図書室のピーナッツ

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 647
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575240214

感想・レビュー・書評

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  • 主人公は『図書室のキリギリス』で県立直原高校の図書室に事務職で中途採用された、勤続二年目に入った高良詩織32歳です。

    詩織には離婚歴があり、また物に込められた想いを読み取る超能力を持っています。

    そんな詩織と市立図書館の司書の山村さん。若森先生。図書委員の生徒や、図書室が大好きな生徒たちのおりなす、ビブリオミステリーです。

    第一話のサンタクロースの証明では『サンタクロースっているんでしょうか?』という本。
    第二話のハイブリッドの小原庄助は、小原庄助の出身地が生徒たちの間で議論されます。
    第三話ロゼッタストーンの伝言板では、ミュージシャンの小沢健二の『うさぎ』という本が話題の中心です。
    第四話ピーナッツの書架整理では、村上春樹の『1973年のピンボール』からスヌーピーの『PENUT』へと話題が広がります。
    そして「幸せとは暖かい仲間」ということばから「Happineess Is A Warm Puppy」という台詞「スヌーピーのしあわせなあったかい子犬」へと繋がり、最後は山村さんに詩織はその本をプレゼントにもらうことになります。
    生徒たちは図書室ノートを作って回し始め、他にもたくさんの本が登場します。

    続編があるようですが、山村さんと詩織の仲も気になるところです。

  • 読書の楽しみの一つに一冊の本が次の本へと繋がっていく事にある。本書にも沢山の本が登場してくる。その本すべてを手にすることは難しいだろうが、リストアップされた本の中から次の楽しみを得ることができて嬉しい。
     昔、「マチルダはちいさな大天才」ロアルド・ダール著の中に挙げられた本を読破しようとした事を思い出しながら、本が本を呼ぶ喜びをふたたび感じた。

  • 図書室とキリギリスの続編。
    作者である竹内真さんは沢山の本を作品の中に登場させたくて書かれたそうです。
    資格のないなんちゃって司書の詩織が学校の図書室を訪れる生徒といくつかの本を謎解きをしてそれにまつわる本も沢山出てきます。読んでいて楽しいし、感動して泣いてしまったり。 この中に登場するピーナッツを本屋で偶然見かけた時はちょっと感動して中を確認してしまいました。
    読みたい本が沢山増えました。

  • 高校の図書室、図書委員だったけど、思ったより活用していなかったなあと反省………。

    これ程までに図書室を愛していたら、私の読書人生も違ったものになっていただろうなあ。

    詩織ほどに仕事に向き合うことが出来たら、それも幸せだね!

    『図書室のピーナッツ』だけで、どれだけの参考文献が出てくるんだろう?と言うくらい、いろんな本がぎゅっと詰まった1冊です。

    次作も楽しみです。

  • 凄く主人公の詩織に共感しながら読んでました。私も資格は持ってないんですが、図書館で働いたことがあります。何も知識ないまま飛び込んだので、毎日が勉強だったし、利用者さんの方が知ってるんではないか?と思うぐらいダメな職員でした(笑)本の中にあるようにレファレンスが私も大の苦手。毎回全力を尽くすんですが、“この対応で良かったのか…”や“他の人ならもっと上手に対応出来たのではないのか”と落ち込む事もしばしば。だから、詩織の迷う気持ちとかちょっとした悔しい気持ちも共感出来ました。
    また、この体験から詩織は司書資格を取ろうと行動した事に尊敬しました。自分も調べて取ってみたいと調べたんですが…色んな理由で今は見送ろうと自分自身にストップをかけてしまったからです。今までの彼女の性格から行くと行動を起こしそうにないのに、スグ動くフットワークの良さに感心しっぱなしでしたw
    学校司書として悩みながら成長している詩織が大好きになりました。恋の行方も気になってます!

