また、同じ夢を見ていた

著者 :
  • 双葉社
3.89
  • (565)
  • (716)
  • (494)
  • (112)
  • (17)
本棚登録 : 7252
感想 : 694
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239454

作品紹介・あらすじ

きっと誰にでも「やり直したい」ことがある。学校に友達がいない"私"が出会ったのは手首に傷がある"南さん"とても格好いい"アバズレさん"一人暮らしの"おばあちゃん"そして、尻尾の短い"彼女"だった-

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 小学生の小柳さんは、本をたくさん読み、同級生が幼稚にみえて、一緒に遊ばない強い心を持った女の子。同級生とは上手く行かないのに、怪我をした猫を助けるために知らない大人を頼ったり、気になった家に飛び込んで、おばあさんと仲良くなったりと行動的。リストカットを繰り返す女子高生とも交流が始まる。
    学校で出された「幸せとは何か」をそれぞれの人達と話しあって行く。最後に結論に達する。途中に何度も助けた猫と一緒に歌う「しーあわせっはー、あーるいーてこーないー、だーかーらーあーるいーていーくんだねー」が響いて来る。
    女子高生の南さんが消えた時に、違和感と行方が見えたような気がした。題名の「また、同じ夢を見ていた」が分かってくる。アバズレさんやおばあさんとの深い交流も結果的に・・?
    ハッピーエンドのような、そうでもないような。途中経過は色々あるかも知れないが、最後は幸せだったということなのだろう。

  • 一人の少女が様々な世代の「友達」との交流を通して成長する物語。
    その友達はそれぞれ異なる時期から登場した同一人物の設定かな。
    人生とは、幸せとはをじっくり見つめ直す良い機会になりました。
    僕が昔の自分に言葉をかけるならなんと言うだろう?

    「若い頃に無駄だと思ってやっていたことの全てが20年後には強みになる」かな?

    年齢を重ねないとわからないことってあるよね。

    良い物語でした。オススメ!

    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      hibuさん、こんにちは!

      私もこの作品、読んで良かったと思いました♪
      伏線が沢山散りばめられていて、気付かなければ気付かないし、気付けば...
      hibuさん、こんにちは!

      私もこの作品、読んで良かったと思いました♪
      伏線が沢山散りばめられていて、気付かなければ気付かないし、気付けばそういうことかと思うし、読み手によって感想は変わって来るかと思います

      歳を重ねないとわからない事だらけです
      今でもわからないこと、沢山ありますが。。。(^^;;
      2023/06/11
    • hibuさん
      ハッピーアワーさん、こんにちは!
      人生とは〇〇がクスッと笑えたり、考えさせられたり、全体としては軽やかな文体なんですが、娘に読ませたいなぁと...
      ハッピーアワーさん、こんにちは!
      人生とは〇〇がクスッと笑えたり、考えさせられたり、全体としては軽やかな文体なんですが、娘に読ませたいなぁと思いました^_^
      ホント歳を重ねてもわからないことだらけですよね〜。
      僕の知ってるオトナはもっと落ち着いていたけどなぁ…
      2023/06/11
  • 大好きな住野さんの作品で最初に読んだ作品。
    呼んだのはかなり前なのですが今でも好きな作品の1つです。
    とても真っ直ぐな女の子が主人公の物語です。

  • あぁ、今の気持ちをどう表現していいのか、
    不思議な愛おしさでいっぱい。

    自分は友達より賢いと思い込む、
    ちょっぴりナマイキな小学生、なっちゃんが主人公。

    毎日一緒に散歩する、しっぽのちぎれた彼女。
    夜のお仕事をしている、アバズレさん。
    屋上で待っていてくれる高校生、南さん。
    美味しいフィナンシェを作ってくれるおばあちゃん。
    もしかしたら、私も会っていたのかも…。

    大人になるということは、子供のころに見えていたものが見えなくなること。
    そんなふうに思ってました。
    でも、必ずしもそうではないんですよね。
    これからの出逢いの中にも、私にとっての南さんやアバズレさんやおばあちゃん、
    そしてしっぽのちぎれた彼女がいるのかもしれません。
    そう考えたら、どんな出逢いもおろそかにはしたくない。
    幸せな未来を、うっかり見落とさないように…。

    「しーあわせはーあるいーてこない。だーからあるいーていくんだねー♪」
    「ナーナー!」
    しっぽのちぎれた彼女と一緒に散歩して、
    幸せとは…、と思い巡らす心楽しい時間でした。

    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~♪

      毎日暑いね~。夏バテしてないかな?

