ブラック・ベルベット

著者 :
  • 双葉社
3.35
  • (23)
  • (88)
  • (157)
  • (20)
  • (6)
本棚登録 : 979
感想 : 139
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575238983

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アメリカの製薬会社のウイルスハンター神原恵弥が主人公のミステリーというか活劇のようなものか。友人から水質浄化を専門とする博士を探してくれと頼まれトルコに赴くが、いきなり博士は殺され、焼き鳥屋経営の満、設計技師のエディ、建築会社の橘、超美人のトルコ警察の刑事、遺跡発掘者やらが入り乱れて、謎の人物アンタレスを求めてトルコじゅうを駆け巡る。ここにスーパー鎮痛剤や覚醒剤や新種の病原菌の恐れもある黒い苔も絡んできて、何が何やらわけがわからなくなりながらも、どんどん読まされてしまう。最後は、なるほどと思うか、やれやれと思うか、なんだよと思うか、まあお楽しみ。主人公の言葉遣いがきもいねえ。

  • 凄腕ウイルスハンターこと神原恵弥は、アキコ・スタンバーグを探しに、T共和国に赴く。
    それと同時に、謎の会社DF(Death factory)や、死んだ患者の体を埋め尽くす黒い苔の謎を追う。

    観光がてら人探しをするつもりが、知らず知らずのうちに事件に巻き込まれて、警察にマークされることになてしまった。
    恵弥はこの事態をどう切り抜けるのか。

    ——-
    シリーズものとは知らず、最新刊から借りてしまった。
    恵弥(めぐみ)という名前と女口調から、主人公は女性と見て疑わなかったが、数ページ後には「れっきとした男性」とあって驚いた。
    まさかこんなスタートからはじまるとは思ってもみなかったが、読み進めていくとキャラの濃さがクセになる。

    ——-

    全てはアメリカ政府から目を欺けるため、アキコ・スタンバーグが死んだと思わせる盛大なお芝居をしたわけだが、恵弥はなにも知らずに、事件に巻き込まれた形になる。

    恵弥以外の人の何らかの思惑は、最後の答え合わせを読んでから、巻き戻してみると分かりやすい。

    物語も読みやすいし、面白かったので、またシリーズものを借りて読んでみたいと思った。

  • 2015年作品「神原恵弥シリーズ」3作目
    コロナ禍で世界中が混乱している中で、この作品を読み興味深さが増した。
    いずれ、コロナの発生、収束、ワクチン開発、終息に至るまでが明確になると
    また、シリーズができないかな?

    日本の警察は入国管理でした麻薬取締りをできないと思うけど。
    警察の海外派遣もあるようだけど、シークレットで実態はわからない。

    まあ、ガセネタの肩透かしはよくあること。

    石井731部隊をネタに書いてほしいな。

  • あ~恩田作品やな~…というのが感想(笑)ぐいぐい読ませる割に、「…で、オチは?これ?」という落差がクセになる(^^; 読み始めてからシリーズものと気付き、読了後に「『MAZE』読んだしー!」となるも、その内容が思い出せず…”面白かった”という印象しか残ってないんだなぁ。ていうか、神原恵弥というキャラが…うーん。

  • 探していた女性が目の前で……。
    しかも、海外でとなるとパニックになりそうよ。
    病気、同窓生、いろいろなことが絡んできて。
    こうなると何を信じればいいのか?
    最後には、自分だけが頼り。

  • T共和国でウイルスハンターの恵弥は友人に頼まれた捜し人の背中を追っていた。彼女はアキコ・スタンバーグ。水質浄化の研究のスペシャリストだ。彼女は休暇と会議を兼ねてT共和国に訪れていたのだが、しばらくの夫とのメールのやり取りの後、“興味深いものを見つけた”と言ったきり消息を断っていた。彼女を探してほしいとアキコの夫から頼まれた友人の多田直樹に恵弥は依頼されたのだ。その彼女を見つけることができたのは、恵弥の本来の目的である“アンタレス”の部下との接触の後だった。
    恵弥はⅮ・Fなる鎮痛薬の噂を何度か耳にしていた。習慣性がなく、効果が弱まることがない、魔法のような薬。
    それをちらつかせるアンタレスに会うために、彼の招待を受けT共和国に来たのだ。
    そんな恵弥の目の前で、アキコは通り魔によって刺されて死んでしまう。混乱する恵弥だが、アンタレスの指示の旅程は残っている。級友でありT共和国で店を持つ時枝満を巻き込み、彼のT共和国の旅は続く。
    T共和国に蔓延する麻薬。それを最短期間でルートを作り売りさばく日本人“アンタレス”。Ⅾ.Fは『死の工場』。旅行中に出くわす美人刑事。もう一人の級友であり恋人だった橘浩文の追い詰められたような変貌。重なる出来事、事実の終わりに恵弥が手にする裏側とは。

    神原恵弥シリーズ三作目と聞いて他の積読本を蹴散らして読み始めた。割にはなかなか読み終われなかったのは、育休が明けて仕事と子育てと家事に追われだしたから。物語はとてもテンポよく、恵弥のキャラも相変わらずでとてもよかった。夢に見るくらい楽しかった。
    ラストが四作目を期待させるな、なんて勝手に思ったり。叶ったらうれしい。

  • シリーズものだったとは。主人公のキャラ立ちがしっかりしていたのはそのせいだったのね。にしてもトルコくんだりまできて必要以上の混ぜ返し。ミステリーなのに最後のどんでん返しがバタバタすぎてもったいないくらい。男三人の微妙な距離感は面白くあったが。

