犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼

著者 :
  • 双葉社
3.79
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239188

作品紹介・あらすじ

警察、犯人、被害者家族-前代未聞の騙し合いが始まる!巧妙に仕組まれた"誘拐ビジネス"。神奈川県警を嘲笑うかのような闇の犯行に、異色の捜査官・巻島史彦警視が再び立ち向かう。累計135万部突破の大ヒット警察小説、待望の第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • 著者はこの葛藤状況をよく考えた。皆さん!想像してください。息子が犯人に拉致されている。犯人の実績から、金さえ渡せば100%息子が解放される。しかし絶対に金の引き渡し方法を警察に言ってはいけない。もし言ったら息子の命の保証はない。さあどうする?親の葛藤が金の引き渡し5分前に爆発し、警察に犯人との引き渡し方法を言ってしまった。再度の犯人からの受け渡し方法の指示。冷静な判断力を見せつける警視の巻島、前回署長賞のすっとぼけな小川、原付バイクの女性警官小石のラッキーな展開で一気に犯人を制圧。読み応え抜群だった。

    • ポプラ並木さん
      なおなおさん、おおお、流浪の月にもコメントありがとう!
      実は読書メーターでは読友さんを含め完全に低評価は自分だけでした。結構波紋を呼んだよ...
      なおなおさん、おおお、流浪の月にもコメントありがとう!
      実は読書メーターでは読友さんを含め完全に低評価は自分だけでした。結構波紋を呼んだようです。
      なおなおさんも「女主人公がもう少し文のために伝えるべきでしょ」という意見でしょうか?自分は今でもこれは変わらない。でも、「あの環境では伝えられない」とか「伝えられるほど強くない人もいる」というコメントを貰いました。
      自分だったら絶対に文のために伝える。石にしがみついても、弁護士・被害者の会に相談しても!
      なので、悲劇のヒロインに徹してしまったために、リアリティがなくなりました。
      でもこれは自分の考えですので、いろんな考えがあって良いと思います。一緒の意見であればとても嬉しいです。共感ほど嬉しいことはありませんね。凪良さん、もう少し読んでみます!
      2022/07/31
    • なおなおさん
      ポプラ並木さん、流浪の方にはコメントは入れておらず、ここでお話を始めてしまってすみません。
      もう忘れかけているのですが、私も同じように、女主...
      ポプラ並木さん、流浪の方にはコメントは入れておらず、ここでお話を始めてしまってすみません。
      もう忘れかけているのですが、私も同じように、女主人公が文のために真実を話してほしかったという考えです。
      あの話に共感はできませんでした(-_-;)
      色んな意見をいただいたのですね。読み手によって色んな考え方があるので勉強になりますね。
      2022/07/31
    • ポプラ並木さん
      いえいえ、ここで全然問題ありませんよ♪
      自分も結構こういうのあるんですよ。
      例えば、マチネの終わりに、とかもダメでした。
      多分感情移入...
      いえいえ、ここで全然問題ありませんよ♪
      自分も結構こういうのあるんですよ。
      例えば、マチネの終わりに、とかもダメでした。
      多分感情移入できない何かがあるんでしょうね。
      読書しながら自分を発見し、色んな方の意見を聞けるのは素晴らしいと思います。今後も是非コメントくださいね!では~
      2022/07/31
  • 面白かった!ですが
    前作が良すぎたので物足りさを感じるかも。
    途中までどんな展開になっていくのかわかりません。
    後半は予想ができてしまうが、逆にそれが良くて加速!1を読んでいたので期待しながら楽しんで読めた。厳しく言うとご都合主義かもしれないですな。

  • 11年ぶりの第2弾。
    作中随所に、7年前の人質が遺体で見つかった営利誘拐事件とか、去年の「バットマン」事件とか、前作の事件が出てくるが、頭の中では忘却の彼方であり(笑)、久しぶりに再読してみようかな。
    今作は、犯人側の描写から始まるせいか、あるいは一定の矜持(人質を殺さない)を持っているせいか、犯行後も二人の兄弟には逃げおおせてほしい、と念じながら、クライマックスの展開の頁を繰った。これって、ストックホルム症候群に似た感情?
    最後に、主犯格のアワノが「レスティンピース」と、巻島に告げ、二人の今後の対決を暗示させるような終わり方であり、第3弾を期待して待つことにしよう。

    再読記録に、再読のレビューを書きました。

  • 《『犯人に告ぐ』(1作目)のネタバレも含む》



    私はこの『2』の方が断然良かった。
    なぜなら『1』とは大違いで、ちゃんと警察側・犯人側・被害者側(特に社長や秘書の心の葛藤も)、それぞれの心情や行動が丁寧に書かれていたから。

    1作目は、「ワシ」は、それと思しき引きこもりの男を事件後7年間も村瀬が見張っていたのに、男に自殺されてしまい、それが本当に「ワシ」だったかどうかはわからずじまい。
    「バッドマン」は、巻島が何回もテレビ出演したり、植草がとんでもないことを裏でやったりというわちゃわちゃが長く続いただけで、「バッドマン」の動機もよくわからないし存在感も無いまま終わってしまったから。

    1でも巻島と本田・秋本・村瀬との相互の信頼関係が良かったのだが、それは2でも顕在な上に強固であることが、よりはっきりと描写されていたので、そういうのが好きな私には嬉しい。