      私も同じく『君の膵臓をたべたい』迷いつづけてる。
      最初、このタ...
      けいちゃん、こんばんは~♪

      毎日暑いね~。夏バテしてないかな?

      私も同じく『君の膵臓をたべたい』迷いつづけてる。
      最初、このタイトルにギョッとしたよね。
      ホラーかと思っちゃった…。
      泣けちゃう恋愛小説らしいね。

      両方読んだわけじゃないからわからないけど、
      読みやすいというか、この本の方が好みってレビューいくつかあったよ。

      最近、恋愛小説を読んでないなぁ…。
      たまには動悸じゃないドキドキも味わいたいものだわ、なんてね。うふふ。
      2016/08/08
    • ortieortieさん
      こんばんは。
      レビューが素敵でお邪魔させて頂きました。
      「不思議な愛おしさでいっぱい」
      の一言にとても惹かれました。
      そんな気持ちに...
      こんばんは。
      レビューが素敵でお邪魔させて頂きました。
      「不思議な愛おしさでいっぱい」
      の一言にとても惹かれました。
      そんな気持ちになる出逢いの本ってあるなって。ぜひ読んでみようと思います^ ^
      最近はもっぱら図書館なので(本が増えてしまったので)しばらく先になるとは思いますが、、、。
      素敵なレビューを見るとまだ見ぬ本の世界に思いを馳せて1人わくわくしてしまいます 笑
      ありがとうございました。
      2016/08/23
    • 杜のうさこさん
      ortieortieさん、こんばんは~♪

      こちらこそ、ありがとうございます。
      こんな拙い感想を「素敵」と言って下さって、
      とてもう...
      ortieortieさん、こんばんは~♪

      こちらこそ、ありがとうございます。
      こんな拙い感想を「素敵」と言って下さって、
      とてもうれしいです!

      「不思議な愛おしさでいっぱい」
      そうなんです。
      なんか夢をみていたような気分でした。

      実を言えば、私もこの本を読んだきっかけはブク友さんのレビューなんです。
      こんな風につながっていけるって、素敵なことですよね。

      本、増えますね。私も着々と増殖中です。(笑)
      そびえ立つ積読山に「ごめん…」とあやまりながら、
      書店やブックオフに出かけては、つい…。
      そのうえ、次から次へと図書館本を予約してしまい、返却日に追われるという…。
      でも好きなんだから仕方ないですよね~。(開き直り・笑)

      読み終えたら、また感想をきかせてくださいね!
      楽しみにしています♪
      2016/08/24
  • なっちゃんには放課後、野良猫と会いに行く相手がいた。
    彼女たちとの時間は、なっちゃんにとって大切だったが……。

    賢くて大人びているけれど、どこかずれもある。
    小学生のなっちゃんと、南さん、アバズレさん、おばあちゃんとのやりとりが児童書のような心地よさ。

    放課後の交流を通して、幸せについて考え、人間関係と向き合っていくなっちゃん。

    子どもたちそれぞれの正義の違いも、うまかった。

    それぞれの正体はすぐにわかるものの、独特の空気感が良かった。

  • 話題となった前作は読んだ事はなく、初めて著者の作品に手を取ったが、とても満足する読了感。
    あったかも知れない未来の可能性と向き合い、人生の先輩達に背中をおされて成長してゆく主人公の姿がとても良かった。ファンタジーでありながら、人生の哲学が綴られている。幸せとは何か。生きるとは何かを考えさせられる作品だった。

  • 同僚からのおススメです。
    とても不思議で素敵でおしゃれな作品でした。
    道徳ですかね。哲学的な見方も出来るかも知れませんが、そんなに深く考えずに、主人公の強さと真面目さに触れてみるのが良いかと思います。良作です。

  • 住野よるさん初読です

    もちろんブクログで特集を組んでたからです
    そして次は辻村深月さんを読む予定…
    どんだけブクログ大好きだよ!というね
    どんだけブクログ大好きアピールで『嫌われた監督』当選を引き寄せようとしてんだよ!というね(それは無理)

    すごい評価に悩みました
    悩むのも楽しいので悩ませて下さい
    ★2〜★4の間で
    なぜかというともの凄い読みづらかったからです
    途中何度も挫折しそうになるくらい
    とてもとても読みづらかったのです

    わかります
    恐らく主人公の女の子のかしこいけれどなんかめんどくさいところをめんどくさい文章で表現してるのであろうことは

    そして素晴らしく面白い物語でもありました
    設定もよく
    その設定も如何様でも想像を膨らませるられるような終わり方でした

    それでもこの読みづらさは自分は許容できませんでした
    なので★2
    でもお話し自体はほんとに面白かったんで次またなにか住野よるさん読みたい!

