森に眠る魚 (双葉文庫)

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著者 : 角田光代
  • 双葉社 (2011年11月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575514643

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森に眠る魚 (双葉文庫)の感想・レビュー・書評

  • 読了日2010/06
    過去に本当にあった事件を題材にして書かれた本。
    ママ友の微妙な関係を、女性の外には出したくない醜い内面をズバッと書いてあって、面白かった。
    そして、私も一応ママの端くれなんで、興味を持って読み進みました。

    他人の心の中なんてわかんないけど、女ってみんなこんな妬みや嫉妬でいっぱいなのかな・・ちょっとショックだった。
    憧れと嫉妬は紙一重だし、人を見下すといことを自分では気がつかないうちにやってしまってるのかもしれないなぁ。

    この本を、今からママになる人が読んだら、きっと恐ろしくなるだろうなぁ(笑)
    公園デビューだとか幼稚園ママのお付き合いだとか、メディアでも騒がれてた時もあったけど、
    世の中、ママ友関係でこれほど追いつめられてしまう母親がたくさんいるのかなぁと思うと怖くなるなぁ。。
    実際、友達は幼稚園ママ時代、リーダーママ主催のお茶会で、父親の年収順に席を座らされたり、お茶会の幹事を要領よくやらないと、母親として失格と言わんばかりの避難の嵐だったりと・・・壮絶な体験をしたらしい。。
    こんな世界が身近に本当にあるとは・・とビックリしました。

    子育ては孤独だから、ママ友を作ることは大切だけれども、子どもをそっちのけにして、ママ友の関係に執着しすぎて、そのことしか考えられなくなってしまって、子育ての悩みよりママ友との関係の悩みの方が大きくなってしまうなんてバカバカしいと思ってしまうけど・・

  • 1999年に起こった「文京区幼女殺人事件」(通称:お受験殺人事件)を題材にした小説であり、数年前のドラマ「名前をなくした女神」の原作になった小説。

    女同士のドロドロを描かせたら角田光代さんの右に出る者はそうそういない、といつも思う。
    探り合ったり、貶め合ったりしながらも、実際顔を合わせたときには何事もなかったように笑顔で振る舞う。崩れるギリギリのところで保たれる関係。
    その裏側にあるのは不安や嫉妬。というのは、学生時代から子どもを持つ親に変わっても、変化することはないものなのかもしれない。

    未婚で子どももいない私が読んだ第一の感想は、ママ友って面倒くさい…というものだった。自分自身だけの人間関係ならば多少孤独を感じても平気だけど、自分の振る舞いが子どもの人間関係にも影響を及ぼすと思うとそういうわけにはいかない。
    幼稚園や小学校の受験は田舎に住む私には身近ではないけれど、都会に住んでいて子どものお受験に励む母親というのは実際たくさんいるのだろうし、そんな中でママ友同士のトラブルというのもたくさんあるのだろう。
    幼稚園や小学校に通う立場である子どもは蚊帳の外で、実際は親同士の戦争であるというのが滑稽だとも思う。
    子どものためを思うから幼稚園から良い所に行かせたい。それは愛情なのかもしれないけれど、そのために子どもに苦しい思いをさせるのは果たして。自分が誇らしくありたいから子どもを良い所に行かせたいだけではないのか?
    そういう感情ってはっきりと線引き出来るわけじゃないから難しい。
    健康で育ってくれれば、とは思っていても、出来の良い子どもに育てば誇らしく思うのは当然だろうから。

    まだ幼い子どもを持つ5人の女性、それぞれの目線で描かれていく連作のようなつくりの小説。年齢も、立場も、生い立ちも、家庭の経済状況も、当然みんな違う5人。
    違うから子育てに対してもそれぞれ違う考え方を持っているはずなのに、関わり合うことで影響を受け合って、最初は友好的だった関係がだんだんと変化していく。
    ほんの少しのズレやすれ違いが思い込みに変わって、緩やかな雪崩のように関係が壊れていく恐ろしさ。大袈裟ではなく身近にありそうだからこそゾッと背筋が寒くなる。

