夜明けの空を掘れ (双葉文庫)

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575514582

感想・レビュー・書評

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  • 大学の同窓会で久しぶりに再会した5人の男が、共同してtotoを購入する。
    予想が的中し、1等くじを換金に行ったらひとつだけ選択がハズレていることが発覚。
    全て正当した証拠としてくじを撮影したカメラを現像したら、別人のカメラとすり替わっていた。
    主人公はカメラの持ち主を探し、撮影地をめぐる。

    複数の謎がぽこぽこ出てきて、物語の起承転結だけ切り取ったら割りと面白いのだけれど、
    冗長というか振り返ってなんだっけ、という印象が強い。
    ぐだぐだ感が強い…。

    沢村さんの登場人物はクールというか、自分と一致させて読む感じではないなと改めて思った。
    それが合うストーリーもあるけど、今回はいまいち。

  • 不思議なミステリーである。
    同窓会で旧友5人が集まるところから話は始まり、TOTOの当選金(ナンバー書き換え)疑惑から話はなぜか古代マヤ文明に絡みだし…

    少々強引に話が進んで行くところもあったが、こういう強引さ好きである。名探偵がおらず、かといって全員バカでもなく、登場人物みんなが何かを抱えた普通の人々で、そういう抱えた何かがひょんな事をちょっと風変わりなミステリーに変えていく。

    沢村凛、そういえばオモロい作家やと思っていたのに、追いかけるのを失念していた。この本をきっかけに改めて追いかけだそうと思う。

  • ん~ぐだぐだ?
    もっとなにかあるかと思ったが。

  • 大学の親友5人が遊び感覚で賭けたサッカークジのtoto。それが見事に命中したはずなのに、なぜか一つだけ外れた結果になっていた。5人の誰かが書き換えたのか?そして、赤の王妃と名付けたマヤ文明のキーパーソンを探す主人公達が探し出した結末は意外なところへと進んでゆく。
    全て何かに当てはめての推理小説になっており、これはないだろう…と拍子抜けしてしまうところも。ただ、それぞれが歩んでいる道と目的は面白い。人物が皆職業で分けられているところは今を表しているのかなあ、と考えさせられた。でも、主人公ズルいよね。結局逃げてるし。

  • 年取って歪んでも友人だ

  • 卒業10周年を記念して、大学の同級生5人が集まった。そのうちの1人が預かっていた「持ち主不明の100円」でtoto券(サッカーくじ)を買った。翌日結果を確認してみると、なんと1等の6700万円が当たっていたのだ。その日彼らは大樹(5人のうちの1人)の実家に預けていたカメラとtoto券を取りに行くのだが、toto券を見た彼らは愕然とする。一つだけ予想が外れていたのだ。そんなはずはないとマークし終わったときに撮った写真を確認するべく、カメラを現像すると、信じられないことにその写真に写っていたのは見知らぬ女性だった。toto券の真相は?彼女の正体は?そして、本書のタイトル『夜明けの空を掘れ』の意味とは?

    ミステリーの割には、ぐいぐいと話に引き込むという感じではなく、途中ぐだ~としたり、やや焦れったい感じがする。しかし、各章の章題となっている入れ子構造となったマヤ文明時代のピラミッドの名称を手掛かりにして真相に迫っていく過程はおもしろかった。totoの結果をめぐって、友達を疑うことをする様を見ると、大金は人の理性を狂わせるものなんだなと暗い気持ちにもなったが、結果が明らかになったときに、各々が抱えていた思いをさらけ出してくれたので、読み手としてはすっきりした読後感だった。

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著者プロフィール

1963年広島県生まれ。鳥取大学農学部卒業。91年に日本ファンタジーノベル大賞に応募した『リフレイン』が最終候補となり、作家デビュー。98年、『ヤンのいた島』で第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。骨太な人間ドラマで魅せるファンタジーや、日常のひだを的確に切り取るミステリーなど、様々な世界を展開している。その他の著作に『瞳の中の大河』『黄金の王 白銀の王』『あやまち』『タソガレ』『ディーセント・ワーク・ガーディアン』『猫が足りない』「ソナンと空人」シリーズなど多数。

「2023年 『旅する通り雨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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