  • ちょっと生意気な小学生の私(小柳奈ノ花)は、大好きなひとみ先生から出された課題「幸せとは何か」について考える

    クラスには友達がいないがへっちゃら、だってカッコいいお姉さんのアバズレさん、いつもおいしいお菓子を用意して待っていてくれる一人暮らしのおばあちゃん、手首に傷がある高校生の南さん、尻尾の短い黒猫の"彼女"がいるから

    学校が終わると、"彼女"と一緒に、友達の家を順番に回っていく
    アバズレさん、おばあちゃん、南さんと交わす会話が、絶妙!
    シャレがきいていて、まるで禅問答のようだ

    「幸せとは誰かのことを真剣に考えられるということだ」
    というアバズレさんの言葉の意味を考え、成長していく私

    しかし、しかし、南さんが私の前から突然姿を消し、アバズレさんまでが、やがておばあちゃんまでが・・・
    まるで夢を見ていたかのように

    南さんやアバズレさんは、私の将来の姿なのか!
    警告のために私の前に現れたのか!
    back to the future かと思った

    ふわふわ綿菓子みたいな話だなとは思ったが、小生意気な私が妙に可愛く面白かったが、途中からこれってファンタジーだったの?と訳が分からなくなってしまった
    どうもこんな話は苦手だ

    今までの話は夢だったの?と読者を混乱させ、その夢から覚めたかのように大人に成長した私と桐生くんが現れたラストはステキだった

  • 昔、テレビか何かでみたものを、
    私はずっと信じている。
    寝ている間というのは、違うあちらの世界に出向いて
    向こうで作戦会議をしているんだと。

    まさか本の中で作戦会議を体感できるなんて…。

    小学生の奈ノ花が友達になる
    南さん、アバズレさん、おばあちゃん、
    そして尻尾のちぎれた彼女とともに考える
    幸せとは、人生とは…のお話。

    いい大人の年齢になってしまうと
    大真面目に誰かとこの2つのテーマは話し合わないから
    本の中でいろいろ考えてみる機会ができるのは
    ちょっと有り難かったりします。

    夢なのか現なのか、曖昧な世界だからこそ
    見ていたものの奥行きが透けてくる。
    私が生きていく時間、環境に変化があり続けても
    奈ノ花のように選び取っていきたい
    そう思わせる一冊です。

    表紙の尻尾のちぎれた彼女目当ての読書でしたが
    尻尾のちぎれた彼女は私の初代大親友猫ぴーと
    容姿がそっくりで…。
    (理由は違うけど尻尾がちぎれたところまで一緒)
    物語の中で私も奈ノ花と一緒に歌いながら
    ぴーと一緒に歩いているような幸せを感じました。

    もしかしたら、ぴーが本を引き寄せ
    作戦を一緒に考えてくれてるのかもしれませんね。
    この本は私だけの幸せの一つとさせてもらいます。

  • 住野よるの2作目。

    不覚にも中年の親父が思わず人前で泣きそうになってしまった。

    人生とは、難しい。
    強く生きすぎると周りと軋轢を起こしてしまう。
    孤独に生きたくても、人は一人では生きていけない。

    人生はプリンのようなものだ。
    カラメルのようなアクセントが必要なのだろう。

    自分にとっての「幸せ」を考えさせられる作品。

  • わざとなのかな。。?文章の書き方が幼い。。なんか軽い感じでスラスラ読んでしまった。なのかの真っ直ぐさが可愛くてほっこりした。幸せとは何か。。とりあえず私も深呼吸して心の隙間をあけよう‼︎

  • う一む、実は4年前に同じ本を単行本で読み、今回文庫本で読みました。

    4年前は読んだ積もりが流し読みになっていて内容を十分に理解できていませんでした。

    今回の読み直しでなる程と理解(した積もりか?)

