告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

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著者 : 湊かなえ
  • 双葉社 (2010年4月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575513448

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告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)の感想・レビュー・書評

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  • 4歳の娘を持つシングルマザーである中学1年生の担任だった森口教諭。
    ふわふわしたものが大好きな、愛らしい娘は、学校のプールで遺体となって発見される。
    この事件は、娘が誤ってプールに落ちた事故として処理される。
    担任は学校を去る日、クラスの生徒たちに向かって告白を始める。
    娘はクラスの生徒に殺されたのだという恐るべき事件の真相、そして――。

    寝る前にちょっとだけと読み出し、衝撃のラストまで、ぐいぐい読んでしまった。本屋大賞はダテじゃない!
    語り手は担任から、クラスメイト、犯人の少年の母、犯人の少年へと移る。
    身勝手で自己愛に満ちていて、虚栄心にあふれていて、被害意識が強くて…
    私も持っている人間の汚い部分、弱い部分をこれでもかと突きつけられてくる。

    この国では、少年に大切なわが子を殺されること以上に、被害者が置き去りにされ理不尽を感じるものはないのではないか。
    自分の死を強烈に意識する立場に置かれ、または自分の大切な人を奪われて初めて、自分の犯した罪の大きさ、自分の奪った命の重さを知る。
    それは真だと思う。
    感情を押し殺した告白の中、時々にじみ出る愛娘への深い愛情、愛娘を失った悲しみ、愛娘を奪った生徒に対する憎しみ、理不尽さに対する憤り…。
    こんなたくさんの感情を、森口先生は一人で抱えているのだ。どんなに重くつらいことだろうか。
    ただ守るべき無垢な我が子を無惨にも殺され、裁きを受けさせることもできない。森口先生の気持ちを思うと、復讐は当然の感情で、責められるべきは少年たちだと思う。

    一方で、本当にこれでいいのかなという気持ちが残ったのも確か。
    この本でも出てくるK市の中学生の少年が起こした連続殺人事件。
    犯人の少年と同世代の私は当時、中学生で善悪の分別がつかないはずがない、少年院なんてなんて生ぬるいのだろう、社会に復帰したらまた同じことを繰り返すだろうと思っていた。
    でも、時が流れ彼が約7年後に社会に復帰したと聞いたとき、中学生からの7年は「長かったな」と感じ、少年の1年は、大人の1年とは違うということを実感した。少年の更生もあり得るんじゃないかという気持ちすら生まれた。
    桜宮先生のように、少年の更生を信じて赦す、なんてきれいごとより、この「誰も救いにならない」けれど「少年に相応の報いを与えた」ラストの方が多くの人に受け入れられるだろう。でも、実際の社会では、少年の可能性を信じ見守る存在も確かに必要なのだ。
    そして、森口先生の復讐で、少なからず少年たちの周りの人は被害を受け、関係ない人も巻き込んでいること。憎しみが憎しみを生む負の連鎖…。
    ラストに「そうきたか・・・!」と思いつつも、読後、ダークなイメージだけが残ってしまったのはそのせいか。

    最後に、容赦ない森口先生語録。冷たい瞳で見据えられながら言われたら凍ること間違いない。

    “三年生の担任を持つと、受験を前にして、「この子はやればできるんです」と保護者の方からよく言われるのですが、この子、の大半はこの分岐点(=ある程度伸びて頭打ちになったところ)で下降線をたどることになった人たちです。「やればできる」のではなく、「やることができない」のです。”

    “馬鹿ですか?ラブレターの中には、散々、馬鹿という言葉が使われていました。あなたはいったい自分を何様だと思っているのでしょう。あなたがいったい何を生み出し、あなたが馬鹿と言いながら見下す人たちに、何の恩恵を与えているというのですか?”