    でもいつも思うのは、角田さんの小説には“ひかり”を感じる。
    ドロドロしていて痛々しくて恐ろしくても、その先にはまだ未来があるんだと思わせる不思議な力強さがある。
    実際は殺人事件にまで至ってしまった出来事が、小説では…。

    容姿、年齢、夫、経済状況、そして子どもの出来に至るまでが嫉妬の要素になる“ママ友”。その中で本当に信頼出来る関係を築くのは不可能なのだろうかと、考えてしまった。

  • 5人の幼子がいる母親が知り合い、ママ友になり、ずっと一緒に子育てをしていこうと約束するが、お受験、家庭の格差、様々な違いが5人それぞれが恨み妬み闇となって行く。何年か前の東京で起きた事件がモチーフなのは読めばすぐわかる。
    前回「砂漠(伊坂幸太郎)」のレビューの中で、女の友情は難しい、と言うようなことを書いたが、やはり今回もこの本を読んで思った。特に子供を通した、ママになってからのママ友は関係を深めたらあまりよろしくないのである。気持ちは同じ母として大変よくわかる。母親なんて我が子のことになれば、アホにでも鬼にでもなれるのだ。赤子の時から一挙手一投足に一喜一憂し見守ってきたのだから。目的が、子供の為、と言いながら自分の為に変わっていないか、迷走しながら母親は日々過ごしている。…かも。(笑)
    追記。個人的にママ友という言葉は好きではありません。

  • 前半までは5人のママ友達がそれぞれの個性はあるものの
    分け隔てなく楽しく過ごしているかのように見えて
    一瞬羨ましい関係のようにも思えました。
    ところがある一人の男の子の小学校受験をきっかけに
    それまで関心のなかったママ友達に異変が起き始める。
    そして受験だけでなく一人が妊娠したことによっても異変が起きはじめ
    徐々にグループ内の関係が崩れはじめます。
    楽しいママ友がいっぺんにして互いに比較したり、探り合ったり、
    憎しみあったりしてここまでも関係が崩壊していくのかと
    思ってしまいました。
    互いに比較して嫉妬の塊になっていき、
    しまいには自分で自分を苦しめてしまっている状態になり
    後半部分でのお祭りに行く女性の怪しい行動には狂気を感じ、
    女性の心理描写があまりにも鬼気迫る思いがして
    読んでいて苦しかったです。

    女性は物心ついた時から男性にはない独特の世界があり、
    それは学生時代だけのことだと思っていましたが、
    大人になってもいつの世代になっても抜けることはなく、
    それによって人間関係が難しいと思わざるおえなくなってしまいます。
    この中のママ友達も学生の時に苦い経験があるからこそ、
    また同じような経験はしたくないからそこそこの付き合いをと
    思っていたと思っていましたが、結局はまた同じようなことを
    繰り返されてしまったというのはやりきれなさを感じます。
    他人と比べると人は不要は不幸を背負いこむ。
    人は人、自分は自分、その線引きをしっかりさせて
    日々を送りたいと思っていても
    ママ友となると自分だけではなく子供を交えての交際となると
    難しいのだなと思いました。

    角田さんは以前の作品でも女性の心理描写やママ友達の会話が
    とても細かく表現されていて、特に今回も会話の部分では
    とてもリアルでまるでどこかの立場端でも聞いているかのような
    リアル感で吸い込まれました。

    登場人物のどの女性もそれぞれの過去に辛い過去があったり、
    今もなお人には言いたくても言えない悩みがあったりしても、
    ママ友の前に出ると明るく気丈に逞しくふるまってしまい
    それが余計にいらないトラブルの火種になってしまうのかとも思ったりしました。
    誰が悪いとかそうゆうことではなく、
    とにかく人と比べることでこんなにも苦しく辛くなってしまう
    人間関係というのは嫌だなと思っていまいました。

