また、同じ夢を見ていた

著者 :
  • 双葉社
3.89
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本棚登録 : 7306
感想 : 698
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239454

感想・レビュー・書評

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  • 3回泣いた。
    心にしみる言葉がいくつもあって…。

    タイトルの意味が後半に理解できてからは、
    本を読みながら
    自分なら幸せの定義をどう答えるだろうか?と、
    何度も考えさせられた。

    その答えは読む人の気持ちや状態によってそれぞれだろうけど、
    まずはそんな風に
    幸せにいついて考えるという行為が
    すごく意味のあることだと思った。
    中途半端にふつうの人生を歩んできたわたしの
    これから先の宿題。

    前作をまだ読んでないので、
    それもこの先の楽しみ。

  • 小学生の主人公・菜ノ花が幸せとは何か?を、「お友達」と一緒に考えながら、成長していく物語。少し、ファンタジーの要素もあり、読みやすいことは読みやすいけど、菜ノ花のように、小学生で「自分は賢い」と断言出来てしまったり、人生をプリンに喩えてしまうのは、ちょっと引いてしまうけど、全体的にふわふわしていて、軽い感じで読めて、最後にちゃんと幸せな気持ちになれるから、まだ2作目だけど、この作家さんは好き。

  • 住野よるさんの本の中で、私が初めて買ったものです。表紙で買ったけど、とても面白くて住野よるさんにハマるきっかけになりました。

  • 奈ノ花の『人生とは、、、』のとんちっぽい例えが大好き。少し変わった小学生という感じで可愛かった。
    本が好きで、本に向き合う気持ちはとても共感できた。
    国語の授業で出された『幸せとは何か』という話を軸に友達と呼ぶ本名を知らない3人の女性と一緒に放課後を過ごす。
    奈ノ花と南さんの掛け合いが面白くクスクス笑えた。
    最後の伏線回収が気持ちよく回収されていて素敵な読了感でした。また再読したい一冊です。

  • 年の離れた『友人』と共に幸せを探す本。題名のフレーズが本に出てきたのでまさか、と思ったら予想通り友人は主人公の未来の姿だった。彼女が行動を変えたことで南さん、アバズレさん、おばあさんは姿を消す(無い未来になったから)。南さんは両親に対して、アバズレさんは桐生くんに対してそれぞれ後悔を残している。桐生▶︎kill you,反対にしてliveは最後まで気づかなかった。同じ夢を繰り返し見ているってことは主人公は不思議な出来事を実際に経験したのかな。年齢的に名前の出てきた『彼女』も夢の彼女ではなさそう。
    人生とは、という物の例えが大喜利のようで納得するものばかりだった。学校の描写は辛かったけれどきっとこれからは大丈夫だったんだろうな。
    久々に住野よる読んだけど一気に読んでしまった。すごく透き通っていた。この本は真夜中みたいなものかな。大切な人に会いたくなる。

  • 幸せってなんだっけ?考え続けて答えを出す姿は美しい。

  • 住野よる 「また、同じ夢を見ていた」

    [著者のプロフィール]
     住野よるさんは、高校時代から執筆活動を開始している。「君の膵臓を食べたい」でデビュー。同作が第13回本屋大賞第2位に輝く。他の代表作品には「青くて痛くて脆い」がある。

    [概要]
     主人公の小柳奈ノ花は風変わりな小学生。気の強い部分があり、思ったことは口に出すタイプ。その性格ゆえか、クラスでは浮いている存在。自身も学校は嫌いで、賢くなるため、担任のひとみ先生に会えるために行っている。クラスに友達はいないが、学校外では4人の友達がいる。

     1人目は尻尾のちぎれた猫。名前は無い。出会いは、道端でうずくまっているところを発見し、助けたことだった。その時から、尻尾はちぎれていた。学校から帰ると、必ず家の周りをうろついている。出かける際は必ず彼女(猫)と一緒だ。

     2人目はアバズレさん。クリーム色の二階建てアパートに住むお姉さん。出会いは、尻尾のちぎれた猫を助けようとして、駆け込んだ家がアバズレさんのアパートだった。アバズレさんは猫の怪我の手当てをしてくれ、奈ノ花にもよくしてくれた。そこから友達になり、オセロをよくするようになった。ただ、アバズレさんはお昼過ぎに起きて、夜に仕事にいく。小学生の奈ノ花にとっては少し不思議な人である。

     3人目はおばあちゃん。ある日、散歩をしていると大きな木の家を見つけた。ノックをしてみると、出てきたのが笑顔の素敵なおばあちゃんだった。これが出会いだった。おばあちゃんは本に詳しく、よく本の話をする。それに美味しいお菓子も作ってくれる。

