銀行仕置人 (双葉文庫 い 35-2)

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575511796

作品紹介・あらすじ

通称"座敷牢"。関東シティ銀行・人事部付、黒部一石の現在の職場だ。五百億円もの巨額融資が焦げ付き、黒部はその責任を一身に負わされた格好で、エリートコースから外された。やがて黒部は、自分を罠に嵌めた一派の存在と、その陰謀に気付く。嘆いていても始まらない。身内の不正を暴くこと-それしか復権への道はない。メガバンクの巨悪にひとり立ち向かう、孤独な復讐劇が始まった。

感想・レビュー・書評

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  • 罠に嵌り、エリートコースから
    外された銀行マン黒部。

    そんな中でも今までの仕事ぶりから
    自分を信じてくれる数少ない人の期待を
    背負って、銀行の闇を暴く。

    面白かったです!
    半沢に匹敵するくらいの主人公でした。

  • 必殺仕事人の銀行版やな。
    人は殺さんけど。
    今の銀行の状態は、この小説ほど酷いかは分からんけど、もっと深く潜航してるかも?
    池井戸潤さんのは、勧善懲悪ではないにしてもええ終わり方するから、安心して読める(^-^)v

    一度、失敗して人事部付になった黒部次長…
    人事部付になりながらも、こんな内部粛清の役を任せられるんか?
    その中で、自分の失敗は嵌められたんや〜って…
    で、その仕返しも込めて、仕置人に更に磨きをかけて!

    何とか成敗して、現場復帰やけど、これは更に磨きをかけんと!(^_^)v

  • 銀行仕置人 池井戸潤著

    1.あらすじ
    銀行 営業部次長。支店ならば支店長クラスの権限。
    上場企業の子会社に対する融資。
    当人は反対、ただし銀行としては、上層部含めて貸付の意向。
    そのため、貸付の稟議、決議を取るも、しばらくして倒産、回収困難に。
    責任とらされ、人事部付に。
    命じられたのは、過去の異動情報の整理。

    そこに、ひとつのリーク情報。
    計画倒産だったのでは?
    その真実を調べるために、3日間、支店に潜り込む。

    2.時代設定
    いまは、株券は不発行の時代。
    小説では、株券が発行されている。
    古いはいがめない。

    3.事件、事故
    ①親会社、子会社間取引
    ②メインバンク編重の借入問題
    ③取引先編重の売掛問題
    ④貸付金。その先の実態
    ⑤損益よりもキャッシュの流れを見ること

    物語の事件、事故を通じて、学べる内容は少なくない。

    銀行出身の池井戸さんが、銀行業にどんな責務を果たしてほしいのか?
    それが、主人公の働き様を通じて感じ取れる作品。

  • 組織の論理と仕事の矜持。その時々の意思決定が後の後悔を生む恐れ。いつもながらの痛快活劇! いやぁ楽しませてもらいました。黒部と有理のその後がどうなるのか気になる。かっこいいぞ、新田社長! 英人事部長のような仕事人に私もなりたい。

  • こう言うのを池井戸潤で読みたいと思って、そう言うのです(笑)。期待通りでした!!痛快感も残りますよ。お勧めします。

  • エリート出世コースから、銀行の座敷牢のどん底まで落ち込んだ黒部。
    自分を罠に嵌めた陰謀に、絶対に復讐すると誓った。

    半沢直樹を彷彿させる主人公の性格。
    ジワジワと巨悪に迫り、追い詰めていくところに熱を感じた。

  • 悪い奴らをバッタバッタと倒していく、まるで時代劇のサムライのような印象を主人公に思ってしまいます。スカッとしました~!

  • 続けて池井戸潤の銀行舞台の小説が読みたくて、買ってきました。大手都市銀行の本店営業部の次長から閑職の人事部付けに飛ばされた黒部一石が主人公。クライアントへの融資で500億円もの焦げ付きを出したためだが、上司の営業部長と担当常務の命令の融資なのに一人で全責任を負わされていた。しかもクライアントの執行役員と銀行の担当常務は繋がっていて、この融資には裏があった。自らの復権のために銀行上層部の不正を暴いていく主人公の復讐劇に最後はやっぱりスカッとする。
    池井戸作品を読むのも14作品目なので、だいたい話の展開は読めるようになってきた。
    この「銀行仕置人」は2005年に単行本として刊行されたとのことなので、2003年の「仇敵」の復讐劇や「BT”63」の裏社会の恐怖、2004年の「不祥事」の隣店指導など全部入っているような感じがする。
    池井戸潤小説の次に読む15作品目はどれにしようか考えるのも楽しい。

  • 池井戸さんの作品は今月4冊目!
    ちょっとハマッちゃったのかなぁ。。

    焦げ付いた融資の責任を取らされた主人公が、
    責任を擦り付けようとした悪役とその取り巻きたちを
    お仕置きしていくお話。

    本作品もバブル組と同様の構図で、
    「正義v.s.悪」の対立構造がはっきりしていて、読んでいて爽快。
    バブル組が好きな人には、文句なしでおススメです。
    このパターン、王道ですな。。

  • K図書館 2005年
    500億の融資の焦げ付かせを、上司から押し付けられた関東シティ銀行の黒部
    臨店をしながら悪事を暴いていく

    《感想》
    2004年出版の半沢と花吹舞の臨店を合わせた内容だった
    面白いというより死人もでて結構ハードな内容
    登場人物がとても多く、かつ名前が平凡で集中力が必要だった
    一覧表が欲しかった

    だいたい支店長が悪事に加担している
    1支店暴かれてスカッとして、次の支店に進む感じで、まるで謎解きゲームのようだった
    半ばに「手段を選ばない。やられたら、やり返す。」という黒部のセリフ
    池井戸氏のお気に入りでしょう

    今回の悪人も半沢と同様に、普通の会社と見せかけ、大型融資をさせ銀行のお偉いさんと組んで、計画倒産させる
    悪人は、悪いことに慣れてしまって、さも法律に触れてません、人の為にしてますのような素振りをするから、たちが悪い
    世の中には少なからずこういう輩がいるから、騙されないように本当に気を付けなければいけないな

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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