  • 文庫本になってからなので、かなり遅めに読みました。

    部活の先輩が読んでいたのをきっかけに、
    すごい売れてるしどんな本なんだろう~と思いまして。

    最初の方はわりと字がびっしりで、読みにくいなあとか思ってたんですが
    (まあ私が字がびっしりの本を読み慣れていないだけですが…)

    なんかね、読み進めていくうちに止まらなくなってきちゃって!!
    そっからはもうあっという間でしたね。あれよあれよと言う間に
    ページをめくってしまいました。

    様々な登場人物の視点から物事が進んでいき、
    色んな人の人格が崩壊していく様や、堕ちていく姿が
    とてもリアルな描写で表現されていて……。

    そしてラストにはとんでもない爆弾が仕掛けられています。
    あ、爆弾って言っちゃった。でもネタバレにしてますからね。

    やはり、ベストセラーは読むべきですね!!
    最近は、なんでこんな本がベストセラーなんだあああああと
    言いたくなるような本も中にはありますが、これは納得の一冊ですよ!
    デビュー作なんて信じられない。

    圧倒されました。
    これから湊かなえさんの本は、頑張って全部読んでいこうと思います。

  • 水面に投げられた石のような本でした。
    話題作として何度も耳に入りながら、なかなか手を伸ばせなかった本です。読み終わるのはあっという間。
    それでいながら、読了後はなかなか鳥肌が消えませんでした。

    「聖職者」「殉職者」「慈愛者」などのタイトルのもと、犯人やその母親、級友がたんたんと語る、あるいは綴る物語でした。

    真実はひとつでも、その見え方、捉え方は人それぞれで、むしろ見えない部分こそが著者の書きたかったものなんじゃないかと思ったほど。
    和紙を重ねるみたいに、話を進めるごとに色濃く事件の全貌が見えてきます。
    読んでいて、きっと先には救いなんてないんだろう。
    そう思うのに、読み進めるのを止めることができず。もしかすると、見方によっては救いがあるのかもしれないけれど。

    いたるところにトゲが散りばめられていて、読んでいてチクリと痛い。
    どなたかがレビューで "弱っている時に読むものじゃない" と書かれていたけれど、本当にそのとおりですね。
    湊さんの次作は、ぜひ弱っていないときに読んでみよう。

  • 筆者の筆力はものすごい!

    まさか文庫一冊、就寝前に全て読みきる事になろうとは!
    とにかく、
    (朝の目覚めが悪くなりそうだ…)と、思いつつ、いつ本を閉じればいいのか、きっかけが掴めないのだ。

    読書中、私は思い出していた。
    子供達がまだ、小さな赤ん坊だった頃の事を。

    あまりにも可愛らしいこの小さな手が、柔らかな頬が、私を見て微笑む表情が、
    愛おしくて愛おしすぎて、
    (もしも今、誰かがこの子の命を奪ったとしたら、私はその人間を許せるだろうか?)
    言いようの無い不安に駆られていた日々の事を。

    物語は告白から始まる。
    教壇に立ち、生徒に話し始める先生の話は驚く程、ショッキングだ。

    「途中、気分が悪くなる様でしたら、帰っても構いません。」
    そう促しても、誰一人帰ろうとしないその告白の内容とは。

    先生の娘が事故で死んだ。
    報道ではそう知らされていた事件だったが、実は娘は殺されたのだ、と言う真実。
    そして、犯人はこのクラスの生徒だという事。

    あくまで冷静に、取り乱すことなく、淡々と語り続ける先生。
    大事な大事な一人娘を殺された母親としての鎮痛な気持は痛いほど伝わるのに、
    先生は、
    教師としての立場を考えているのか。

    能面の様に今は、変えない表情からは、その真意がなかなかつかめない。

    しかし。

    告白の締めくくりは聖職者としての仮面を外し、粉々に砕いて終わった。

    子を殺された母の心理としては、純粋すぎるくらい、純粋であったと言える。

    ただ、

    事件とは、一本の直線上の上でのみ、行われるのではない。

    告白はやがて、

    「級友」「犯人」「犯人の家族」…と続き、
    事件に関わった全ての人間の心情が浮き彫りになって行く。

    そこには、
    添うべき同情も存在したが、
    「自分の子を殺された」と言う揺るがない事実の前では
    ただただ、過ちを犯した人間は報いを受けて当然。

    と言う冷ややかな目で見るしか、理性を保つ術がない世界感だった。

    子殺し、親殺しなど、陰惨な事件も度々目にする世の中にあって、
    本当は救いの手を誰もが求めているはずなのに、
    誰も助けてはくれない。

    行き場の無い思いを、ぶっとばすかの様なラストであったが、
    それも救いでは無かった気がした。

  • 面白くてあっという間に読めた!後味が悪いっていう人が多いけど、私はなんだか清々しい気分になった…森口先生が淡々と丁寧な口調で追い詰めていく感じがすごく良いです。