    核家族で少子化という昨今で同じ年頃の子どもを持つ主婦は
    同じような境遇の人と出逢えたらどれだけ心強いものかと思います。
    けれどせっかくのママ友も些細な事からどこかボタンを掛け違いで
    こんなドロドロとした人間関係になってしまって、
    親同士だけでなく子供まで嫌な思いをさせてしまうのは残念なことだと思います。

    私は子供がいないのでママ友付き合いという経験が無いですが、
    時にはそんな関係が羨ましくも思ったりもしましたが、
    このような事に巻き込まれしまうとしたら
    そんな経験をしなくて良かったのかなとも思えたり、
    女性の独特な世界感を改めて難しいなと思わされてしまいました。
    けれど自分の価値観と合ったり心地良い人と出会えることも
    あると思うので、そのような場合にはママ友という枠を超えて
    人生の友になれるかと思います。

    読みやすく現代の女性の心を鷲掴みしていて
    女性の日頃に対する本音も細かく描かれているかと思います。
    女性の心の深い闇を知るには読み応えがありお勧めな作品かと思います。

  • 東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通して心をかよわせるが、いつしかその関係性は変容していた。…あの人たちと離れればいい。なぜ私を置いてゆくの。そうだ、終わらせなきゃ。心の声は幾重にもせめぎ合い、それぞれが追いつめられてゆく。凄みある筆致で描きだした、現代に生きる母親たちの深い孤独と痛み。渾身の長編母子小説。

  • 怖い怖い。小学校前の子の母親たちの日常。お受験、ママ友。価値観の違いや生活感の違い、どうしても他の子(他の母親?)と比べてしまう。でも誰かとつながっていたい。殺人とか窃盗とか犯罪がある訳じゃないのに、怖い世界。いつか楽になるんでしょうか?

  • うん。こういうの好きです。母になりここまでドロドロではないにしてもタイムリーにママ友問題に直面してるからかな。一気に読める感じがいい。

  • 女性特有のもがきなのだろうか。

    「仲良くしたい」という透明な気持ちが気が付けば「独占したい」と濁っていき、
    「良き母でありたい」という透明な気持ちが気が付けば「子を進学校へ入れたい」と濁っていき、
    「豊かな暮らしがしたい」という透明な気持ちが気が付けば「あれもこれも手に入れたい」と身分不相応に濁っていき、

    幸せになりたいという純粋な願いが、
    妬み嫉みや恨みつらみに変わっていってしまう。

    私の幸せとあの人の幸せは違っていて、
    私の幸せとこの子の幸せは違っていて、
    その当たり前のことに想いが至らずに他人にコントロールされて他人をコントロールしようとしてしまう。

    自分は自分だけを操れればあいのに。

    息苦しい生き方をしてしまうのは、同じだからなのだろうか。

  • *東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通して心をかよわせるが、いつしかその関係性は変容していた。―あの人たちと離れればいい。なぜ私を置いてゆくの・・・心の声は幾重にもせめぎ合い、それぞれが追いつめられてゆく。凄みある筆致で描きだした、現代に生きる母親たちの深い孤独と痛み。渾身の長編母子小説*
    久しぶりに読み返しましたが、本当にこの方は女性のじわじわと追い詰められる過程を書かせたら天下一品ですね。一番の特筆すべき点は、あんなにも理解し、信頼し合えた女たちの気持ちが、どの時点ですれ違い、離れて、嫌悪感にまで至るのか、はっきりした境目がないこと。いつの間にか、気付いたら変わっている。白い絵の具に落ちた墨汁がグレーに、黒へとゆっくり変わっていくような。何度読んでも、そのリアル過ぎる情景には背筋がぞくぞくします。