     4人目は南さん。女子高生である。尻尾のちぎれた猫と一緒に散歩をしている時に見つけた四角い石の箱のような建物で出会った。初めて南さんと出会ったとき、彼女は手首にカッターを押し当てていた。リストカットだ。南さんは事故で両親を亡くしてから、どこにも居場所がなくなったのだ。それと関係があるのかは分からないが、口調が少し乱暴である。ただ、物知りでいろんなことを教えてくれる。

     ある日、国語の授業で「幸せ」について考えることになった。自分が思い描く幸せとは何か?どんな時に幸せになるか?これを何週かにわたって考え、最終日に発表するというのだった。
     奈ノ花は「幸せ」について頭を悩まし、自身の納得のいく答えを見つけようとしていく。そしてこの「幸せ」を通して、奈ノ花が4人の友達に出会った理由も明らかになっていく。

    [感想]
     本書を通して、考えさせられるのは「幸せとは」です。皆さんも一度は考えたことがあると思います。ただ、その答えが出たでしょうか?大半の人が横に首を振るでしょう。その時、今まで身近にあったはずの「幸せ」が何故か遠くに感じるのです。人はよく「幸せ」と口にするけれど、その定義が曖昧なのです。ただ本書では、南さん、アバズレさん、おばあちゃん、そして奈ノ花の4人は「幸せ」の答えを見つけています。

     南さんの幸せは、「自分がここにいていいって、認めてもらえること」
     アバズレさんの幸せは、「誰かのことを真剣に考えられるということ」
     おばあちゃんの幸せは、「今、幸せだったって、言えるということ」
     奈ノ花の幸せは、「自分が嬉しく感じたり楽しく感じたり、大切な人を大事にしたり、自分のことを大事にしたり、そういった行動や言葉を、自分の意思で選べること」

     見て分かる通り、4人とも全く違います。ただ、1つだけ共通点があります。それは、全員「幸せ」を感じてから答えを出したということです。「幸せ」の定義を先に考え、それを追い求めることはしてません。つまり、「幸せ」になるために生きているのではなく、生きている途中で「幸せ」に気づいているのです。おそらく、4人とも「幸せ」について熟考したと思います。ただ、4人とも考え抜いた答えというよりは、答えに気づいたと思うのです。
     私がこの本を通して学んだのは「幸せ」は考えるものではなく、気づくものだということです。ですから、冒頭で本書を通して「幸せ」を考えさせられると言いましたが、これは誤りです。正しくは、「幸せ」に気づかせてくれる本です。

  • 私はこの本で夏休みの読書感想文を書きました。


    この本は奈ノ花が幸せについて学ぶ物語。




    この本には不思議がいっぱいあります。
    例えば奈ノ花はアバズレさんと南さんに名前を教えていないけど名前を呼ばれたり、突然消えてしまったり。

    何回も読み返して私が思ったことは、アバズレさんと南さんは、奈ノ花の未来の姿なのではないかということです。アバズレさんと南さんは過去で過ごした日々を悔やんでいます。そんなことにならないように奈ノ花に人生のアドバイスをしにきたのではないかなと思いました。
    おばあさんの絵、誰が描いたかわかったらこの本がますます好きになります!


    最後は「薔薇の下で。」住野さんらしいですね。この終わり大好きです。



    文が長くなってしまいました、ごめんなさい!(>人<;)
    読むことは簡単なのに全体を理解することが難しいこの本。さすが住野よるさんです!私はこの本を読むことを全力でおすすめします!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (๑❛ᴗ❛๑)

  • 主人公の女の子が、不思議な出会いから仲良くなった人達(主人公の友達)とのやり取りから「幸せとは何か」という難しいテーマについて、自分の答えを見つけ出していくというお話。自分の幸せが何なのか、それを見つけることにより、普段気づかなかった当たり前の幸せに気付くことが出来るのかな…と思いました。自分の幸せが何なのか、考えるきっかけになりました。

  • こまっしゃくれた女の子が可愛くて読み進めてたら、泣いた泣いた。不思議なはなし。

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著者プロフィール

高校時代より執筆活動を開始。デビュー作『君の膵臓をたべたい』がベストセラーとなり、2016年の本屋大賞第二位にランクイン。他の著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』『この気持ちもいつか忘れる』『腹を割ったら血が出るだけさ』がある。カニカマが好き。

「2023年 『麦本三歩の好きなもの 第二集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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