  • タイトルと1ページ目を読んで、あらすじも知らずに読み始めたらはまった。面白かった。
    出てくる登場人物が皆怪しく見えるし、謎が最後の最後までわからず目が離せませんでした。
    フィクションとは言え、実際に起こっていてもおかしくないも思った。

  • 舞台はトルコ。
    勿論、仕事での訪問だが、
    現地に1作目で登場した満がいて
    2作目でちらりと話に出た元恋人橘がいて、
    たわいもない会話が読んでいて楽しい。
    魅力的に年を重ねる、とはこういう事かと思った。

    恵弥目線なので、小難しい話もテンポよく突っ込んでくれるので、そこまで難解に感じないのも有難い。。。
    凄腕のハズなのに、振り回されている感があるけれど。
    無言で怒られると恐いけれど、確かにあの口調で愚痴られると、まぁまぁ、と肩をたたきたくなってしまう。


    ラスト、仕事面でもプライベート面でも心境の変化があり、是非とも続きが読みたい。。

    • solala06さん
      神原恵弥シリーズも、続編が楽しみで仕方ないですよね…!!
      f0314087さんとコメントやりとりさせていただいていると、恩田作品の妄想が捗...
      神原恵弥シリーズも、続編が楽しみで仕方ないですよね…!!
      f0314087さんとコメントやりとりさせていただいていると、恩田作品の妄想が捗ってしまった…楽しいです!!笑
      すみません、ありがとうございます!!

      バー恩田の妄想が止まりません…。
      い、行ってみたい・・・笑
      オシャレな内装なのにあの口調の恵弥が「何、あんたまた来たの?」とか言って相談相手になってくれて、満さんが横で「裏メニューだよ」って焼き鳥焼いてる…。
      恵弥がまたそれでやめてよって怒る…。でも結局お客と一緒につまんじゃうんだ…。

      恩田先生もお酒がお好きだとエッセイでも書かれているので、お酒を取り扱うような小説も書いたりしてくれませんかね…!!?わくわく…
      2017/09/09
    • solala06さん
      恵弥はまさに!省エネタイプですよね…。
      逆に蒔生ちゃんは…めちゃめちゃビジネスライクに営業用スマイルで相槌だけ打ってくれるかもしれませんね...
      恵弥はまさに!省エネタイプですよね…。
      逆に蒔生ちゃんは…めちゃめちゃビジネスライクに営業用スマイルで相槌だけ打ってくれるかもしれませんね…。
      適当な相槌ばっか打ってるけど愛想はいいから、お客さんは本来の薄情さに気が付かない…。
      そのあとにバックヤードで節子に怒られる、という…。
      アッすいませんf0314087さんとお話ししていると、最近妄想が捗って捗って止まらないのです…。

      私は…満と恵弥が経営する小料理屋に…行きたいのかもしれません…。
      食いしん坊なもので、幼少期から食べ物の出てくるおはなしがずっと好きだったもので…。
      分かります…、気になりますよね…。
      恩田先生作品も、食事シーンを読むのがとても好きで好きで…。
      そして作家たちが織りなす会話…。
      そのどちらも楽しめる『木曜組曲』を私は何度も読み返してしまうのです…。
      北村薫先生は有名なものしか存じておりませんでしたので…、気になります!
      これもまた、チェックしておきますね…。

      ああ~~~~…初期のクレヨンしんちゃん…分かります…。
      マカオとジョマは永遠に私の中のオカマのシンボルです…。
      他にももっとたくさんいましたのに、最近の作品では出なくなってしまいましたよね…。
      なんだかさびしいです…。
      やはり差別とかそういった理由でいなくなっていってしまったのですかね…??
      私自身もそういった印象は全く抱かずに観ていた記憶がありました…。
      『失われた地図』だけでなく、『錆びた太陽』にも、男性型(?)ロボットでありながら何故か女性口調のロボットが出てきますよf0314087さん!笑
      2017/09/17
    • solala06さん
      節子さんと蒔生ちゃんのコンビが…すきなんです…。
      そして節子さんがとても好きでして…。
      『黒と茶の~~』の人物中で一番リアルを感じさせて...
      節子さんと蒔生ちゃんのコンビが…すきなんです…。
      そして節子さんがとても好きでして…。
      『黒と茶の~~』の人物中で一番リアルを感じさせてくれるからかもしれませんが…。


      割烹めぐみ(※みの字が崩した筆の字)…、開いてよ満…。
      私通うから…。
      ああ~~~ノンタン!!おばけのてんぷら!!!!!!!
      めっちゃ分かります!!!!!!!
      恩田先生作品の知的会話シーンはどれも本当に大好きなんですけど!!
      『木曜組曲』は特に!!いいですよね!!
      『三月は~~』第二章の夜行列車の中のシーンも好きです…。
      買い込んだおつまみで軽く(?)一杯やりながら、ミステリな話を繰り広げる二人の女性…。
      読んでてああ~~~…いいなあ…、と思ってしまいます…。

      読みたい本が多すぎる!!
      本当…何年経っても思っていますよね・・・。
      ヘンダーランドすごく好きなんですよね…。
      私の好きだけど最近は出なくなってきてしまったカンタムロボやアクション仮面も出てきて…笑。
      しかし、ホラーな演出は心底怖くて、子ども心に泣きそうになったことを覚えています。
      うううん、決してそういったことへの擁護ではないのですが、あまりに規制がきつくなるのは…フィクションを愛する者としては残念な気持ちが否めないですね…。
      2017/09/23
  • 恩田さんらしい作品。
    様々な謎が錯綜し複雑に絡み合い、登場人物たちが推理していくが、真実はシンプルだった、というやつ。
    物語としてはいまいちかもしれないけれど、私は『恩田陸の文章』が好きだから、読めるだけで満足してしまう。

全139件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

恩田陸の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×