君の膵臓をたべたい

著者 :
  • 双葉社
3.90
  • (1259)
  • (1386)
  • (905)
  • (224)
  • (94)
本棚登録 : 12689
感想 : 1468
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239058

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • タイトルだけでも印象的な、住野よるさんのデビュー作。現代小説というのか、評判通りすごくおもしろかった。

    とある病で余命を宣告されている高校生の女の子「山内桜良」と、読書が好きで、人との関わりを必要としない生き方をしている高校生の男子「地味なクラスメイト君」が主な登場人物。

    桜良は、余命を宣告されたあとも、日常の生活を壊さないため、家族以外には病のことを隠して生活していた。ある日、検査のために病院にいた桜良と盲腸の手術後の抜糸のために病院にいた地味なクラスメイト君は出会う。

    二人を引き合わせたのは、桜良が余命を宣告されてから書き始めた闘病日記ならぬ共病文庫。病院の椅子に置き忘れていたそれをたまたま手にとった「地味なクラスメイト君」が、桜良の秘密を知ることとなり、二人の関係が始まる。

    いずれ死ぬことは、この世に生を受けた生き物の宿命だけど、若くして余命を宣告された桜良が「死ぬまでにやりたいこと」を実行していく。
    桜良の葬儀から始まるストーリーは、せつなさの中にも、爽やかさやほろ苦さ、日々の自分の生き方を考えさせられるような内容も盛り込まれた、再読したくなる小説だった。

    若いから、平和だから、今健康だから、実感が沸かないから、みんなそうだから、今日が当たり前にやってきたから、多くの人は今生きていることを当たり前と感じ、明日も当然にやってくるものと思い込んでいる。それは、自分のことだけじゃなくて、大切な人のことも。
    『死』は、いつやってきてもおかしくない。
    こんなに平和な現在の日本でも、交通事故や犯罪によって人が亡くなったというニュースは、毎日のように流れている。
    大切な人をわかりやすく大切にし、大切に思っていることを言葉で伝え、自分の人生も大切に、やりたいことは行動にうつす、改めてそんな生き方を推進させられました。
    おもしろかった。

  • 最後通り魔に殺されるって、残酷すぎ…、嘘やーんって思いましたよ、最初。そんな死に方あり?みたいな。余命まで生きさせておくれーって思いましたよ。遺書がね、内容悲しくて悲しくって、泣けそうになりました。(結局泣かなかったけど。)
    昔、九年前くらいにね、広告で「君の膵臓を食べたいっ!」って、桜良が言ってたの、印象に残ってて、読めてよかたー。(見つけた時、あれってなって!奇跡!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆)

  • 中学3年ぐらいのとき、一つ下の後輩に借りた

    ほぼ小説を読んだことはなかったけど面白かった

  • 住野よるのデビュー作。2016年本屋大賞2位。

    何度目かの再読なのだけど、今回が読んだ中で一番感動した。青春小説なのに一番歳を重ねた今が一番感動するなんて不思議だし、読書って面白いなぁと思う。

    あらすじ
    人と関わることを避けていた「僕」がひょんなことで同級生の明るい山内桜良の病気のことを知ってしまう。
    それから彼女との交流が始まり…

    桜良に死が訪れることは読み始めですぐに分かる。
    暗い作品なのかと言えば、そうではない。
    高校生の二人の掛け合いでポンポンと進んでいく。「死」が近くにあるのに、冗談にしたりとどこか遠いことのように感じる。だからこそ、突如その部分が出てくると動揺してしまう。主人公の「僕」と同じように読者も感じるだろうな。

    2人の通じ合うシーンは本当に感動した。
    何度読んでも泣いてしまう。
    この2人は「恋」という言葉だけでまとめてほしくない気がする。いや、恋でもいいんだけど、もっと深くて優しいものだと思う。ここら辺は私は桜良の考え方に近い。

    今回は名前に注目して読んでみた。
    名前の変化にも凄く感動してしまった。
    私なりに名前の解釈ができた気がする。

    この小説は今では書けないなぁ。
    この時の連絡ツールがメールだからより感動できる。

    『君の膵臓をたべたい』

    猟奇的なこの言葉が感動の言葉に変わるなんて本当にあっぱれだ。

  • タイトルにギョッとしましたが、その意味が分かってくると、切なくてたまらなくなりました。若い人がこんなに間近な死を見据えようとしたなんて。しかし、死というものはそこを上回っていました。その残酷さには泣き伏すしかありませんでした。

  • 実写映画、アニメ映画を見ましたが、どちらもよかった。
    でも1番よかったのは書籍。

    人生ってなに。寿命ってなに。

    この物語を読むたびに、悔いのない日々を送ろう
    と思える。

    だけど、未だに中々実践できず。
    明日、この世界からいなくなるかもしれないのにね。

  • 【生きる】

    少しの空虚感と、遅れて温かな感情。
    すごく豊かな読後感、素敵な本でした。

    死と近い桜良は鮮やかに生を燃やし、「僕」は死からは遠い一方で生からも遠い日々を過ごす。
    失ってからでは遅いけど、それが実は脆いものだと気付かないと人はそれを大事に出来ないのかもしれない。
    そんなことを考えさせられ、気付かされました。

    そして、二人はどんな終わりを迎えるんだろうと思いながら読み進めると、突然訪れる予想外の別れ。
    これは完全に騙し討ちを食らいました…。

    そこからは温かな空気の流れるエンディングへ。
    「僕」は桜良の膵臓を食べて、本当の意味で生き始めたんだと思いました。

  •  ビブリオバトルで何回も取り上げられている。冒頭に、女の子の死がある。そして、死の予感があったことをうかがわせる。男女ふたりの高校生を中心に話は進む。ふたりは同級生。笑いと剽軽さが、不安や悲しさと同居して、恋なのかどうかを迷い迷わせながら、意思の疎通と不通の綱渡りをする二人のやり取りが、面白くて、切ない。青春っていいな、とつぶやきたくなる。ただ、予感の実現を覚悟して読み進めるだけでは終わらなかった。小学校に入る前、砂場で、砂山を作るのが好きだった。こんな形にしよう。高さはこのくらい。トンネルもひとつ。完成間近になると、決まって、崩れる。時にはトンネルが、時には、飛んできたボールがぶつかって。読了後、そんな感じで、泣けた。

  • 泣くとわかっててもやっぱり泣いた。設定とか、ベタといえばベタだけどそういう王道で上手く書いてくるのはいい小説だと思う。
    後味はいいから泣きたい時にオススメです。

  • 自分にとって大切な誰かが出来る事は素晴らしい事だけど、自分が誰かに必要とされた(る)経験は更に強力で生き方や考え方を変えるパワーがあるんだなと改めて思う。

全1468件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

高校時代より執筆活動を開始。デビュー作『君の膵臓をたべたい』がベストセラーとなり、2016年の本屋大賞第二位にランクイン。他の著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』『この気持ちもいつか忘れる』『腹を割ったら血が出るだけさ』がある。カニカマが好き。

「2023年 『麦本三歩の好きなもの 第二集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

住野よるの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×