よるのばけもの

著者 :
  • 双葉社
3.37
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本棚登録 : 3826
感想 : 336
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575240078

感想・レビュー・書評

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  • 作品は素晴らしいです。でも後味の悪いスッキリしない終わりなので、星3つです。
    読み進めていてもずーーーっと気持ちが晴れない苦しいお話でした。
    何だろう?思春期そのものなのか、みんなと違って何がいけないのって言うのはここ最近のことであって、個性として捉えられる様になったのもつい最近のことでしょ?前へ習え右へ習えは学校教育の代物でしょうに。
    人はそれぞれみんな違うよ。当たり前じゃないの。でも、弾かれるんだよ。世間からも周りからも、身内からだって。理解しようとするって無駄なこともあるんだよね。
    作中の『難しいことはいい。生き延びなさい。大人になったらちょっとは自由になれる』うん。これに尽きる。

  • 中学校時代特有の何とも言えない嫌な雰囲気がすごく感じられた。
    昼の学校での自分と夜のばけものの自分、どちらが本当の自分なのか……最後がとても苦しかった。
    自分がもしこの作品の主人公の立場になったらどうしていたか読後考えて見た。いじめを止めたいと思う気持ちが強いのにそれを友達やクラス全員を敵に回して行動できるのか、しなくちゃいけないのに自信がなかった。
    ダメなことをダメだと同じ考えを持っている人に出会えている自分は恵まれていたのだと気づかされた。

  • 著者自身が100人この本を読んで好きと言ってくれるのは3人と評した作品。
    わたしは好きです、前作のまた同じ夢を見ていたよりもずっと響きました。
    テーマはいじめです。教室内のいじめ。
    伏線を回収できていないと言ってる方をたくさん見かけましたが、回収しなくていいと思った。誰がどんなことをしていたか、どんな気持ちでいるのかを想像するのは容易であり、事実は違うかもしれないけども。
    笠井みたいな男子が一番心に闇もってそうだよなー……
    ラストがあまりにも現実的。だけど久しぶりによく眠れたのなら胸のつっかえはとれたのかな、無言という加担者から被害者に変わるかもしれなくてもそれでも安達くんならきっと大丈夫であろうと信じたい。
    保健の先生の「難しいことはいい、生き延びなさい。大人になればちょっと自由になれる」が響く。わたしは幸いいじめられることもなかったし、いじめることもないような学校生活でしたが、傍観といういじめはしてたのかな、そんな大きないじめや嫌がらせはない環境ではあったけど当事者の気持ちはわからない。
    でも死を選ばず生きることを選ぶこと。そう、大人になったら1人でいてもいいんだし、合う友人が見つかるかもしれない。ほんと死を選ばないで生きてほしい、小中高生のみんなに読んでほしいですね。

  • 2020(R2)1/10-1/12

    苦しかった。
    とんでもないイジメをめぐる物語。
    イジメの形態がリアルすぎて。
    教師の「事なかれ感」がリアルすぎて。

    初めから「ばけもの」は存在するが、本当の「ばけもの」とは何なのか。終末に明らかになる。
    明らかになった瞬間から、物語が大きく動く。
    そして、ある意味「途中」で話が終わる。
    この後、どうなっていくんだろう?
    続きが知りたい。

  • 中学校内でのいじめをテーマにしたファンタジー。
    「僕は夜、ばけものになる」
    ばけものになるのは比喩かと思っていたけど、本当にばけものになる話だったとは…。

    クラスでいじめに遭っている女子生徒・矢野さん。
    昼間はいじめに我関せず、夜はなぜかバケモノの姿になる主人公・あっち―。
    宿題を忘れて夜にバケモノの姿で取りにいくと矢野さんとばったり遭遇。
    その日から、夜の1時間を矢野さんと学校で過ごすことに…。

    はっきり言ってくどかった。
    全く面白くないわけじゃないけど、腑に落ちない点がいくつもある。
    読者に投げっぱなしで説明不足、なのに主人公の心理描写がいちいちくどい。
    目の前でいじめられてるクラスメイトがいるのに無視しちゃいかん。っていうメッセージ性が強すぎるのかな。
    誰だっていじめられたくないから、ずれないようにうまく立ち回るのは防衛本能だしねぇ。
    最後のあっちーの行動によって、笠井がどう動くか気になる。
    あっちーを助ける?見捨てる?それとも違う誰かを標的に仕立て上げる?