  • 私にはママ友がいない。
    作ろうと思って出かけることもしたが、できなかった。
    じゃあ保育園で、と考えたが、皆忙しいので朝は一言。
    夕方もシーツ交換の時に少し長めに話すだけで、顔見知り程度だ。
    何の仕事をしているのかも、年齢も、名前も、どこに住んでいるのかも知らない。
    そのことを少し寂しく物足りなく思うが、長年の友人がそのままママ友になってきたし、会社に行けば子持ちの先輩もいるし、困らないからいいやと思うようになってきた。
    都会っ子はこれぐらいの距離感でいいのだ、と無理やり納得している部分もあるのかもしれないが。

    そんな私だが、本書に登場する母親たちの追い詰められ方には共感できる箇所も多くある。
    〇〇ちゃんのママ、という呼ばれ方しかされなくなって、子供がまるで自分の分身のようになっていけば、視野はどんどん狭くなる。
    自分の失敗をこの子にはさせまい、そう思って「この子のため」をやればやるほど、本来の「子供のため」から外れていく。
    実は全部自分のためで、もう一度過去をやり直そうという目標に変わっていく。
    その変化は決して他人事ではない。
    ちょっとしたはずみですぐ行ってしまう道なのだ。

    繭子、容子、千花、瞳、かおり。
    この5人は誰も私に似ていない。
    けれど全部自分のような気がする。
    私は子供に「お受験」をさせる気はないし、仕事という「〇〇ちゃんのママ」ではない呼び名(加えて旧姓で呼んでもらえる)を得られているし、ある種の逃げ場を持っている。
    だから彼女たちと同じ悩みを共有してはいないけれど、孤独の中にやってくる魔物の存在を私は知っている。
    健診の時に、ネットで調べた時に、本を読んだ時に、月齢にしては、同い年にしては、と我が子を他人と比べ、焦り、安心し、イラつき、頭を抱える。
    話し相手のいない中で、自分がちゃんとしていなければ、理想はこうでなければ、強迫観念に囚われ逃げ出せない。
    名もなき魔物はいつも私の心の中にいる。

  • ママ友は怖い。

  • 初めは登場人物の個性が見えず、掴みづらかった。
    読みすすむにつれて、彼女たちをうっとうしく煩わしく感じるようになった。
    さらには薄気味悪い嫌悪感すら抱いた。
    そのうちに、怖いもの見たさの興味が先に立ち始めた。
    そして、ひとりひとりの姿かたちが充分見えてきた矢先に、突如登場人物が名前ではなく「彼女」と描かれる、その瞬間の背筋が凍りつく感覚。
    すべて、作者の手中にあったのだと気づく。
    そうだ、角田光代さんは女性の内面を緻密に描き出すのがとてもうまいのだった、と思い出す。
    たしかに自分とはほとんど共通点のない彼女たちを、醜悪だと感じてしまう自分が醜悪ではないとどうして言えるのだろう?
    プロローグとエピローグの構成もみごと。不快なものから目をそらせなくなるような作品。秀逸な人物描写をしながら、彼女たちの個性を埋もれさせるという、この描き方そのものが作品のテーマとも一致してくる。

  •  同じ幼稚園に子供を通わせている4人の母親と、その中のメンバーを通じて知り合ったもう一人で作られた5人のグループ。
    仲良しママ友だったのが、子供の小学校受験をきっかけに、少しずつ少しずつその関係は崩れていきます。
    自分の子供が一番と思う余り、小さな嫉妬とねたみから事件が起き・・・。
    あらすじを書くとこんなかんじなんですが。

    正直、角田さんの小説の中では星二つでした。
    三分の一ほど読んだところで、盛り上がらない展開が残念にかんじ、半分来たところで、ここまできたら読むけど…という気持ちになりました。
    登場人物がたくさんいても誰が誰なのかすっと頭に入ってくる小説はたくさんあります。
    でもこれは、あれ、この人の子供は男の子だっけ?この人の子供の名前は何だっけ?と何度も最初の章に戻って読み返しました。
    最後の方にちょっとした事件が起きるんですが、これも何だか中途半端に消えていて。