    一周遅れのランナーのようですが、なる程、同じ夢を見ていた、か。

  • 小学生の小柳奈ノ花の語りで、綴る物語。彼女は学校には友だちはいないが、猫や高校生でものを書いている南さん、
    お菓子を作ってくれるあばあちゃん。夜の仕事をしているアバズレさんが相手してくれて、その会話が面白い。
    住野よるの作品は「君の膵臓をたべたい」に続いて二作目。
    十分住野色がでている作品。
    奈ノ花にかわいげがないのが、少し不満だなあ。子供って同類で仲良くなるんじゃないかな?一気に歳を取った女性と友だちになるのは、頭で考えることが多いから?

    ひとみ先生が国語の授業で幸せって何かを話し合います。と言って彼女も考え始める。

    集団心理は恐ろしい。
    漠然と、桐生君に対しての批判的な視線。彼女は桐生君の代理で言い返すが、桐生君に嫌われてしまう。

    クラスへ出て来なくなった、絵が上手な桐生君の家を訪ねて行く。一度目は会ってももらえない。ひとみ先生の助言を受けて桐生君の味方になろうとする。二度目に出掛けた時に、
    桐生君が、自分のせいで彼女が学校へ行かなくなるのは、いけないと部屋から出て来てくれる。

    この物語はいろいろな比喩が上手く会話の中で使われている。ちょっと住野さん的な物語りの特徴です。
    最後は「薔薇の下で」。

  • 素晴らしい作品に出会ってしまった。この作者さんは、きっと心が綺麗なんだろうな。と思える作品。
    幸せとは何か。これがテーマになっている。
    小さな女の子が不思議な出会いを通して成長していきます。その女の子の口癖、『人生とは、』に続く言葉が本当に素敵です。
    これを読んだ後はきっと心が綺麗になって、すこし優しくなっている。そんな作品です。

  • 頭が良い子供って、こんな感じなのかなって思いました。今回のお話は、なかなか主人公に感情移入できなくて読み終わってしまったので星三つです。作者様の文章選びとか登場人物の名前とかは好きなんですけど、作品によって主人公の思考回路が最後まで全然わからない場合があるので、人によって好き嫌いは分かれるのではないかと思います。でも買うのはやめられないくらい好きな場面とかもあるので、相性が合わなくてもハードカバーは買っておきたいと一度でも思った人は買った方がいいです。

  • ああ、そういうことだったんだと読み終えて納得。
    主人公が幸せとは何かという宿題で少しずつ答えを見つけていく過程が素敵だなと思いました。

  • 取りこぼしてはいけないような大事な言葉が沢山詰まっている物語だった。
    「幸せとは、何か?」明確な答えを見つけるのは難しい。人それぞれの幸せの形。一つとして同じ幸せはない。答え合わせもできないから自分で見つけるしかない。
    少女の「友人」は彼女の幸せを願い、会いに来てくれた。クラスの友達を馬鹿にし、不要と切り捨ててきた少女は「友人」さえいれば良かった。
    けれど、本当に味方が欲しかったのは自分なのだと気付き、少年に寄り添う場面が真っ直ぐで不器用だけど、とても強くて、気持ちが良かった。
    子供の世界は狭く、きっと息をするのも大変なこともあるだろう。その中で「幸せ」の形を探し出すのは、きっと楽しい事ばかりじゃないはず。けれど、きっと大人より本質的で混じりっ気のない、その子の「幸せ」が見つかる。子供の力は大人なんかより遥かにすごいから。

    幸せとは許されること、相手を思えること、幸せと言えること…どれも幸せの形。
    「僕の絵を好きだって言ってくれる友達が、隣の席に座っていることです」が一番好きかな。
    私の幸せは…と考えてしまう一冊。

  • 最初、読んだ時はあまり分からなかった本です。
    でも、やっぱり読みたくなって図書館で借りました。1回目とは、違う感動が味わえました。
    「しーあわーせはー、あーるいーてこーないー、だーからあーるいーていーくんだねー」のフレーズが好きです!私の大好きな一冊です。

  • 読み終わった時自分のなかに何か幸せなものがいっぱいに広がった。人生とは、幸せとは、答えを出すのは簡単じゃない。だけど、この物語は一緒に考えることの手助けをしてくれる。ここにいていいって認められること、誰かのことを考えられること、私は幸せだっていえること、それぞれに幸せがある。私の幸せはなんだろう。

