田母神塾―これが誇りある日本の教科書だ

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 208
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575301106

作品紹介・あらすじ

統合幕僚学校での講義を再現!自衛隊の上級幹部は「この授業」を受けていた!田母神塾頭による歴史・政治・国防の授業、開講!「憲法9条改正私案」を掲載。

感想・レビュー・書評

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  • 航空幕僚長を解任された著者が、誤った歴史観教育、政治家の功罪、そして国防に関する持論まで展開する1冊。
    過剰な自虐史観、それに基づく政治家の行動。”国防”のあるべき姿。考えさせられる1冊だった。話としては面白かった。都知事選に出るそうで…。

  • Fri, 21 Aug 2009

    「こんにちは「危険人物」の田母神です」
    が,持ちネタとなっている,今やお茶の間のアイドル(?)
    某APAホテルの懸賞論文問題で辞任させられた元航空幕僚長田母神氏の著作

    テーマ毎に様々な点でマスコミ,戦後教育,自虐観の中で,現代日本人が がとても流したがらない「保守の言論」をズバズバ言う.

    基本的に少数派であれど理屈の通った言論の好きな私としては,軽快で面白かったし,重要だと思った.

    更迭された田母神氏であるが,その後,腐らず,「言論」による活動をつづけている.
    この前「たかじんのそこまでいって委員会」に出演されていて初めて拝見したのだが,
    すごく面白く,言論も明快だったので,興味をもって著作を読んでみた.
    ちなみに,

    09/08/06の広島原爆記念日には広島で 左翼デモが禁止を訴えうる中
    ヒロシマの平和を疑う 講演会を開催している.
    これもスゴク面白い. youtubeにアップされているので 田母神 講演会 くらいで検索してみてほしい.

    田母神氏のいう
    「戦後日本に言論の自由は無かった」
    というのは見事な指摘であった.

    あまり,右傾しすぎてもイカンのだが,日本人,「なんにも考えていない」とデフォルトで教科書,マスコミ等の影響で,知らぬ間に左傾化している可能性があるので,療法の考えにも耳を傾けて,自分の頭で考えるようにしよう.

    ときどき耳にする「議論する事すら許さない」という論調には,大学人としては危機と寒気を感じるのである.

    平和な社会を作るにあたって,一番怖いのは,軍隊保持でも核兵器保持でもない.

    「言論の弾圧」「空気の支配」に負けたみんなの「思考停止」による全体主義化なのだということを再認識したい.

    メモ(そのページで大体いってることと,ボクの感想まぜこぜ)

    戦前の植民地政策は,西洋列強のいう植民地と,日本の台湾,朝鮮半島支配では大きな差が・・・・.日本の東洋支配は独特なのだ.p40

    石破茂 は 自衛官も「自由に言論しろ」といって 田母神さんが自由に言論したら更迭した. ハメ技じゃねーかってはなし.p110

    沖縄反戦地主の過半数は,沖縄と関係の無い人たち.反対運動をするために,わざわざ土地を取得している.最悪のケースは76人で名刺一枚くらいのサイズの土地を共有して,米軍基地に土地をとられた「反戦地主」として活動している.p142

    「教育勅語」は普通のことしか言ってない.おじいちゃんを尊敬して,立派な人間になろうって話. これを 戦前教育の悪の権化のようにいって,年上と国,コミュニティを敬わない自虐的個人主義戦後教育は何処に向う・・・ p149

  • 確かに冷静に考えてみると、我々は国防に関する教育を受けていないし認識も甘すぎる。だから自衛隊という国を守る組織を普通に見ることができない。しかも組織を動かすトップが平気で組織を批判する。まずこの矛盾に正面から向き合うべきであることをこの本は教えてくれている。

  • 面白かったけど、冷静でない物言いに感じるところがちょっと。

  • 1.歴史の時間
    大体が知っていることだったけど、知らない人も意外に多い。義務教育の歴史教育の問題かな。で、それは戦勝国によって作られた、歪んだものである、と。
    2.政治の時間
    左傾化には懸念を抱いていますが、かといって、何でも保守に寄りすぎるのもどうか、と思う。政治と経済はつながっているものの、分野によって、必要な方針は違ってくる、と思う。
    3.国防の時間
    反日国家に囲まれた状態になっている中で、今のままではじっくりと実効支配が進められていく懸念があるので、ここにある主張には賛成。

  • 歴史は戦勝国がつくるものですが、なかなかその詳細を理解している日本人はいないように思います。
    正しい歴史感をもち、行動することで日本は発展していくとおもいます。

  • 両極端をしることにより正道を歩める

  •  著者の書いた懸賞論文というのも当時読んで見ましたが、それよりはこちらの方がずっと主張が分かりやすい。確かにと納得できる部分もあれば、論理の飛躍に思えるところもある。
     しかし、タブーとして議論しないというのは真っ当なやり方ではないので、議論した上で、正しいかどうかを判断するプロセスが必要になるだろうと思う。