    すごいな、と思ったのは母親たちの少しずつ壊れて行く心の描き方。
    そしてタイトルの付け方ですね。
    最後に近づくに連れて「森に眠る魚」の意味が分かりました。

    読み始めたからには気にはなるし読み切ったのですが、全体的にだらっとしたちょっと残念な小説でした。

  • この小説が音羽お受験殺人を下敷きにしているのはあきらかで、だから最初はもっとスキャンダラスな筋書きを期待していた。「だれがだれの子を殺すんだろう」そんな下世話な好奇心を全開にして、物語半ばまでよみすすめてやがて、ああこれはそういう作品じゃないんだと気づく。作者が焦点を当てたのは子殺しではなく、母親たちの閉塞感だった。あの事件を主題にしながら、作者はひたすらそれを描写していく。きっと桐野夏生だったら、まったく異なる展開になっていたはずだ。もともとはむしろそっちを期待していたのだけれど、これをよんだ今、あの事件を扱ったのが、角田光代でよかったと心からおもう。あれをテーマにするならば、彼女の選択は圧倒的にただしい。ママ友という特殊な連帯感からうまれた、たどたどしい友情。おっかなびっくりにつむいだそれを、それでも大切にしようとした女たちの関係が、子どもの受験、その先の進路や将来設計をまえにして、徐々に綻びをみせはじめる。そしてそれはじわじわと崩壊していく。「森に眠る魚」は、その過程とそれぞれの心情を、息がつまるくらい、丁寧に緻密にえがいている。母親たちの孤独と、それを書く作者の真摯な姿勢に、泣きたいような笑いたいような気持ちになる。夫の影がうすいどころか、かれらの輪郭さえみえないのも象徴的。どちらも親でありながら、子どもとそれを内包する社会と、対峙しているのはいつも片方だけなのだ。

  • わからんでもないけど、
    ママ友つきあいはたいへんね。ていうお話。嫌な気分になるな。
    あんまり救いない。

    女性通しのつきあい?
    何を言いたかったんかなー。
    分からんわ。

  • 角田さんの本を読んだのは、空中庭園、対岸の彼女、東京ゲストハウス、八日目の蝉、以来の5作目

    5人の女性がわが子の教育、進学、家庭をとおして、自分の理想と現実のギャップに迷い、自分を失っていく。彼女たちは何をしたかったのだろう。

    そして、誰のために?何のために? ⇒子供のため?自分のため?夫への対抗心?ママともへの嫉妬?

    読み終わって、自分のことを考えると・・・・・・嫁はんは結構悩みながら子育てしるんやろうなぁ~と思い、反省する。そして嫁はんに感謝する!! オレ、上手に子育てに関与できていないなぁ~きっと

    今、映画やっていますが、「八日目の蝉」は面白かった。永作さん好きなので見に行こうかしら!

  • 名前を無くす母性の孤独と痛み。
    自分が選んだはずなのにいつの間にか苦しくなっている。
    自分だけでは完結しないママ友の世界。
    他の人に話すほどに比較して、また孤独に陥ってしまう。

  • ママ友のドロドロした心理が生々しく描かれた作品。

    嫉妬、深読み、思いこみによって
    関係が徐々に崩れていくのが目に見えてわかります。

    終盤はだんだん気が重くなります。
    ただ結末は気になります。

    ページ数もそこまで多くはないのですが
    前述した通りドロドロ具合が濃厚なので
    読み応えはあると思います。

    読んだ後に若干人間不信になりそうでした(笑)

  • 登場人物の母親と子供の名前が覚えられず、何度も遡って確認しながら読んだ。ちょっとしたズレから、ママ友に嫌悪感を抱く話。自分の子どもはまだ小さいが、私立か国立に入れたいと思っており、幼稚園、小学校と受験を経験させることになる時、周りのお母さん達とうまく付き合っていけるのか不安になる。
    最後のあとがきから、文京区でおきたお受験殺人がモチーフだと知り、ウィキペディアで調べたところ本当に似た部分がたくさん書かれていて衝撃を受けた。最後に描かれる匿名の[彼女]が、それぞれ誰のことなのか推測しかできないが、正解を知りたいと思った。