  • 3回泣いた。
    心にしみる言葉がいくつもあって…。

    タイトルの意味が後半に理解できてからは、
    本を読みながら
    自分なら幸せの定義をどう答えるだろうか?と、
    何度も考えさせられた。

    その答えは読む人の気持ちや状態によってそれぞれだろうけど、
    まずはそんな風に
    幸せにいついて考えるという行為が
    すごく意味のあることだと思った。
    中途半端にふつうの人生を歩んできたわたしの
    これから先の宿題。

    前作をまだ読んでないので、
    それもこの先の楽しみ。

  • 小学生の主人公・菜ノ花が幸せとは何か?を、「お友達」と一緒に考えながら、成長していく物語。少し、ファンタジーの要素もあり、読みやすいことは読みやすいけど、菜ノ花のように、小学生で「自分は賢い」と断言出来てしまったり、人生をプリンに喩えてしまうのは、ちょっと引いてしまうけど、全体的にふわふわしていて、軽い感じで読めて、最後にちゃんと幸せな気持ちになれるから、まだ2作目だけど、この作家さんは好き。

  • 住野よるさんの本の中で、私が初めて買ったものです。表紙で買ったけど、とても面白くて住野よるさんにハマるきっかけになりました。

  • 奈ノ花の『人生とは、、、』のとんちっぽい例えが大好き。少し変わった小学生という感じで可愛かった。
    本が好きで、本に向き合う気持ちはとても共感できた。
    国語の授業で出された『幸せとは何か』という話を軸に友達と呼ぶ本名を知らない3人の女性と一緒に放課後を過ごす。
    奈ノ花と南さんの掛け合いが面白くクスクス笑えた。
    最後の伏線回収が気持ちよく回収されていて素敵な読了感でした。また再読したい一冊です。

  • 年の離れた『友人』と共に幸せを探す本。題名のフレーズが本に出てきたのでまさか、と思ったら予想通り友人は主人公の未来の姿だった。彼女が行動を変えたことで南さん、アバズレさん、おばあさんは姿を消す(無い未来になったから)。南さんは両親に対して、アバズレさんは桐生くんに対してそれぞれ後悔を残している。桐生▶︎kill you,反対にしてliveは最後まで気づかなかった。同じ夢を繰り返し見ているってことは主人公は不思議な出来事を実際に経験したのかな。年齢的に名前の出てきた『彼女』も夢の彼女ではなさそう。
    人生とは、という物の例えが大喜利のようで納得するものばかりだった。学校の描写は辛かったけれどきっとこれからは大丈夫だったんだろうな。
    久々に住野よる読んだけど一気に読んでしまった。すごく透き通っていた。この本は真夜中みたいなものかな。大切な人に会いたくなる。

  • 幸せってなんだっけ?考え続けて答えを出す姿は美しい。

  • 住野よる 「また、同じ夢を見ていた」

    [著者のプロフィール]
     住野よるさんは、高校時代から執筆活動を開始している。「君の膵臓を食べたい」でデビュー。同作が第13回本屋大賞第2位に輝く。他の代表作品には「青くて痛くて脆い」がある。

    [概要]
     主人公の小柳奈ノ花は風変わりな小学生。気の強い部分があり、思ったことは口に出すタイプ。その性格ゆえか、クラスでは浮いている存在。自身も学校は嫌いで、賢くなるため、担任のひとみ先生に会えるために行っている。クラスに友達はいないが、学校外では4人の友達がいる。

     1人目は尻尾のちぎれた猫。名前は無い。出会いは、道端でうずくまっているところを発見し、助けたことだった。その時から、尻尾はちぎれていた。学校から帰ると、必ず家の周りをうろついている。出かける際は必ず彼女(猫)と一緒だ。

     2人目はアバズレさん。クリーム色の二階建てアパートに住むお姉さん。出会いは、尻尾のちぎれた猫を助けようとして、駆け込んだ家がアバズレさんのアパートだった。アバズレさんは猫の怪我の手当てをしてくれ、奈ノ花にもよくしてくれた。そこから友達になり、オセロをよくするようになった。ただ、アバズレさんはお昼過ぎに起きて、夜に仕事にいく。小学生の奈ノ花にとっては少し不思議な人である。

     3人目はおばあちゃん。ある日、散歩をしていると大きな木の家を見つけた。ノックをしてみると、出てきたのが笑顔の素敵なおばあちゃんだった。これが出会いだった。おばあちゃんは本に詳しく、よく本の話をする。それに美味しいお菓子も作ってくれる。