    そして、とぼけた小川かつお刑事というキャラも好きだ。
    小説を読んでいて私は主人公よりも、脇役の方を気に入る傾向にあるようで、「あの作家さんのあの作品のあの人が良かった」と言える登場人物が数人いるのだが、列挙してみたらなんと全員刑事(1人は刑事では無いが警察の人)だった。

    【今野敏氏『任侠シリーズ』の甘粕刑事
    今野敏氏『隠蔽捜査シリーズ』の戸高刑事
    横山秀夫氏『64』の蔵前(刑事ではなく広報の人だが、警察の人だったはず)
    東野圭吾氏『マスカレードホテル』の能勢刑事】

    そんなに警察物ばかりを読んでいるわけではないのに…である。
    小川かつお刑事は前作から、私のそんなお気に入り刑事達の仲間入りだ。

    もっとも本作では、ある場面でそれが小川かつおだったとわかった瞬間は、小川かつおの活躍でもなんでもなく、巻島の手腕がいかに凄いかということに私が気付いた瞬間であり、実に鳥肌ものだった。
    巻島の(被害者である社長への)洞察力が鋭過ぎる。
    それと、綿密にその策を教えられている状況とは到底思えないがモニターを一緒に見つめていた他の刑事達も優秀。
    1を聞いて10を知るどころか、巻島から1を聞いてもいないのに的確な行動をできる部下達。

    しかしこうして1作目から2作目へと引き継がれた事柄は好ましいものだけではなかった。
    植草も曾根も1作目で警察官僚としてあるまじき行為をしたのにもかかわらず、植草はエリートコースまっしぐらだし、本部長の曾根の虫唾が走るほどの性悪さも、警視庁と神奈川県警とのライバル視や非協力とか、本当に嫌だわぁ。

    ところで本作で、犯人に情報を流してしまっている警察内の裏切り者は誰だ?誰だ?とハラハラして、2人ほどを疑ったりしながら読んだのだが、最後まで全く判明されずに終わった。
    3で解明されるのならいいけれど、もしこのままだったらモヤモヤが残る。

    とにかく子供の誘拐期間があまりにも長過ぎで可哀想。
    作者が男性だからなのか、そこまで書いていたらめんどくさいことになるからなのか、母親の体力と精神力の崩壊は、作者によって無いものと設定・放置されているが、この状況での母親はこんな風にはいられないと思う。

  • 「犯人に告ぐ」で初めて雫井さんを知り、やられてしまったわけだけど、この2は某所で評価が低かったためなんとなく今まで手を出せずにいた。でも、読んでみるととてもおもしろかった。思わず犯人の側についてしまい、成功を祈ってしまったほどだ。巻島警視と淡野の頭脳戦も深かったし、身代金受け渡しの場面はドキドキした。続編があるんだよね。

  • 私の好きな本ベスト10に入る犯人に告ぐの続編!
    もちろん面白かったけど、やはり前作にはかなわないっていうか、前作はタイトルが決め台詞でカッコよかったっていうか。
    それでやられた私には2はやはり物足りなかった。
    犯人側の気持ちにもシンクロしてしまい、このまま成功してほしいとさえ思ってしまった。
    だけど主人公が巻島である以上それはないって冷静に思いつつ読んでた。
    騙し合いも面白かったし、逆に続編じゃなければもっと評価高かったかも。
    それだけ前作は私にとって衝撃的だったってことで。
    でもさらに続編期待してます(笑)

  • 『犯人に告ぐ』から10年以上経っての『2』
    雫井さん作品全部読んでいるファンからすると、
    正直これって『2』なのかな~?といった印象です。
    (えらそうですいません)

    もちろん面白くはあったんですが、
    本作では淡野の知能犯ぶりが際立つあまり、
    巻島がどれだけスゴイ刑事なのかが、今ひとつ伝わらなかった。

    そのせいか、どうにも犯人の方が魅力的に見えてしまって、
    いけないとは思いつつ、知樹と健春兄弟に肩入れ。

    健春と祐太くんが、真剣にゲームで遊ぶ姿に安堵したり、
    最後、知樹が弟を守るために必死でした芝居に胸が熱くなったり。
    (それを汲んであげた巻島は、やっぱり素敵でしたけどね)

    どうやら巻島と淡野の再対決がありそうですね。

    巻島の忘れられない名ゼリフ
    「今夜は震えて眠れ」
    あの鳥肌ものの感動よ、もう一度!です。

  • 前作から10年以上経っているので、全く「バッドマン事件」が思い出せない!思い出せないから、巻島のすごさもイマイチ分からず、犯罪グループの主観で読み進めてしまった。結局、巻島登場でも主犯格の淡野は逮捕できず、次に続く展開に・・・出来れば、これで完結して欲しかった。

  • よく考えられてるなーと思った。でも捕まったのが偶然の要素が強すぎないか?

  • ちょっと長かったかな。3も借りたので時間があったら読もうかなぁぐらいかな。

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著者プロフィール

1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年、第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で小説家デビュー。04年に刊行した『犯人に告ぐ』で第7回大藪春彦賞を受賞。他の作品に、『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『殺気!』『つばさものがたり』『銀色の絆』『途中の一歩』『仮面同窓会』『検察側の罪人』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『望み』などがある。

「2021年 『霧をはらう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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