ヒトリシズカ (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 6042
感想 : 617
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575514933

感想・レビュー・書評

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  • さみしい

  • 伊東静加が話が進むにつれてその輪郭を強めていく感じ、独特の怖さがあって面白かった!最後の澪を静加にみせる感じもやられたなあ〜上手だなあ〜と。
    ただ最後の某者の解説で、「受動者による暴力の発露形態」だと、描かれた女性の本質が「女性が大人になるのには、年齢など必要とはしない」ということだと、記されていたのが気に入らなかった。これはあくまで解釈だから同じように受け取らなければいいのだけど、静加の孤独な強さを、女性という大きな枠で捉えないでほしいと。もう時代は変わってきているし。

    描写からして深雪も、伊東さんも、静加を大きな愛でくるめそうな人たちにしか見えないから、八歳までに恨みが蓄積されて歪んでしまった静加をどうすることもできなかったことに、救いがないような気がしてかなしくなった。
    多くの大人たちに傷つけられた分、澪と唯へは絶対的な愛をもっていたところ泣けたなあ、、妖艶で狂気的な人物から、ラストには切なくて儚い存在へと昇華されていく様がよかった。

  • シズカは男に翻弄され、男に頼らずには生きられない母が嫌いで、そんな母にした自分の生みの父が許せなかったのか。
    幾つかのシズカが絡む事件の真相が明らかになるにつれ、シズカの怖さが際立っていく。そして、最後には自分を犠牲にしても同じ父を持つ妹の幸せを願うようになった。
    母は1人では生きられない弱さを持っていたけれど、娘のシズカのことはちゃんと愛していたと思うが、シズカには娘より男を選んできたように感じられたのだろうか。

  • 語り手を変えて、短編集のようではあるが、ひとりの女性がどれも絡んでいて、その女性絡みでひとつひとつ事件の真相がわかってくる。
    警察小説は、あまり読まないけれど、これは見事だと思った。
    冷酷な女性が出てくるのは、東野圭吾の小説を彷彿させる。
    わかりにくいようで、意外とわかりやすい。
    ひとつひとつが繋がるところが、なんとも気持ちがいい。
    泥臭い刑事たちがたくさん出てくるが、スマートな小説だと思う。

  • こわいよー こわいよー なんなの?なんでなの?? どうしてシズカはこんな事になってしまったの?? 幼くしてあらゆる辛い思いを強いられたんだろうけど それでここまで恐ろしいヒトになってしまうものなのか 年代もばらばらのあらゆる事件 その裏側に必ずシズカの存在がある これ映像化したらおもしろそうだなー と思ったらもうされてるのね シズカの役が夏帆ちゃんってちょっと予想外すぎて これは見てみたいなぁ もう一人のシズカを生まないためにも ミオを守ることだけに命を賭した悲しいお話 という見方も出来る物語だっ

  • WOWOW連続ドラマWからの遡り。
    ドラマを先に観たからかもしれないけれど、小説とドラマが相互補完するマルチメディアとして成立。
    本作は小説としては行間が空き、俳句のように読者が想像を巡らせる幅が広く取られた構造。そして、そこをドラマの映像が繋ぐ。
    それは、読者の想像の幅を狭め阻害するというよりも小説を読みながら脳内で映像化するための補助として有効に機能する。
    小説を映像化した場合、メディア特性のためフツーは逆パターンになってしまいがちなところをフォローし合い偶然か必然かひとつの作品として完成している。
    読了する迄にドラマのシーンを記憶を呼び起して何度も反芻。もう一回見直すことを勝手決定。菅政権の閣議決定の連発には腹が立つよなぁ。んとによ。
    伊東静加の魔性と哀しい人生が本人の言葉が少ないだけに超魅力的でそそられる。夏帆のキャスティングは当て書きのごとくベストマッチ過ぎる。
    夏帆ぉ好きだなー。好き好き大好き。です。です。

  • いまいち

  • なんだか話に入り込めなくて、読み途中で図書館に返却。
    本の裏に書かれた文章はとても魅力的だっただけに、残念。

  • 面白かった!時代が交錯しすぎて訳が分からなくなるし、静加が名前を変えすぎて混乱うけど、最高。最後に妹の娘を庇って事故死するのは悲しすぎる。8歳のころから男を操って生きていく静加さん、かっこよすぎますね…。相関図を書いてたんだけどとんでもないことになってて脳が理解できないや

  • 面白かった。1人の女を様々な時代から追った男達の物語。その女の最後も切なくて良い。

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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