     4人目は南さん。女子高生である。尻尾のちぎれた猫と一緒に散歩をしている時に見つけた四角い石の箱のような建物で出会った。初めて南さんと出会ったとき、彼女は手首にカッターを押し当てていた。リストカットだ。南さんは事故で両親を亡くしてから、どこにも居場所がなくなったのだ。それと関係があるのかは分からないが、口調が少し乱暴である。ただ、物知りでいろんなことを教えてくれる。

     ある日、国語の授業で「幸せ」について考えることになった。自分が思い描く幸せとは何か?どんな時に幸せになるか?これを何週かにわたって考え、最終日に発表するというのだった。
     奈ノ花は「幸せ」について頭を悩まし、自身の納得のいく答えを見つけようとしていく。そしてこの「幸せ」を通して、奈ノ花が4人の友達に出会った理由も明らかになっていく。

    [感想]
     本書を通して、考えさせられるのは「幸せとは」です。皆さんも一度は考えたことがあると思います。ただ、その答えが出たでしょうか?大半の人が横に首を振るでしょう。その時、今まで身近にあったはずの「幸せ」が何故か遠くに感じるのです。人はよく「幸せ」と口にするけれど、その定義が曖昧なのです。ただ本書では、南さん、アバズレさん、おばあちゃん、そして奈ノ花の4人は「幸せ」の答えを見つけています。

     南さんの幸せは、「自分がここにいていいって、認めてもらえること」
     アバズレさんの幸せは、「誰かのことを真剣に考えられるということ」
     おばあちゃんの幸せは、「今、幸せだったって、言えるということ」
     奈ノ花の幸せは、「自分が嬉しく感じたり楽しく感じたり、大切な人を大事にしたり、自分のことを大事にしたり、そういった行動や言葉を、自分の意思で選べること」

     見て分かる通り、4人とも全く違います。ただ、1つだけ共通点があります。それは、全員「幸せ」を感じてから答えを出したということです。「幸せ」の定義を先に考え、それを追い求めることはしてません。つまり、「幸せ」になるために生きているのではなく、生きている途中で「幸せ」に気づいているのです。おそらく、4人とも「幸せ」について熟考したと思います。ただ、4人とも考え抜いた答えというよりは、答えに気づいたと思うのです。
     私がこの本を通して学んだのは「幸せ」は考えるものではなく、気づくものだということです。ですから、冒頭で本書を通して「幸せ」を考えさせられると言いましたが、これは誤りです。正しくは、「幸せ」に気づかせてくれる本です。

  • 私はこの本で夏休みの読書感想文を書きました。


    この本は奈ノ花が幸せについて学ぶ物語。




    この本には不思議がいっぱいあります。
    例えば奈ノ花はアバズレさんと南さんに名前を教えていないけど名前を呼ばれたり、突然消えてしまったり。

    何回も読み返して私が思ったことは、アバズレさんと南さんは、奈ノ花の未来の姿なのではないかということです。アバズレさんと南さんは過去で過ごした日々を悔やんでいます。そんなことにならないように奈ノ花に人生のアドバイスをしにきたのではないかなと思いました。
    おばあさんの絵、誰が描いたかわかったらこの本がますます好きになります!


    最後は「薔薇の下で。」住野さんらしいですね。この終わり大好きです。



    文が長くなってしまいました、ごめんなさい!(>人<;)
    読むことは簡単なのに全体を理解することが難しいこの本。さすが住野よるさんです!私はこの本を読むことを全力でおすすめします!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (๑❛ᴗ❛๑)

  • 主人公の女の子が、不思議な出会いから仲良くなった人達(主人公の友達)とのやり取りから「幸せとは何か」という難しいテーマについて、自分の答えを見つけ出していくというお話。自分の幸せが何なのか、それを見つけることにより、普段気づかなかった当たり前の幸せに気付くことが出来るのかな…と思いました。自分の幸せが何なのか、考えるきっかけになりました。

  • こまっしゃくれた女の子が可愛くて読み進めてたら、泣いた泣いた。不思議なはなし。

全694件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

高校時代より執筆活動を開始。デビュー作『君の膵臓をたべたい』がベストセラーとなり、2016年の本屋大賞第二位にランクイン。他の著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』『この気持ちもいつか忘れる』『腹を割ったら血が出るだけさ』がある。カニカマが好き。

「2023年 『麦本三歩の好きなもの 第二集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

住野よるの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×