気を配るし、自分は自分と割り切っているつもりでも、自分の暮らしを他の人と比べたくなる=比べて安心したくなる。
    最後の直子パートで救われた気分。いや、これはすごかった。気持ちいい話じゃないけど、すごかった。読んでよかった。

  • 道東の湿原のほとりにある高校。かつてそこで共に学んだ同級生からの便りが届いた…。
    人生の岐路に立った女達の運命を変えるきっかけになったのは、彼女が語った“幸せ”だった。

    人それぞれ抱えるものも、幸せを感じる瞬間も違う。
    逃げるように極貧生活を続け、十も二十も上に見えるほどに老け込んでしまったとしても幸せだと微笑む、すごい女がいました。
    別の女達がメインとなった短編連作集なのですが、主役の存在感が薄れるほどに彼女のイメージしか残っていない。改めて、すごい女だ。

  • 自分の役回りを理解していると、そうそう大きな間違いをしなくて済むんですよ

    「順子、幸せなんだね」
    「もちろん」

  • もうちょい人数を少なくして、話を深くした方が好み。

  • 周りを気にせず真っすぐに生きる人。そんな姿をみると周囲の人は自分と比べ優越感に浸ったり、羨望したり。幸せとは何か考えせられた。

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著者プロフィール

一九六五年釧路市生まれ。
裁判所職員を経て、二〇〇二年『雪虫』で第82回オール読物新人賞受賞。
著書に『風葬』(文藝春秋)、『氷平原』(文藝春秋)、『凍原』(小学館)、『恋肌』(角川書店)がある。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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