- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575239058
感想・レビュー・書評
-
住野よるさんのデビュー作。
「膵臓をたべたい」というホラーを連想させるようなタイトル。
ブクログを始めていなければ、手にしなかったであろう本。
前半はスローペースについていくのがちょっとしんどかったのだが、本の帯に「ラスト40ページに涙」と書かれていたので、がんばって読み進める。
確かに!
ラストはなかなかの展開。
「きみの膵臓を食べたい」というタイトルに納得。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
有名な小説だから読んでみようと思った。
読み出すと止まらなくなり、最後の方では泣きそうになりました。
映画もあるそうなので見てみたいと思います。 -
住野よるさんは新人だそうだが、次作が出たら絶対に買う。
この作品の文庫が出たらまた買ってもいい。
仲良く暮らしていた恋人たちに不幸が訪れて、最愛の人が病気になり死んでしまうというのは、よくある話だ。
現実でよくあったらたまらないけど、小説の中では定番といってもいい。
この作品も系統としては同じなのか、主人公と出会った女の子、桜良は死んでしまう。
それも、1行目で彼女が死んでしまうことがわかる。
物語は始まりからすでに桜良の死に向かって進んでいる。
それなのに、彼女はほとんど弱さを見せない。
絶対死ぬはずなのに、死を感じさせないキャラクター。
読み進めていくと怖くなる。
いつ死ぬのかわからないからだ。
王道的展開ならば、逆説的に、病気が発覚するまではヒロインは死なない。
弱っていく姿を見せるまでは、死なない。
桜良の場合は、リミットの分からない時限爆弾みたいなもので、いつ死んでもおかしくない怖さがある。
加えて、桜良が死んでしまいそうなフラグを次々に立てていくものだから、ページをめくるのが恐ろしくなってくる。
桜良の前向きさを際立たせる文章は、とてもよかった。
ユーモアを交えた言葉遣いは受け付けない人もいると思うが、私は例えば伊坂幸太郎のものよりも好みだ。
読みやすいし、全体的に一文一文の質が高いと思う。
中でも気に入った文がある。
「私達は、皆、自分で選んでここに来たの。」
何事も選択の積み重ねだと本当に思う。
運命も奇跡もない。
この本の帯には大層なことが書かれていて、誇大広告だと感じた人もいるみたいだが、私は真っ当な評価だと感じた。
終盤は涙が止まらなかったし、読み終えたあとは人との関わり方を考えさせられた。
タイトルの意味もとても素敵だった。
「君の膵臓をたべたい」
カニバリズムではない。
だとしたら、「どうせ、膵臓を食べたいくらい好きだとか、そんなところだろう」と思う人が多いはず。
私もそうだった。
でもそれも違う。
気になる方はぜひ一読を。 -
話題作ではあるが、そんなに長編でもないので、簡単に読めるだろうと思っていたら、作中に没入してしまった。「世界の中心で・・・」のように最後は恋人を失くして慟哭する予定調和的な物語かと思っていたら、あまりにもショッキングな終焉に唖然とした。癌は緩和治療が進歩して痛みもある程度抑えられようになり、ゆっくり死んでいけるので患者にも家族にとっても優しい病気だと思っていたら、この別れは酷い。作中に伏線としてあったが、これがまさか効いてくるとは思わなかった。しかし遺言があっただけ残された者にとっては救いなのかな。図書館で読んでいたのでいい歳をして泣けて困ったよ。
-
きわどいタイトルだ。だけど中身はとってもピュアだった。
天真爛漫な彼女と、それに付き合わされる僕。
ほんの短い時間なんだけど、2人の何気ない日常すべてが輝いていた。
そして余命短い彼女が、まさかあっけなく逝ってしまう。
日記を読んで僕は号泣する。そして私も泣く。 -
2020(R2)1/14-1/16
40も半ばにして、声を出しそうなくらい泣いた。
『旅猫レポート』以来、本で泣いた。
桜良の健気さに、
親友の温かさに、
桜良と「僕」のつながりの深さに、
泣いた。
そして、いつか訪れる自分の死と家族について考えた。
故に、この本を読み終えた1月16日の午前2時過ぎ、一人息子のベッドに入って息子を後ろから抱きしめた。
妻にもそうしようと思ったが、肘打ちを喰らうことは目に見えていたので、やめた。
すぐに2回目を読み始めた。 -
「君の膵臓をたべたい」住野よる著、双葉社、2015.06.21
282p ¥1,512 C0093 (2019.12.21読了)(2019.12.16借入)
カニバリズムを思わせるような恐ろしげな題名なので、ちょっと手に取るのに躊躇してしまいます。それでも話題になっている本なので、図書館から借りてきました。出版されてから、すでに4年半経過していました。
高校生の男女の物語です。主人公の僕は、名字と名前からそれぞれ小説家の名前を連想させるような名前らしいのですが、【秘密を知っているクラスメイト】【地味なクラスメイト】【仲のいいクラスメイト】【根暗そうなクラスメイト】【仲良し】【親友と不可解な関係のクラスメイト】【噂されてるクラスメイト】【ひどいクラスメイト】【目立たないクラスメイト】【?????】などと、表現されて本名はなかなか出てきません。最後まで出てこないと思っていたのですが。
主人公と山内桜良と何をしたのかの箇条書きは、214頁と215頁に書いてあります。
主人公の僕は、病院のソファに置き忘れられていた「共病文庫」を見てしまったためにクラスメイトの桜良にいろんなことを付き合わされることになる。一緒に食事をしに行ったり、一泊旅行に行ったり、宿泊先のホテルで一緒の部屋に泊まり、お姫様抱っこをされられたり、一つのベットで二人で寝たり、桜良の部屋に呼ばれて、「いけないこと」をしそうになったり、桜良が入院中に見舞いに行って抱き着かれたり、…。
桜良は、膵臓が悪く余命数か月の状態のようです。主人公の僕に、そのことを知られたのを幸いとして、生きているうちにしておきたいことに付き合わせています。桜良は病気で亡くなって終わるのだと思いながら読んでいたのですが、…。
切ない物語です。涙があふれてきます。
山内桜良
キョウコ(恭子) 桜良の親友
ヒナ(陽菜)
隆弘 学級委員
志賀春樹(261頁)
【目次】(なし)
1~10
(2020年1月4日・記)
内容紹介(amazon)
偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。タイトルは「共病文庫」。
それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた、秘密の日記帳だった。
そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。
病を患う彼女にさえ、平等につきつけられる残酷な現実。
【名前のない僕】と【日常のない彼女】が紡ぐ、終わりから始まる物語。
全ての予想を裏切る結末まで、一気読み必至! -
あっけなかった最後にさみしさを感じる。それも伏線だったとは。
久しぶりに泣いたなあ。メールが届いていて良かった。