     空幕長解任については言論統制するわけにもいかないのだから問題発言するかもしれない人を任官した政府に責任があると思うし、真っ当な主張だと思える意見もあるのだけれど、全面的に賛同する気になれないのはなぜだろう。
     教育勅語・修身を復活させろという意見については、100年以上も昔に明治政府が決めたことを持ち出すんだろう、と思うし、会社が株主のものではないという意見については、少なくとも上場株式会社の所有権を株主に与えないと日本が海外に投資している資本も回収できなくなるかもしれないよ、と思う。殊、軍事に関しては現代的な感覚を示すのに、政治・経済に関することになると懐古趣味が感じられることが嫌なのだと思う。こっちはこれからあんたらが作って来た負債を返さないと世界の中で再浮上も出来ないのに、何をいまさら偉そうに、とも思うのかもしれない。まあこれは著者だけに責任のあることではないけれどね。

     本書は歴史、政治、国防の三部構成になっている。歴史についてはどこかからの受け売りで、戦史に興味を持っている人なら既に知っていることばかり、政治についてはここ30年くらいの首相批判をしているだけ、という感じなのであまり面白くもないのだけれど、国防については自分の言葉で語っている印象を受けるので、読んでいてなるほどと感じることも多い。やはり経験に基づいて語られる言葉はそれなりの価値があると思う。
     歴史認識についてはお説ごもっともという感じだけれど、所詮歴史は勝者によって作られるものなので、あんまりそこにこだわってもどうかなあ、と思う。だって、広島・長崎に原爆を落とし、東京や各都市に焼夷弾をばら撒いて民間人を虐殺したアメリカが、堂々と世界のリーダー面しているんだよ?それを見て育った若い世代が、60年以上前の戦争を本気で引きずっていると思うのかな。限定的な選択肢の中で、もっとも合理的な判断をしているだけだと思うのだけれど。大体ボクなんか、高校までの歴史の授業が第二次大戦期まで進んだことないし。大概、旧石器時代とかどうでも良い時代の話に時間をかけすぎて後が詰まっちゃうんだよね。

     結局、著者の考えるような日本にするためには、これからどういう日本にしていくか、という議論が必要だと思う。仮に、アメリカの51番目の州でも良いや、と思う人が国民全員であれば、別に日本が核武装をする必要はなくなる。でも、それは絶対嫌だ、日本の存在感を出していくんだ、と思えば、(1)武力戦・(2)情報戦・(3)経済戦のどれかで一番を目指さなくてはいけないだろう。
     (1)なら核武装を目指すし、(2)なら国際機関を日本に誘致する、(3)なら金融の中枢を担う、などそれぞれ方向性が異なる。著者は軍事の専門家だから(1)か(2)を目指すだろうけれど、それ以外の選択肢も考慮してあるべき姿を考えなくてはならない。そして、これが既存のプロセスの枠内で行われることが、面倒ではあるけれど、民主主義の前提だと思う。

     政治の講義で、政権投げ出しの事例として安倍晋三元首相ではなく、細川護煕元首相を挙げているのが印象的。本書の中で彼だけは批判されていないね。なぜだろう?著者を空幕長に任命した首相だからかな?

  • 戦後日本人に植え付けられた自虐史観を批判し、どの国でもそうであるように「私たちの国はいい国だ」と教育すべしであるという著者の主張は、いつでも明快であり、本書においても変わりがない。

    外交は軍事力に裏打ちされたものであり、いつでも国どうしの駆け引きは腹黒いもの。日本も外交の場においてきちんと発言力を持つためには、自国を愛することがあたりまえになれる教育の実践がまず必要である。本書ではそれが不可能になっていった経緯と事実が記述され、さらにどうすれば日本が「あたりまえ」の国になれるか、その方向を著者の元航空自衛隊トップとしての立場から模索している。

    本書の歴史認識についての記述は異論あるところだと思う。特に開戦時の意思決定プロセスについての考察は関東軍主導ではなく近衛総理の、つまりは文官による主導・決定において進んだと「どちらかの責任」という構図で議論することは、少々強弁に過ぎるかという感がある。ただし、著者は自衛隊の最高幹部であった人物であることを鑑みれば、リーダーとして、「過去、我々の先輩はならず者の集まりだった」などと述べることは好ましいことではないことは、本書中で著者が繰り返し述べる「リーダー論」からも窺えるところである。

    信念を貫き通す著者の姿勢からは、「日本男児かくあるべし」といった呼びかけが聞こえてくるようだ。

  • 塾長!ついていきます。

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著者プロフィール

第29代航空幕僚長

「2015年 『田母神「自衛隊問答」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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