  • 今回も大変勉強になりました。
    小原庄助さんの話は知らなかったな~っていうか知らない人の方が多いよね。
    ここの高校の子達って賢い。
    着眼点が凄い。私じゃついていけない。
    現実にもこんな子達はいるのかしら。きっといるんだろうね。
    それに相変わらず詩織さんは真面目だわ。
    市立図書館の人といい感じになっても、きちんとし過ぎ(笑)そこがいいんでしょうね。

    字のないラブレターっていいですね。

  • シリーズ2作目。
    司書の資格を持たずに、教員である友人に勧められるままに学校司書の仕事に就いた、高良詩織。
    1作目は、学校の図書室で司書はどんな仕事をするのか、前任者の作ったていねいな手引書を頼りに手探りで、薄闇の中を進むような感じだった。
    本作では、本格的に司書の勉強も始め、今までの間違いに気付いたりもする。

    図書館常連の生徒たちも、卒業したり、新入生が来たりとメンバーの入れ替わりがある。
    そんな中でも、去年からの在校生が「先輩」となって後輩を導いている成長がうれしい。
    詩織にも、まわりを眺めるゆとりと、司書としての仕事を楽しむ気持ちも生まれた。
    『去年蒔いた種がこの春どんな花を咲かせるのか今から楽しみ』
    何かとアドバイスをもらい、司書の先輩として頼りにしてきた、市立図書館の山村とも、ごはんを食べたり、本の話がはずむ。

    個人的に、小枝歩乃佳ちゃんの調査能力に大注目!
    将来は、詩織よりも頼もしい『図書館探偵』になりそう!

    第一話 サンタクロースの証明
    詩織の特殊能力について観察されていた?!
    「サンタクロースがいた」という新聞記事について調べる事になる。
    「ある」ことを証明することと、「ない」ことを裏付けること。

    第二話 ハイブリッドの小原庄助
    小枝さんは会津で、大隈くんは白河で、それぞれ「小原庄助の墓」を見たという。
    どちらが本物か言い合いになるが、詩織は、それぞれの説を調べて行って検討してはどうかと提案する。
    雑誌記事でも書けそうな、二人の調査能力がすごい。
    良きライバル以上の発展はある?

    第三話 ロゼッタストーンの伝言板
    詩織といっしょに、図書館というものについて学んでいる気分になる。
    今年もオリエンテーションで、一年生が二人、話題を提供。
    「『図書館ノート』を置いてほしい」というのと、「小沢健二の『うさぎ!』っていう本を学校予算で買って!」という希望。
    ここから、詩織も生徒も「図書館の利用の仕方」について学ぶことになる。

    第四話 ピーナッツの書架整理
    ピーナッツ、PEANUTS、その意味さまざま。
    スヌーピーで有名な英語の漫画と、村上春樹の小説。
    こういった「謎解き」は他の作品にもあるけれど、学校図書室が舞台だと「調べ学習」という言葉で置き換えたくなる。
    みんなの持ち寄る情報とひらめきの一つ一つの小さなピースが合わさって、パズルが完成する喜びがある。

  • なぜピーナッツなのかと思ってたけど、納得。
    みんなすごいなー。そして楽しそう。高校時代の図書館、絶対にこんなじゃなかったと思う。うらやましい。
    こうやってだた一人で読んで感想書いててそれはそれで自己満足的なところなんだけど、読んだ本のことを分かち合う人がいるっていいなあ。

  • 学校図書館の司書(資格なし)が主人公、2作目。
    実際の書籍や雑誌がたくさん登場するので、知ってる本が出てくるとテンション上がる。(小澤昔ばなし研究所の「子どもと昔話」とか、中村妙子の翻訳とか)
    1作目は無資格で職について迷いつつも仕事の楽しさに気がついていくのが面白かった。同時に学校司書ってこんな仕事なのか、と興味深く読んだ。
    今回は親しい生徒も出来て、司書としてどうしたらいいか、と悩みつつも前向きに取り組んでいく。
    連載作品だったみたいで、一章ごとに1つのテーマを解決?していく形式。
    実際の現場ではもっと色々苦労があるのかもしれないけど、図書館のひとつの理想の形が書かれていると思う。続編もありそうな終わり方なので、続きも読みたいな。

  • 高校の学校司書が主人公のお話。 第2弾 
    今回は、サンタクロース。小原庄助。スヌーピーのエピソード。 
    今回も謎解きもあり面白い 高校生の立ち振る舞いも初々しい。 
    主人公と市立図書館の司書との恋の予感もあり この先が楽しみです。 

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