二度寝で番茶

著者 :
  • 双葉社
3.74
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本棚登録 : 628
感想 : 73
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575302547

作品紹介・あらすじ

多くの女性の心をわしづかみにした、ドラマ「すいか」(向田邦子賞受賞)の放送から7年。その後も、観る者の胸に深く訴えかける作品を生みだし続けているのが、夫婦で共同執筆している脚本家・木皿泉です。家族、愛、自由、幸せ、孤独、個性、笑い、お金、創作、生きること死ぬこと…について、二人が思う存分語りあいます。木皿ドラマは、どうしてこんなにも私たちを惹きつけるのか-。二人の言葉には、その秘密が隠されています。

感想・レビュー・書評

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  • 力の抜けた生き方にインテリジェンスと哲学をみた。
    完璧を求めないところが好き。
    結論をださないことが答えになっている。
    完璧なものよりも、どこか欠けているほうが人間らしくて面白い。

    だから星も4つにしておこう!

  • 夫婦二人で一つの脚本家 木皿泉さんのぷぷぷな二人の4年がかりの対談。やはり兵庫生まれの二人だからか時にシュールに時にユーモラスに世相を切っているけど秀逸なユーモアセンスで嫌味が無い。かたやおっとり呑気な夫とかたや勝ち気でせっかちな五つ下のオクサンの二人。さりげない会話だが中身は奥深過ぎる!素敵な作品を生み出してる作者の素顔や性格などが知れてとても良かった♪私には星五つです!

  • 元々なかったものなんだから、それを維持したり使いこなしたりするのは、相当みんなが努力しないとダメだと思うんだよね。
    核家族なんてほんとに最近できたもんなんだから。誰かがつくったものなんだから、どーしてもイヤだったら、捨ててもかまわないって。

    口では説明しにくいんですけど、人とおしゃべりした後に、あー楽しかったとか、何か元気出たなぁとか、ほんわかしたなぁとか、あるじゃないですか。話した内容は忘れたけれど、なんか良かったなぁ、またあの人に会いたいなぁとか思うこと。そういうイメージを残すようなドラマを書きたいんですよね。

  • 彼らが描くドラマに心ひかれるのは、そこにいつも「問い」があるからだと思う。
    さまざまなキーワードが散りばめられたストーリー。その中に横たわっているのは、「生きていくってどういうことなんだろう?」という問いだ。
    人の汚いところも、きれいなところも、「もうそういうの見ないフリしておけばいいじゃん」と流してしまうことも、どうしてかなあ、どうしてかなあ、とまっすぐに向き合う。
    そして、問題を投げるだけ投げて突き放すのでもなく、「これが正解なんだよ」と傲慢に押しつけるのでもなく、「こういうことかもしれないね」とささやかなヒントを残してくれる。「一生懸命考えてみたけれど、よく分からなかったけど、たぶん、こういうことかもしれないね」と。

  • 木皿ファンじゃなくても頷くことが多くて楽しく読めるエッセイだと思う。かっぱさんと大福ちゃんなんて呼び方がほのぼのしていてカワイイし、ちょいちょい付箋つけたくなる会話があるし。

    本著の中の会話が「Q10」で場面とセリフになっているのに気付いた時は驚いたとの同時に嬉しかった。
    ドラマ「野ブタ。をプロデュース」「すいか」でも(セクロボは未観)ああ、そうか、と発見したり納得したり、それはアタシのこと?と思ったり、ドラマの登場人物が思って言うモノローグやセリフは、本当にこの木皿夫婦の暮らしから生まれてくるんだと思えた。
    会話、本、音楽、歌、映画、詩、落語などに囲まれた暮らし。
    創作はゼロからじゃないのは分かっていたけれど。
    作りモノじゃない創りモノ。気取りなくそう教えてくれた良著。

    • 円軌道の外さん
      フォロー感謝感激です!木皿夫婦の書く脚本は普遍的なことを描いているけど、さり気ない言葉が沁みますよね(≧∇≦)「野ブタ。」や「Q10」は毎週...
      フォロー感謝感激です!木皿夫婦の書く脚本は普遍的なことを描いているけど、さり気ない言葉が沁みますよね(≧∇≦)「野ブタ。」や「Q10」は毎週欠かさず観てました♪
      2011/12/26
  • あの素敵なドラマの脚本を書く人はどんななんだろう、と興味がわいて読んでいます。

  • 「すいか」でお馴染の脚本家コンビ木皿泉の夫婦対談。

    本当は★★★★なのだろうけれど、いかんせん、読む時期が遅すぎた。
    出版こそ2010年10月だけれど、初出は2006年10月から2010年の1月まで。
    ご本人たちも「あとがき」で「あらためて時間が経った」「この数年で、価値がんがずいぶん変わりました」とおっしゃる。
    3.11前ならいざ知らず……
    たぶん、その前に読んでいたら、もっと言葉が新鮮に響いたはず。
    今は何だか当たり前のことを言っているだけに思える。
    本としての面白さは落ちたけれど、もしかしたら、世の中が木皿泉ワールドに近づいたのではないだろうか?
    「すいか」や「セクシーヴォイスアンドロボ」の感覚に近づいたのだとしたら、それはそれで良いんじゃないか。
    そんなことをつらつら考えた。

  • 「すいか」好きは必読、そして納得。わたしにとって、哲学本。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「すいか」好きは必読」
      聞いたコトがある名だと思ったら、「すいか」の脚本家さん!コレは読まねば。。。
      「「すいか」好きは必読」
      聞いたコトがある名だと思ったら、「すいか」の脚本家さん!コレは読まねば。。。
      2012/12/20
  • 木皿さんの脚本ドラマがどれも好きなので、一体どんな人たちなのだろうととても楽しみにしてました。ドラマも胸に響く言葉が多かったですが、夫婦2人のやり取りも、やっぱりそんな言葉が沢山散りばめられていました。ドラマにもこんな言葉があったなぁって思うところがところどころにあって、ちょっと嬉しくなったりしました。

  • ドラマ「すいか」の世界観がツボな人に。
    私も例にもれず、お二人の会話が面白くて深くて、
    ずっと聞いて(読んで)いたい、妙な心地よさに浸れました。

    いろいろなことをテーマに会話が進むのですが、
    「普通」をよく語っているところにそもそもの本質を突いているんですよね、これが。
    「普通」の人々の考えていることって面白い、自分も「普通」のわけだけど、それは「普通」でいたいということなのか?「普通」ってそもそも何!?とか、いろいろ考えてしまいました。

    私にとってはニーチェもびっくりの「哲学」が感じられたなぁ。(Y)

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著者プロフィール

夫婦脚本家。ドラマ「すいか」で向田邦子賞、「Q10」「しあわせのカタチ~脚本家・木皿泉 創作の“世界”」で2年連続ギャラクシー賞優秀賞。他に「野ブタ。をプロデュース」等。著書『二度寝で番茶』など。

「2020年 『さざなみのよる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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