「ウルトラQ」の誕生

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 73
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575309881

作品紹介・あらすじ

放送開始50年!なぜ名作は生まれたのか?定説に挑む決定的ドキュメンタリー。綿密な取材で歴史的事実に限界まで迫る!!

感想・レビュー・書評

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  • これから30分、あなたの目はあなたの身体を離れて、この、不思議な時間の中に入っていくのです…

    テレビ草創期、伝説の特撮番組「ウルトラQ」が生まれるまで。TBSと円谷プロの試行錯誤の末にようやく完成し放送される。そこに至るまでの数多くの偶然の積み重ね。多くの証言から丹念に描かれている。

    筆者自身が子供の頃に本作を見て、大ファンであることが本書の執筆に良い影響を与えているように思う。

    着ぐるみの使い回しやシナリオの見直しなど予算削減のためのスタッフの苦労がエピソードとして楽しい。

    筆者はウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブンで3部作にする構想を持っており現に刊行されている。怪奇大作戦と帰ってきたウルトラマンについての本もある。そちらも挑戦してみたい。

  • タイトルの通りであり、それ以上でもそれ以下でもないが、
    当時を知るための貴重なドキュメント。群像劇。

    カラーライズ版のブルーレイを所持しているので、久しぶり
    に見直してみるかな。

  • 『「怪奇大作戦」の挑戦』読了後、遡りの『「ウルトラQ」の誕生』です。円谷英二が亡くなるのは1970年、「帰ってきたウルトラマン」の放送開始が1971年なので「新マン」以降はファウンダー無き円谷プロの第二期で、テレビにおける円谷プロ黎明期は「ウルトラQ」で始まり「怪奇大作戦」までなのだと思います。手塚治虫が虫プロを率いて「鉄腕アトム」でテレビアニメという分野の最初の扉を開けたように、そして、それはリミテッドアニメという苦肉の手法を生んだように、円谷英二は特撮というジャンルを顕在化するために円谷プロダクションを作り、テレビのコンテンツを受注し、制作する産みの苦しみの群像劇なのでありました。「ウルトラQ」は決してテレビにおける怪獣モノというジャンルの開拓を目指したものではなく、特撮を映像作品の表現方法として確立させるという大人びた狙いを目指したものだったのです。だからウルトラマンやウルトラセブンより、Qと怪奇大作戦に円谷プロの「自我(?)」みたいものが色濃く現れいるように感じます。東宝のゴジラシリーズでブランドになった円谷英二が怪獣という呪縛から離れるために作った自分のプロダクションが、テレビの視聴率という宿命のために怪獣に回帰していく葛藤。TBSのディレクターとして父とは違う道を選んだ長男、一がTBSの社員として円谷プロを背負っていく運命。次男、皐が就職したフジテレビが「Woo」という企画によって先行しつつも成就せず「ウルトラQ」に視聴率を奪われていく焦燥。円谷プロが自ら抱える脚本家、金城哲男の成長と挫折。金城と同郷の後輩、上原正三の才能の開花。そういった脚本家たちの全く新しいジャンルの作品へのアプローチ。TBS、東宝映画、円谷プロの三者三様の事情。などなど、著者は詳細に資料をあたり、インタビューを行い、時には独自の推論を交え日本のテレビの青春期を特撮という窓から記録しています。それは、まさに作り手の青春期そのものだったのです。

  • 私も夢中になって見た「ウルトラQ」を、だれがどのような思いで製作したのか、のドキュメントである。今思えば不思議な話が多かったが、金城哲夫や山田正弘、北沢杏子など個性的なメンバーが、ある意味好き勝手に作ったからこそ名作の数々が生まれたのだ。

  • TV特撮創世記を描く。
    読む順番が逆になったが、「ウルトラQ」あっての「ウルトラマン」であり特撮ブーム、もっと狭い範囲で言うところの怪獣ブームの立役者だ。
    ウルトラマンはウルトラQの発展形だったけれどウルトラQは全くの新番組。隠密剣士の後番組だった事は覚えていないけれどテレビで怪獣が受けるかどうかは見当も付かず、全くの手探り状態であったことは想像に難くない。
    TV特撮関係者の悪戦苦闘が延々と描写される。
    関係者がどんどんお亡くなりになっている現在、ドキュメントとして描くのは今が最後の機会なのかもしれない。
    読み応えあります。

  • 1966年1月2日、第1話「ゴメスを倒せ!」の放送から始まった「ウルトラQ」は、テレビ史を変える画期的なシリーズだった。関係者の証言と資料を徹底検証し「特撮」に留まらぬ視点から、その全体像を描き出す。。

    怪獣が登場するテレビ映画の草分けだったウルトラQは、様々な才能を持った人々が円谷プロに集ったことで誕生した。64年の東京五輪でウルトラCという言葉が流行語になり、そこからウルトラQとネーミングされた…など、トリビア的知識満載の本だったけど、著作権の関係なのか写真が全くないのが残念だった。
    (C)

  • 写真がほとんどないのがもったいない。

  • ペギラだ!

     ほぼ同い年の筆者による真面目なウルトラQ研究。事実に基づいているようで迫力満点。表紙のペギラが良いね。

     星新一らによる原稿では絵にならないってくだりが気に入った。そんなものなんだろうなぁ。トリフィドの日を題材としたのがマンモスフラワー?なかなかリアルだなぁ。

     すべてが名作ではないけど、私は次の作品が好きだ。

     宇宙からの贈りもの(ナメゴンね)、マンモスフラワー、バルンガ、ガラダマ、1/8計画、海底原人ラゴン、206便消滅す!、あけてくれ!

     28話だから、14時間。確かハードディスクに入ってるはずだから、コンプリートしようかな。

  • ドキュメンタリー番組の手法により時間軸で事項をまとめたもの。写真の類は全然ない。ある程度,ウルトラQに詳しい読者なら面白いが既出の情報は多い。

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