  • こ、こ、こ、こわ~~~~~~!!!
    ここまで圧倒されたミステリーサスペンスな話を読んだことないっ!
    これ、ほんとに、デビュー作ですか?
    な、な、なんちゅーー本。すごすぎる。

    私は日本の映画は観ないし、とくに、本を映画化したものは絶対に観たくない。
    日本でのこの映画に対する評価を知らずに読んだからか、すっごい怖かった。
    子供を殺された母親の復讐心、おそろし~~~~。

    最初から、ズバッとかましてくれた先生の告白で読んでて
    「最初からこんなに衝撃的だったら、後はどんな展開が待ってるんだろう」という好奇心でページをめくった。
    もう止まらない。
    殺人をしたいけど(結果的に)殺さなかった少年と、殺したくないのに殺してしまった少年。
    彼らに復讐する元教師。

    いろんな人の告白を読んでて、加害者も被害者に、被害者も加害者になっていく光景が目に浮かび、それぞれ過ちを犯しながら、いろんな経験や思いを背負ってる姿に、ほんのわずかでも頷けるとこがあったのに、
    なのに、それなのに、子供の殺された教師の復讐で全てが否定されてしまった。

    せっかく、世直しやんちゃ先生が
    『すべてを水に流せるという復讐はない。』
    『憎しみを憎しみで返してはいけない。それで心が晴れることなど絶対にない』
    と死ぬときに言ったのにもかかわらず、なのに、それなのに、
    それでも復讐をしようとする母親の狂気。

    すさまじい。

    もし、自分の子供が教え子に殺されたら、そこまで思うか。。。。

    なんか、みんなそれぞれの心が絡み合うことなく空回りしているこの設定。
    とっても悲しいし残酷だった。
    でも、ここまで書いちゃった著者はすげ~~~~の一言に尽きる。と思う。

    うわ~~~、すっごいHeavyな本を読んでしまいました。

  • ひとつの事件について、被害者の家族、加害者、加害者の家族、クラスメイトなど語り手を変えながら描かれる。見る角度を変えることで新たにわかる真実。中学生の大人っぽさと子供っぽさの描き方がよい。

  • 趣味が悪いなあと思った。とても苦手な作風。

  • しんどい。
    最初から最後までずっとしんどいし、息苦しい作品です。
    読んでいる間中ずっと真綿で首を絞められていて、それがどんどん締まっていくのに止められない。
    身体中藻が絡まって水中に沈んでいくのに身体を動かすことも許されない、そんな感覚を感じながら読み終えました。
    小さな偶然が重なり合って悲しい事件が起こり、それがまたどんどんと悲しい連鎖を起こします。
    気分は良くはありません、ですが、母親の立場からして読了後にすっきりした気持ちがあったことも否めなかったです。
    とても作品として面白かったですが、もう一度読むのは苦しいですね。

  • やばい。すごい。それぞれの視点の語り。引き込まれる。

    何をどう考えてもいいように転がらないところが救えない。

    いい先生だったのに、学校教育の変化にどこか冷めてしまった森口。少子化なのに、シングルマザーに厳しい母親の目。それでも家族のために、生徒たちのためにと頑張ってきた森口先生にとどめをさしたあの事件。

    生徒たちの視点から語られれば、それまでに至る背景はわかったけれど、どうすればよかったのか。
    犯人には頼れる大人がいなかった。いても親とて完璧ではなく、気持ちのすれ違いや壁がある。気持ちを吐きだす正しい方法がなく、新任先生や親は間違った方へ導いた。

    求道者の章が象徴するように、教職の最終は、夜回りやんちゃ先生。愛する人がそういう人だったからこそ、倫理観をすてるために、教職を辞したのだと。幼稚な動機で、さらに小さい子を殺めた犯人。復讐のために、大人のしたたかさで、全力でつぶす気だったんだなーと思う。こういう形にならなくても、先生はこの二人のことずっと追ってたと思うし。

    復讐劇と捉えたら痛快かもしれない。でも犯人たちに同情してしまう部分があったり、そうせざるおえない先生の気持ちを考えると、思考がループして気持ちは晴れない。

    そしてこういう文章を考える湊かなえが怖い。

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告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)の作品紹介

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!"特別収録"中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)の単行本

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