誘拐ラプソディー (双葉文庫 お 23-2)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575509700

感想・レビュー・書評

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  • 素直な伝助、間の抜けた誘拐犯。漫画のような逃亡劇だが、心踊るハラハラ感が好きだ。
    爽やかなハッピーエンドだけど、お務めが終わったら、おじさんは生きてられるのかなぁ。

  • 親方を殴って逃走、金無し前科有の伊達秀吉が出会った少年はぼのつく職業の父を持つ大金持ち。うまい話が転がり込んできたと思いきや、人相の悪い方々に追われ、身代金どころか命が危うい!
    しみじみ泣け…はしないが、ダメ男が子ども(ただしちょっとバカ)と触れあううちに、自分の過去に向き合うようになっていく過程が、ギャグ展開も交えつつ続くので飽きない。やってることは最後まで犯罪ではあるが。しかし、伊達秀吉と名付けられた時点でぐれても仕方がない気もする。

  • 伊達秀吉は、金ない家ない女いない、あるのは借金と前科だけのダメ人間。金持ちのガキ・伝助との出会いを「人生一発逆転のチャンス?」とばかりに張り切ったものの、誘拐に成功はなし。警察はおろか、ヤクザやチャイニーズマフィアにまで追われる羽目に。しかも伝助との間に友情まで芽生えてしまうー。はたして、史上最低の誘拐犯・秀吉に明日はあるのか?たっぷり笑えてしみじみ泣ける、最高にキュートな誘拐物語。

  • 金なし家なし女なし、あるのは借金と前科だけ…。そんなダメ人間の伊達は絶望していた。
    死にきれずにいたところに幼い男の子が転がり込んできた。どうやら金持ちの子供らしい、
    カモがネギしょって勝手にやってきた。人生を賭けたギャンブルの始まりだ…!

    誘拐ドタバタ劇です。タイトルのイメージ通り、とは言え狂想曲と勘違いしていました。
    ラプソディー(狂詩曲)は、大騒ぎの様ではなく自由奔放なイメージなのですね。
    想像の上を行くような展開にはならなかったものの、さくさく読めて楽しめました。

  • 伝助にほのぼのさせられる。
    血がピューがめちゃウケた。
    良作でした。

  • 2021.2/18〜3/18

  • グダグダな誘拐劇。コミカルな誘拐劇と言った方がいい。
    この人の書く人物は「中途半端」が多い。大成功している訳でなく、かといって不幸のドン底にいるわけでもない。だからこそ、登場人物に感情移入して読めるのだけど。

  • 娯楽作品として楽しめた。
    完全に詰んでると思われた主人公は、実は超ラッキーを積み重ねてた。
    いい意味で予定調和。
    裏切らない作品でよかった。

  • 最初の誘拐までの流れとその後の逃走劇は読んでいてハラハラドキドキの連続。まるでそのシーンが目の前にあるように想像ができる、とても丁寧で平易な文章。

    読んでいてとっても爽快な物語でした!

    誘拐される伝助に対する視点を誘拐する側される側、その間に入る立場から表現されており、それぞれの立場の人間の表の顔と裏の顔をうまく文章に落としてます。

    表に見える部分がどんな人間でも、その奥には悲しい側面や楽しい側面、暗い場面、その人の人生がある。秀吉のやったことは許される行為ではないけど、それでもその行為に至った背景にも注目しながら読みました。

  • 秀吉はダメ人間。借金はあるし、前科もある。挙句の果ては、勤め先の社長を殴って逃走してしまうという。

    そこで一人の少年を誘拐し、身代金を得ろうと試みる。だがしかし、その少年はヤクザの息子だったのだ。

    子供は父親を成長させてくれるというが、この少年も秀吉を成長させていたと思う。
    子供にとって何が大切なのか?そんな事を考えさせられた一冊。

著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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