  • お子様受験を軸に母親5人の関係、心境の移り変わりを表した小説
    これぞ「上辺だけの付き合い」というような話が続いていきます。
    段々とあらぬ方向へ5人の思いが流れていき恐ろしい章までたどり着く。
    最終章は少しホッとした内容で終わりますがその前の章が怖い。

    実際にこのような内容の話はゴロゴロと転がってんだろなぁ
    誰々さんの○○ちゃんは出来るのに自分の子は出来ない。
    ○○ちゃんにはしてあげてたのになんで内の子にはしてくれない。
    妬み、嫉み、が渦巻く世界も実際にあると思ったら余計に怖くなります。

  • 文京区に住まう5人のママ友が、小学校お受験を前に、些細なことで葛藤、嫉妬…。少しずつ歯車がかみあわなくなってきて…というドロドロストーリー。

    1999年に起きた、「お受験殺人」とも呼ばれた文京区幼女殺人事件をモチーフにしているそうです。こんな事件が実際にあったのかと思うと、戦慄…。
    http://www.cyzowoman.com/2014/11/post_14079_1.html


    ①「ママ」という共通項の不思議さ
    「ママ友」って、
    「ママ」という、とても広い、でも同時にとても強い共通項でつながるけれど、
    その後に付き合ってだんだんとわかってくる、
    生活水準=価値観が決定的に違う場合は、結構しんどいと思う。

    子どもが関わることだからなおさら。
    女の人だからなおさら。

    子どもが関わるし、
    女の人たちだから、
    つながりやすさはあるんだけれど。


    ②子どもは圧倒的に弱い存在
    私もママなので、読むのがしんどかった。
    自分の子どもへのイライラとか、
    友人への子どもに対する暴力とか、
    そういうシーンは胸がえぐられました。
    子どもには何の罪もないわけで。
    自分の子ども殺しちゃったとか、誘拐して殺しちゃったとかいう事件が実際にあるけど、
    あんなに弱い存在をよくどうこうできるなと。
    「子どもは未来だよ」とおじいちゃんやおばあちゃんがよく言うけど、
    本当にその通りだと思うし、大人が守られなければいけないよね。
    この本(また、実際に起きた「お受験殺人」)では、
    自分の弱さを守るために、憎むべき相手ではなく、相手にとって一番ダメージの大きく、また一番弱い存在である相手の子どもを殺めてしまったわけです。
    やり場のない気持ちになる。


    ③すさまじい文京区のお受験
    私は「お受験」とは無縁の世界で生きてきて大人になったので、
    それがどういうものなのか、この本や「お受験殺人」に関する記事を読んで知りました。
    (…といっても、それも「お受験」の世界のほんの一部だろうけど)

    小学校教員をつとめる友人曰く
    「東京で言えば、やっぱり文京区が一番。あとは港区とか中央区とか。学力は家庭の収入に多少比例するよね」とのこと。

    昨年まで私は文京区で働いていたのですが、
    ランチで外に出ると、それこそママ友の集団が数人で優雅にランチをしている光景にしばしば出会いました。

    そしてそれはもう、お受験の話でよく盛り上がっていたのでした。
    「あそこの塾がいい」とか
    「あの先生はよくない」とか
    ときどき
    「うちの子は○○が結構得意でね」とか
    子どもの自慢を織り交ぜながら。

    こんなドラマみたいな世界が本当にあるんだな…とよく思ったものです。
    専業主婦で子どもにお受験させるなんて、私とは180度価値観が違う。絶対無理。

    特別な理由がない場合は「ママも働いた方が絶対良い」というのが私の価値観です。
    この本に出てくるママ友の5人の共通項は「専業主婦」ということ。
    アルバイトであれパートであれ、絶対社会に属していた方がいい。
    じゃないと世界が狭くなる。
    子どもや旦那にばかり目がいってしまう。
    「ママ」で「妻」というだけのアイデンティティはさびしすぎる!
    …というのが持論です。
    私だったら、子どもや夫の些細な言動にもイライラしてしまって、絶対精神崩壊する…と思います。

