本棚探偵最後の挨拶

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 109
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575306262

感想・レビュー・書評

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  • ああっ!本棚探偵の新作が出てる! 新刊案内で見つけて思わず声が出た。税込みで3024円かあ。つい最近「山口晃大画面画集」4104円を買ったばかりなのよ。これは一年以上買うかどうか迷ったあげく、結局どうしても欲しくなってわざわざ消費税が上がってから購入。バカだ。でもいいの!すごーく楽しんでるから。本棚探偵も面白いのはわかってる。あの造本をいつまでも無視できないのもわかってる。これはもう買うしかないでしょ! 泣き笑いしつつポチッ。

    これはラベンダー色っていうのかな、函や表紙の色合いが実に良い。ツルツルしていない手触りも懐かしい感じ。ああ、本っていいなあ。もううっとり。

    で、その渋い美しさを持つ本の中味は、バカバカしくて、くだらなくて、ほんとにもう!なのだ。この内容をこういう作りの本に仕上げるところが、このシリーズの素晴らしさ。古本者の面々もすっかりおなじみになったが、相変わらず笑わせてくれる。

    一人前の大人として自分で稼いだお金を、本当に好きなことのために使う。これぞ大人になる醍醐味だ。本棚探偵を読むといつもそう思う。

  • 本や古本が好きで、かつミステリ好きなら楽しく読めちゃうエッセイ集。あのキクニだから、昔もよくマンガは良く読んでいた。これはシリーズ四作目になるけど、初期のころの古本業界に足を入れた直後のテンションの高さが、だいぶ落ち着いてしまっているのが、残念です。

  • 本まみれのエッセイ。シリーズ(一応)最終巻。
    ほぼスカのものしか入ってないであろう炎天下のコンテナを渉猟する「真夏のコンテナ」
    少年探偵団の小林少年と同じように本棚に擬態する「四十二年後からの使者」
    文字通り本に埋もれた日下三蔵邸での年末恒例大片づけの顛末「ゴジラ対キングギドラ」「エイリアン対プレデター」「グレートマジンガー対ゲッターロボ」
    いずれ劣らぬ書痴の日常が楽しめる。
    読みながら(←黄泉ながらって変換するうちのPC大丈夫か)
    「3分の1くらいしか出てくる本判らないし、私はまだ大丈夫」(←何が大丈夫か?わかるのがある時点で大丈夫ではないのでは?)
    と思った。
    確か同じことをCOCO『今日の早川さん』でも思ったな…と思い出した。
    ええ、ワタクシなどまだまだww青二才ですからww

    装幀原案・題字・イラスト / 喜国 雅彦
    本文&月報レイアウト・デザイン協力 / ミルキィ・イソベ(ストゥディオ・パラボリカ)
    初出 / 『小説推理』2009年1月号~2013年2月号

  • 製本の話はいらないが、日下ネタで一冊いけるのでは。

  • 本を好きになるにも色んな形があるものだと、毎度の事ながら感心させられる。

    ただ、年齢を経て本を収集する事から選別する事に徐々にシフトしている様子を読むと、自分自身にもいずれ身の回りの物を整理する時期が来るのかと思い少し寂しい気持ちにもなった。

  • シリーズ4作目。さらにパワーアップした印象。

  • シリーズ4作目。タイトルはあれだけど、「最後」じゃないといいなあ。「事件簿」に期待。
    今回も抱腹絶倒することしきりですが。やっぱりねえ……日下邸が凄すぎますってば。本がいっぱいの生活は憧れだし落ち着くものですが。いや、さすがにあれは危険すぎる……!
    そして神保町に行ってみたいと思うことしきり。マニタ書店、けっこう好みに合うかもしれないな、だなんて(笑)。

  • 「蒐めた本は墓場まで持っていけない!」ある日そのことに気づいた著者が、厳選に厳選を重ねトランク一つ分に本を詰めたり、遂に私家版『暗黒館の殺人』の製作に着手したり……。本を愛してやまない本棚探偵シリーズ、待望の第4弾!

    本書は、本棚探偵シリーズの一応の区切りであるという。さすがに初期(冒険や回想)の勢いは無いが、前作(生還)以上に面白かった。
    かと言って、内容に進化がある訳ではない。どれも与太話ばかりであるが、愛書家心理をくすぐる内容となっており、興味(収集)の対象は異なっていても共感出来る点が多い。

  • 綾辻行人「暗黒館の殺人」の私家版を構想十年で(て、取りかからなかっただけだけど)凝りに凝った奴を、三章にわたって作ったのは圧巻。本の構造とかも詳しく知れて、作家への愛もかんじられて。次は七年後かも、だって。あと、台湾ミステリ界の大御所、中井英夫の最後の編集者、シャーロック・ホームズの生き字引が、それぞれ胸の所にハート形に手を組み、金髪の女子高生に命令されて「萌え萌えドリンク美味しくなあれー」と言わされている光景、のシーンには爆笑。老眼!を機に、新しい本=悪、古い本=良という二元論は捨て、新しい本=読むために良、古い本=飾るために良、という新しい定義に従うことになった、と。そして日下三蔵さんの強烈なキャラ。自宅のカオスを超えたカオスっぷり。同じ本を何冊も何冊も何冊も何冊も買ってしまう理由を聞かれ「売っていたからです」というシンプルなセリフ。力強すぎるw。そして、帯からして抱腹絶倒。「もう欲しい本はない!!すでに書庫もいっぱいだ!!そうか読めばいいんだ!!逆転の発想!その手があったか!?」て、今更何をもうwである。

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著者プロフィール

(漫画家、雑文家、装画家、プチ音楽家、本棚探偵)
1958年香川県出身。多摩美術大学卒業。
1981年に『ふぉーてぃん』で漫画家デビュー 。
代表作に『月光の囁き』、『日本一の男の魂』など。
さらに「本棚探偵」シリーズ、『東京マラソンを走りたい』、『シンヂ、僕はどこに行ったらええんや』などのエッセイも上梓。
1997年にみうらじゅん賞、2015年に『本棚探偵最後の挨拶』で第68回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)受賞。

「2021年 『ラストシーンは崖のうえ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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