誘拐症候群 (双葉文庫 ぬ 1-2)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575507799

感想・レビュー・書評

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  • 症候群シリーズ二作目。巧妙な小額誘拐事件と大企業の御曹司の息子の誘拐事件がクロスオーバーして、特殊工作チームが解決に挑む。
    チームの一員で托鉢僧をしている隆と、犯人側の視点、誘拐の被害者側の視点転換により、スリリングな展開が続き、ボリュームを感じずに一気に読める。ひさびさに電車乗り過ごしてしまった面白さ。

  • 誘拐事件に巻き込まれた武藤さんに同情
    磯村咲子さんが自分で行動してジーニアスを探し出すくだりも面白かった
    続きが気になり、サクサク読めました
    ティッシュ配りの高梨さんの今後の修羅の道が気になる

  • 症候群シリーズ2作目にして、前作のレビューで述べていたラストのスッキリ爽快感は、早くも脆くもキレイさっぱりなくなりました。
    やはり猫をかぶっていただけだったか、徳郎…

    本作は奇妙な連続誘拐事件の謎を「環チーム」の面々が追います。
    どうやら、このシリーズ、一作ごとにチームメンバーの誰かにスポットが当たることが定番になっていくようです。
    前回は、知らずドラッグに関わっていた自分の娘が自殺未遂まで起こした、原田とその家庭がフォーカスされていました。
    今作では武藤隆が、誘拐事件の一つで身代金の運搬人という重要な役割を果たします。

    ただ、この作品で終始納得がいかなかったのが、その武藤の心情と言動、および武藤に対する周囲(特に警察)の対応なんですよね。
    身代金運搬にあたって当然ながら警察にも協力する彼ですが、巧妙な犯人の計略により、結果として犯人に金を奪われてしまいます。

    それを彼自身が、(僕の主観ですが)必要以上に自身を責めるばかりか、警察も自分たちの捜査に何の落ち度もなかったかのように彼を責め立てている。
    それが読み終えて時間が立った今でも腑に落ちない、釈然としないわだかまりが胸の内にあります。
    さらに、それらが遠因となって本作のラストではチーム内に不協和音の兆しさえ見えてくる、と納得いかんことずくめなのでした。
    誘拐犯以外にも、絵に描いたような典型的差別主義ゲス野郎共も出てきて、気分はむしゃくしゃです。
    圧倒的リーダビリティは健在なんですけどね、この嫌な雰囲気が三部作の最終巻でどうなってしまうのやら…

  • 今回は主に托鉢僧武藤視点で話が進みます。托鉢中に出会ったティッシュ配りの男の息子の誘拐事件で身代金の運搬役に指名され、否応なしに事件に組み込まれる彼。一方環のグループは別のいくつかの誘拐事件を追い、他に子供を預かっていた女視点もあって話は交錯するも意外とわかりやすかったのではないかと思います。でも武藤の関わった方の事件に関しては自分の嫌な想像が当たっていてその後の展開も然るべきで、読んでいて楽しいという感じではなかったです。三部作ラストは倉持視点になるのでしょうか。環の謎も気になるところです。

  • 環が率いる工作チームメンバーの武藤を中心に今作は進む話。前作より、ずっと良かった。高梨の、お父さんが酷いなぁ。このシリーズは、どうしても最後は自分達が捕まえる訳ではないから、、あっさりと幕引きなんですよね~~そこが少しモヤモヤ。貫井さんにしては、すんなりと終わるので(笑)捻りはないけど読みやすい一冊でした。

  • 2017/1/16

    小額の身代金で鮮やかな手口の誘拐...
    面白かった。環の逮捕のさせ方は愉快ですらあった。
    けど、高梨さんはどうにかしてあげられなかったのか...辛い。

  • 面白いとは思うが、話の展開にいろいろ無理がある。

  • 20年前の作品だそうです。
    その当時のサイバー知能犯みたいなやつが起こす被害者は殺さない身代金も高すぎない誘拐事件。

    それと同時期におきた高い身代金で子供が被害にあった事件。

    それらが絡み合って物語が進みます。

    今ならもっとサイバー度強い犯罪者いそうだけど、当時にしては新鮮だったかも。

    それにしても子供を殺された事件の結末が残酷すぎる。

    2017.4.7

  • “ジーニアス”によるネットを駆使した犯罪…。なんか『決壊』につながるものがあるな…。今の世の中を象徴してるような…。
    だけどこの作品の初出って1998年なんだよね!すーげー先取り!今読んでも全然見劣りしない!さすが貫井さん。
    武藤さんも意外と人間味がある人だったのねー。

  • 貫井徳郎作品は読みやすい!!
    主観的に描かれているようで俯瞰して書かれているから情景も想像しやすい。
    【殺人症候群】のように重めかなぁと思ったけど、内容はあっさりしていました。
    武藤がどうして高梨にあそこまで固執するのかが、もう少し掘り下げてもらいたかったなぁ…。
    義理堅いのかな。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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