復讐屋成海慶介の事件簿

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 469
感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239287

作品紹介・あらすじ

男に騙され、会社も辞める羽目になってしまった神戸美菜代は、凄腕の復讐屋がいるという噂を聞きつけ、その男、成海慶介の事務所を訪ねる。が、イケメンでオレ様の成海に足元を見られ、けんもほろろに追い払われてしまう。諦めきれない美菜代は弟子入りを志願、押しかけ秘書として成海の事務所で働きだす。

感想・レビュー・書評

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  • 「復讐するは我にあり」(聖書の言葉 復讐は神の私がやってやるからそんな馬鹿なことはするなよ)ということを、一見ほんわかした展開で見せてくれるのだが、結構人の心の機微を衝いていて感心した。「遺産争いになりそうだったら放棄するのが幸せへの道」ということも、なんだか腑に落ちる感じだった。復讐屋のイケメンだが一見ぐうたらの成海慶介と押し掛け秘書の神戸美菜代、この二人の掛け合いが愉しいが、いろいろな復讐の依頼を受けていくうちに、微妙に様相が変化していき、最後は美菜代自身の身に…。

  • 本格探偵小説の日常の謎として読みましたが、女性の本音が赤裸々に描かれている作品ですね。
    初めて読む作家さんだと思いましたが、どうも発売当初に目を通した記憶が甦りました。ユーモアが有り読みやすいようでいて物事の真相を捕まえて懐の深い作品だった印象でしたが、2度目の感想も変わりません。
    作家さんがかなり苦労をされた経験が有るのか、本質を見抜く筆力を持たれているように感じました。
    作中にそこまで読み取れる人生の機敏さに驚く事が多々有りましたから、かなりの読書家か取材能力の持ち主なのだと感服しました。
    このところ話題の作家さんに成られているのはそんな力量の持ち主だからこそかな。他の作品も読んでみようと思います。

  • 復讐、なんとおぞろおぞろしい。
    最初から度肝を抜かれた。
    成海慶介の復讐屋に依頼に行き美菜代は、ひょんなことから復讐屋を手伝うことになる。仕事を通じて復讐の意味を知り、変わっていく。
    生きていたら腹わたが煮えくり返るようなことや、もうここから立ち去りたいと思うことが起こる事もある。そういう時に読んでみるのもいいかも…
    続編ないのかな…あるといいな 
    読みたいな

  • 原宏一さんの 本を見ていて
    原田さんの 本 気になったので
    読んでみました。
    読んで 正解でした。
    「復讐するは 我にあり」は 神様の言葉
    自分がするのでは なく 神様が してくれる。
    この言葉が 深く感じ入れました。
    この本を 読んでいただければ
    世の中の 犯罪が 少なくとも 10パーセントは
    減るのでは 無いですか。
    ぜひ 皆さんにも 読んでほしいです。
    原田さんが ちょっと 気になる作家になりました。

  • 恋人だと思っていた男に裏切られ、会社を辞めた美菜代。セレブ専門の復讐屋に、復讐を依頼するも断られ、そこで秘書として働くことに。
    婚約者が飼ってるサルに負けた女やオーケストラのコンマスの座を奪われた女、遺産相続に巻き込まれた女やさまざまな依頼者がやってくる。



    これとして、所長の成海さんは行動を起こしていない。信念が『復讐は我にあり』みたいなかんじで、復讐なんてせずとも相手は勝手に自滅するよみたいなかんじ。
    あまりスカッとするような復讐劇ではない。ちょっとした探偵劇みたいなかんじだった。


    2016.7.9 読了

  • 男に騙され恨みを持っていた美菜代は、依頼目的で訪れた復讐屋成海の事務所で秘書として働く決意をする。
    次々に来る復讐の依頼。
    真の復讐屋の仕事とは。

    『復讐するは我にあり』の本来の意味「誰かから悪いことをされても、悪で返さず善い行いで報いなさい。復讐は神様に任せ、あらゆる人達と平和な関係を築きなさい。」を私自身も知りませんでした。深いですね。
    成海の復讐屋としての仕事は、その人自身が幸せになることに気づかせてあげること。
    誰も復讐はしないんです。
    詐欺っぽい要素はありますが、結果オーライ、いいお話でした。

  • 高額で復讐を引き受けるイケメン復讐屋。毒舌で性格悪そう、と思わせて実は相手の最善を考えていたりする。面白かった!

  • 面白かった。
    復讐屋といいつつもドロドロ暗くはなく、ユーモアがあって、意外とハートウォーミング。
    復讐を果たしたとき、依頼人は本当に幸せになれるのか。
    鳴海と美菜代の"復讐"に対する思いもあり、楽しい中にも奥行きのある物語。
    一応完結しているが、続きが読みたくなる。

  • ゲスなパンって言い方が何だかツボでした。感覚的にちょっと分かるというか。
    主人公に元気に幸せになってほしいなぁと思いながら読みました。

  • 傷を持った登場人物たちなのに、心地よく丁々発止のやり取りをするのが、羨ましく爽快。裏切られ、傷ついて、復讐という小説は数多あるが、自分が本当はどう生きたいかというところに気づいていく様が丁寧に描かれている。何かに囚われても袋小路に自分を追い込まず、出会いや時間の経過で、自分に気づけるカウンセリングのようでした。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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