君の膵臓をたべたい

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239058

感想・レビュー・書評

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  • また同じ夢を見ていた・よるのばけもの に続いてようやくデビュー作を読みました。

    『読後、きっとこのタイトルに涙する』という帯や、冒頭からヒロインが亡くなることも書かれているので人が死ぬ話というのはあらかじめ予想がついているのだけど、最後まで読んでみた結果、泣きのポイントがわからず。
    主人公が「うわああああえぐえぐっ」と次ページにわたり三行も泣き叫んでいたところでしょうか?あえて文章で表現せず台詞で号泣というのは私にはある意味新鮮でした。
    純愛、友達、病気、死、悲しみを乗り越えて成長する主人公の青春物語、というのに泣けないとなると非情な人間のように思われそうでなかなか書きにくいのですが・・・
    まず、ヒロインのさくらちゃん、自由奔放キャラはいいけどクラスの人気者というのがピンときません。主人公と正反対のタイプで人気者だ、という表記があるけれど、その魅力が伝わりませんでした。明るくて活発な女の子=人気者 という構図?
    意味のない喩えを繰り返す会話もおしゃれだと思っていそうでちょっと恥ずかしいです。電車で横に座った中高校生からこんな会話が聞こえてしてたら鳥肌が立っちゃいそう。読みながらも少しイラッとしました。
    膵臓の病気→医学の進歩によって普通の人と変わらない生活を送れる→リュックの中には注射器と大量の薬→暴飲暴食→アルコールまで接種→それが原因かはわからないが入院→入院長引く・・・
    もしかしてモルヒネでも打ってるの?普段の生活結構無理してるのでは?病人以前にそもそも未成年で飲酒はダメでしょ・・・と突っ込みどころ満載でした。
    病名は明かされていないので、そこにリアリティは求めちゃいけない作品なのかもしれません。
    そんなわけで、いくつもの要素が重なって、さくらちゃんが死んでも主人公が泣き叫んでも全く泣けませんでした…。

    3作そうだったのですが。読むタイミングが私には合わなかったのでしょうね。
    最新作もまた同じテイストで青春ファンタジーの内容ならもうお腹いっぱいなので読まないかも。

    • dakara.さん
      初めまして。 感想を読ませていただいて、共感する部分が多かったので思わずコメントしてしまいました。特に会話については、私も読みながらゾクゾク...
      初めまして。 感想を読ませていただいて、共感する部分が多かったので思わずコメントしてしまいました。特に会話については、私も読みながらゾクゾク鳥肌を立たせていました…。(良くない意味で)
      2017/06/13
    • チョビさん
      初めまして。
      文章の軽さに対して、私も全く同意見を持ったところでしたので、思わずコメントしてしまいました。
      私は、結局泣かされてしまったので...
      初めまして。
      文章の軽さに対して、私も全く同意見を持ったところでしたので、思わずコメントしてしまいました。
      私は、結局泣かされてしまったのですが、それは単に人の死を扱った、いわば「ずるいテーマ」だったからのでは…なんて思ってしまって。
      ただ、主人公が泣いているシーンで涙が引っ込んでしまって、その理由を探していたのですが、にゃん吉さんの指摘のように、泣く様を文章で表現していないからだとも思えました。
      何にせよ、泣くほどには私の心には響くものがあったんだな、そういう意味では、読んでよかった本だな、と思いました。にゃん吉さんが仰るように、読むタイミングもあるかもしれないですね。
      反応しづらい長文で、すみません。
      2017/07/23
  • ごめんなさい。感情移入できず、好きになれませんでした。「泣く」という感情を、文章で表すのではなく、ただ「わあー」と書かれていることに疑問を感じない世代ならいいのかも。

  • 全体的に薄いというか、ラノベっぽい。
    桜良の笑い方とか主人公の泣き方とか、いかにもラノベというか漫画っぽくてあんまり得意ではなかった。
    話も特記するほど内容がないような…。
    主人公の名前もキーワードになるのかと思いきや、全然大したことなくて伏線にもなってなかった。勝手に二葉亭四迷かと思ってたよ。

  • 文体がとにかく苦手。

  • 仕事で必要なので読みました。
    自分だったら絶対に読まない。読まない誓いを立てていた。読む前から自分の好みでないと知っていたので、たいして新鮮さも感じなかった。
    医食同源の話から始まり、「おっ」と思ったが、主人公の喋り方が合わずに辛かった。
    作中でも言われているが、協調性のない男と自己中女のカップルが非建設的な会話をだらだら続けるシーンが多い。これがきつかった。会話と雰囲気が「エモい」と感じる層が多いと推測できる。
    主人公が回りくどい描写を好むので、それが合えばシンクロしやすいのではと感じた。