    これも前作同様、読むタイミングを間違えたかしら。
    中高校生向き?
    人気作家だし評価高いので読んでみたけど、住野よるさん苦手かもしれない。
    デビュー作の「君の膵臓を食べたい」を読み終えてから今後も読むか考えよう。

    • 遠藤さん
      こんにちは。かなり前の投稿に今更失礼します。
      ご迷惑でしたらどうぞ無視してください。


      先日この本を読み終わり同じような感想を持ちました。...
      こんにちは。かなり前の投稿に今更失礼します。
      ご迷惑でしたらどうぞ無視してください。


      先日この本を読み終わり同じような感想を持ちました。この本は具体的なメッセージが掴みにくいというか単純というかで小・中学生くらいの時に読んでいたら面白かったのかなぁと思いました。


      ところで住野よる先生の作品は面白いです。
      『君の膵臓をたべたい』はもうとっくにお読みになったのでしようか?
      個人的には住野よる先生の作品の中で一番面白いと思います。と言っても3作品しか読んでいませんが…笑

      好き嫌いにどうこう言うつもりは毛頭ありませんが是非おススメしたいのが『また同じ夢を見ていた』です。
      こちらはキャラもユニークで所々クスッと笑ってしまうようなセリフも出てきて内容も面白いです。
      もし、もう読み終わっているようでしたら申し訳ありません。



      長々と失礼しました。

      2019/03/28
  • 結構、難しい中学生の仲間意識が主題かな?
    「問題は、クラス全体が、先週金曜日の空気をどれくらい引きずっているかだ。そこをきちんと感じ取っていかなければならない。でなければ、あっという間にずれた側になってしまう。すぐに仲間意識の外にはじき出されてしまう。中と外なんて、昼と夜くらい入れ替わるのはあっというまだろうに、人間と化け物くらい、違ってしまう。」196項

    住野さんは、「君の膵臓をたべたい」でも、「また、おなじ夢をみていた」でも何か共通して、当事者とその背後の背景となる意識の闇を描いている気がします。

  • あれ、もうページあんまりないけど、あれもこれも説明しきれてないけど、ホントに収まるの?
    って思ってたら、説明なかった。
    なんで矢野さんは緑川さんにあんなことしたのか、笠井くんって実際どうなのか、窓割ったのは誰?
    ラストだって、これから安藤くんにはえぐい日々が待ち受けてるんだけど、覚悟決めて突入した!って盛り上がることもなく。
    でも読後感は悪くない。住野よる、また読もう。

  • いじめがテーマのおはなし。終始重苦しい。読むのが遅いと辛い。

  • 夜になるとばけものになるなんて、とりとめのない物語ですが、心の柔らかいスキマにスゥーっと入ってくるような、そんな作品です。

  • 夜になると化け物に変身する少年・安達と、彼のクラスメイトで周囲からいじめを受けている少女・矢野の交流。

    クラスの空気を読んでその他大勢であり続けようとする少年と真夜中の化け物、どちらが本当の彼なのか。

    どうして思春期の教室は、地雷原と化してしまうのだろう?

    人の弱さと強さ・・・逃げ切って、早く大人になったもん勝ち、なのかな~。。。

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著者プロフィール

高校時代より執筆活動を開始。デビュー作『君の膵臓をたべたい』がベストセラーとなり、2016年の本屋大賞第二位にランクイン。他の著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』『この気持ちもいつか忘れる』『腹を割ったら血が出るだけさ』がある。カニカマが好き。

「2023年 『麦本三歩の好きなもの 第二集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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