    反感回買いそうな文章を書いてしまった…。
    女の人は優秀だから、家にいるだけではもったいないと思う。
    そのスキルをぜひ社会に貢献してほしいな、とも思うわけです。

    ひよったフォロー…。
    でも本当にそう思います。


    ④鈴木成一さんの装丁がとてもきれい!
    写真... 続きを読む

  • 子持ちでも幼稚園ぐらいまでのお子様がいる方、妊婦さんは読むべきではないと思う本です。怖いし。

    登場人物を覚えるまでが大変だった。
    子供いるのでそれなりに共感持って読めたけど、最後までよくわかんなかった人は容子(繭子は論外)。千花とかおりも似ててあんまり区別がつかず、何度も間違いそうになった。
    繭子に気味の悪い引き出しを見せたあの娘の意図もよくわからなかった。何の為に?繭子も何のために部屋に行ったの?お金でも盗もうとしたのかな…それを察知して恐がらせるため?よーわからん。みんな、行動と言動が少し極端すぎてリアリティに欠けた感じがあった。

    終盤が盛り上がりに欠けたような気がする。「彼女」のとこは、誰なのかわかんないし(誰でもない誰かなのかもしれないが)、何が起こってるのかもよくわかんないし…もう少し怖いラストを期待していたので、残念だった。
    よくわかんなかったって何回も書いてしまったので、良くわかんなかったのかもしれないが、読んでいる間は猛スピードで引き込まれて読んだ。

  • 実はこの作家さん、ほぼ初読みです。
    もう選ぶ題材が嫌で・・・(笑)
    人の子ども盗むやつなんて、死ねばいいのにと思ってました。
    まぁ、それだけ惹きつけるってことなんでしょうね。

    で、今回は幼稚園入園前から小学校入学前までの
    ママ友たちのお話。
    仲良しだと思っていたママ友が
    ちょっとしたきっかけで亀裂が入ります。

    幼稚園の母同士の密着度は凄いものがあります。
    危険です。経験ありますが危険です。
    あくまでも私の経験上ですが、
    保育園より幼稚園のほうが怖いです。

    このお話にでてくるストーリーは決して大げさではありません。

    とっても、仲良さげだった人達が
    断絶していくのもみましたし
    その場にいない人をディするなんて日常茶飯事です。

    関わらないのが一番。
    教育方針も対人関係も、
    ぶれない強い意志のある人を尊敬してました。
    それがどんな方針であってもね。

    あの時は、それなりに楽しかったけれど、
    もう二度と戻りたくない時期ではあります。

    ついて行けなくて、
    息子が年長に上がると同時に仕事始めた私。

    でも、娘を仕事の時に預かってくれたのも
    ママ友さんでした。感謝してます。

  • 女の泥々したところが目に浮かぶのがつらくて星3つです。それだけ描写リアル。

  • 「なんて醜いんだろう…」と思いながら読んでました。リアルで丁寧な描写がその醜さを助長させました。
    羨望や信頼が憎しみに変わり、友情が敵意に変わる。ママ同士の関係は深くなればなるほど、複雑に絡まってしまう。自分だけのことならば関係を断ち切ればそれで済むが、子供が絡んでくると実に厄介だなぁ…。恐ろしい…。

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森に眠る魚 (双葉文庫)の作品紹介

東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通して心をかよわせるが、いつしかその関係性は変容していた。-あの人たちと離れればいい。なぜ私を置いてゆくの。そうだ、終わらせなきゃ。心の声は幾重にもせめぎ合い、それぞれが追いつめられてゆく。凄みある筆致で描きだした、現代に生きる母親たちの深い孤独と痛み。渾身の長編母子小説。

森に眠る魚 (双葉文庫)の単行本

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