    ヒロインの遺書のくだりだけ、まあまあだったかな。
    主人公とヒロインの親たちが出てきたあたり。号泣はしないけど、少しうるっとした。

  • 一応読了したが、あまり好きになれなかった。

  • 泣けなかったなぁ...。最近ドライアイが酷く、目を潤したくてトライ。まず、ヒロインの口調が気になる。主人公の呼び名が独特なのも気になる。なかなか世界観に入り込めないまま読了。そもそも、タイトルも表紙も自分のストライクゾーンから外れまくった作品をチョイスした私が悪い。本は悪くない。水差しレビュースイマセン。

  • 泣ける!の評価でかなり自分のハードルを上げてしまたのか…!?ちょっと期待はずれだった。

  • 自分では何も行動しない魅力も全く無いただの男が、可愛い女の子に積極的に迫られる話。何これ?夢物語で寒気がする。気持ち悪いタイトルで話題になろうとする浅ましさも透けてめちゃくちゃ嫌い。

  • Web小説として見れば、素晴らしいクオリティで星4.5くらい。読書に慣れていこうかなという人や久しぶりに本でも読んでみようかなという人にも格好の一冊だろう。
    けれども、一般書籍として見れば星はこのくらいかな。
    ストーリーも文章も元がWeb小説ということもあり、普段の読書とは異なる読書体験だった。こればっかりは本当に一人ひとりの好みだと思う。普段海外文学中心に読んでいるひねくれ者の私には文章が最後まで慣れなかった。が、ふと読書カフェで表紙が目に留まり、眉唾ものと思いつつもペラペラとページをめくっているうちに小気味よい文章とストーリーに引き込まれ、読み終えた。物語に集中してもらうためか、一文一文が短く会話文が多い。つまり、とても読みやすい文章で書かれている。

    序盤は文章とストーリーになかなか引き込まれず、目がページの上を滑るような読書だったが、中盤以降は次第にキャラクターたちの世界に入り込み、後半は一行一行文章を読み込んでいた。ストーリーの練り込みはしっかりなされており、作者の伝えたかったメッセージは私たち読者にしっかりと感じさせることができるようになっている。

    しかし、やはり全体的なクオリティには疑問符が付くというのが、正直な私の気持ちだ。特に最後のヒロインの殺し方、というか退場のさせ方にどうしても触れないわけにはいかないだろう。私にはどうしても著者の行ったどんでん返しのやり方が、物語やそれを通じて伝えたかったメッセージを読者に届けるのに一番合ったストーリー展開とは思えないのだ。
    本書は元々Web小説投稿サイトから拾い出された作品として、考える必要はあるのかもしれない。数多のストーリーが日々投稿され、消費されるWeb小説の世界ではお決まりの十八番設定は読者を獲得できないタブーであり、作者にとっても禁じ手である。それでいて、あまりお決まりの設定からかけ離れた作品は敬遠され、ネット上の読者からは見向きもされない。つまり、Web小説の書き手はお決まりの設定、ストーリーを避け、なおかつあまりに奇抜にならない小説を投稿しなければならないという、究極の二律背反の中にいる。
    しかし、いやだからこそ、著者の伝えたいメッセージを読者に届けるためには、もっとストーリーに沿った違う描き方があったのではないかと思う。確かに人はいつ何時どんな目に合うのか、ましてや自分がどのタイミングで死ぬかということは、誰も知る余地のないことではある。しかし、通り魔事件でヒロインをあのタイミングで殺すのはあまりに間が悪い。はっきり言えばこれまで進めてきた物語、そして読者の没入感に水を差し台無しにしている。砂場の城を壊すのに、ダイナマイトを使うようなものである。どうしてもあのシーンで、読書中という一種の心地よい白昼夢の中から半強制的に現実に戻されてしまうのだ。それ以外にも主人公は時に異常なほど冷静になったと思えば、続く心理描写が相反していたり、最後の悲しみの極致を描く内心描写があったかと思えば、その前後で絶叫して泣くセリフがあるなど、指摘したい部分は様々あるものの、やはりこの部分が最も不安定に精神状態が揺れ動くである青春時代を設定に置いたジュナイブルストーリーと考えたとしても、疑問符が付く。やはり少し私の好みとは合わない小説のようだ。しかし読了後に疑問符が浮かぶものの、読んでいるうちは面白かった。Web小説と考えれば、満点に近い出来だろう。

著者プロフィール

高校時代より執筆活動を開始。デビュー作『君の膵臓をたべたい』がベストセラーとなり、2016年の本屋大賞第二位にランクイン。他の著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』『この気持ちもいつか忘れる』『腹を割ったら血が出るだけさ』がある。カニカマが好き。

「2023年 『麦本三歩の好きなもの 第二集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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