夜行観覧車 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社 (2013年1月4日発売)
3.38
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感想 : 1115
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575515527

感想・レビュー・書評

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  • 2つの家庭と1人のおばさんに視点が変わる作品。現実では、知る由もない隣の家の事情を覗き見る感覚と、視点が変わる事で登場人物に対する印象が大きく変わる点が面白い。自分がこの町の住人ならどう対処するだろう。そう考えると、おばさんの言動は特異では無いと思った。

  • 一気読みできました。

    いつもの湊かなえさんのような
    イヤミス感は少し少なかったように感じますが
    とても読みやすく好きな作品。

    家族について
    エゴについて
    いろいろと考えさせられた。

  • 人の心の描写が素晴らしい。内容はまったりとドロドロした感じ。結局事件の真相は何が本当なのか私にはよくわからなかった。本書に書かれている通りなのか、それともそれは報道発表向けなのか。

  • 裕福な方達が住む『ひばりヶ丘』で起きた家庭内殺人事件を巡る話を無理をしたが故に問題を抱えた遠藤家、裕福で何の問題もなさそうな高橋家、小島るり子の3家族それぞれの視点で書いている。異なる主観が入り乱れるので読むと止まらない。個人的には『Nのために』に比べるとやや劣るかなという印象。

    • アールグレイさん
      としさん、お久しぶりです!
      夜行観覧車、読んだんですね。私も読んだのですが・・・もう8年位前でしょうか?レビューを書きたいけれど、もう1度読...
      としさん、お久しぶりです!
      夜行観覧車、読んだんですね。私も読んだのですが・・・もう8年位前でしょうか?レビューを書きたいけれど、もう1度読まないと絶対書けません。
      今チョコレートグラミー、読んでいますがまだ“ふん、ふん”と思っているような段階なのかな、という感じです。
      私はもう、次に読む本を考えています。早すぎますね。としさんは、お仕事が忙しいとは思いますが今度は何を読もう?なんて考えますか?
      ☆★素敵な読書を(^_^)/
      2021/06/08
    • アールグレイさん
      書くことをひとつ忘れてた。
      私の最寄り駅の隣の駅名が「ひばりが丘」東京郊外です。!びっくり!
      書くことをひとつ忘れてた。
      私の最寄り駅の隣の駅名が「ひばりが丘」東京郊外です。!びっくり!
      2021/06/08
    • ひげしゃちょーさん
      近所が小説や映画の舞台だとなんとなくテンション上がりますよね。そういえば太宰治のヴィヨンの妻って読んでなかったなと思って今読んでるところです...
      近所が小説や映画の舞台だとなんとなくテンション上がりますよね。そういえば太宰治のヴィヨンの妻って読んでなかったなと思って今読んでるところです。
      2021/06/09
  •  高級住宅街と言われるところで人が殺された。その近隣にすむそれぞれの住人家族が抱える問題を、この事件を通してみていくというもの。高級住宅街のイメージにひかれて土地を買って家を建てたものの、娘は中学受験に失敗して反抗期。そのお向かいの見るからに幸せそうな家族の仲にも、実はいろいろと問題があるのかもしれない。家族関係の、それから人生の、何が幸せで何が幸せでないのかを考えさせられるし、それぞれの家族が問題を抱えているのかもしれないと思うと、これから先回りを見る目が変わってくるかもしれない。

  • ひばりヶ丘の高級住宅街で起きた殺人事件。
    一見幸せそうに見えても、それぞれで悩みを抱えててお隣さんのお宅の想像を巡らせている話だった。

    ドラマで見れなかったので本を読みたいと思い、湊かなえさんを手に取りました。

  • さくっと読める、だのに続きが気になって仕方ない。
    どのように着地するのか、それが気がかりでしたが、そうくるか、と。
    結局残されたもの達にはこれからの生活を考えなければならないんだね。
    淳子の真意は淳子にしか分からない。
    「母の気持ちを勝手に想像するのはやめて」みたいな、お兄ちゃんの台詞がとても良かったです。
    あの場面で言えるのはすごく勇気のいることだと思うから。

  • 登場する家族ごとの視点から、それぞれの時系列で語られていくことにより、詳細が分かり、真実を早く知りたくなり、先を急ぐ。
    しかし、真実はわからないまま、これから生きていかなければならない子ども三人が、真実より家族にとって一番良い道を選んだということで終わってしまった。
    真実が気になるが、淳子本人しかわからない事だから、想像するのは辞めよう。

    坂道病は、ストレス社会の現代では、誰しもかかる危険性のあるものかもしれない。限界になって坂を転げ落ちる時、人は壊れて行く。
    壊れた時に、取る行動は、最悪この小説のように殺人を犯してしまう事もあるのかもしれない。
    その状態の時に小島さんが防犯ブザーを投げ入れてくれたから、真弓は正気に戻り、彩花を殺さずにすんだ。
    淳子も声を聞いた小島さんや啓介、真弓が家に様子伺いに訪れていたら、事件は起こらなかったのだろうか?
    淳子の場合、坂道病の根本的原因が取り除かれていないのだから、またいつかはその日が訪れてしまうのだろう。

    遠藤家は、どうなのだろうか?
    坂道病の話を彩花がしたことにより、彩花自身吹っ切れた感じたもした。同じような事件を起こすことはないのかもしれないが、今後も家は騒がしそうだ。

    高橋家、遠藤家、小島家、良幸の彼女の明里、
    その後が気になるが話でした。

  • いつもみたいなどんでん返しやイヤミスはないけど、やっぱり湊かなえ作品はどれもあたりだなと感じた作品でした。

    高級住宅街で起きる殺人事件をもとに、当事者の家族と向かいに住む2家族、合計3家族の視点からなるストーリーです。

    読み終えて感じたのは、タイトルの秀逸さ。
    観覧車とは言い得て妙だと思いました。
    上にあるあの台車はいつかは下になり、下にある台車はいつかは自分の上になる。
    自分自身の台車の立ち位置も明確ではないけれど、初めから最後まで降りることはできず、そこに乗りつづけるしかないものの、まわった後に見える世界はまた少し違う。
    まさに本作にぴったりのタイトルだと思いました。

    登場人物に腹が立つこともありますが、そこまで読者を引き込んで描かれるストーリーは圧巻。なんともすっきりしない結末をすっきりとまとめあげる湊かなえさんらしさが出ている、とても素敵な作品だと思いました。
    珍しくハートフルエンドですしね!

    毎度思うことですが、登場人物の言葉ひとつひとつが正確にマッチしすぎて、湊かなえの中にはいくつ人格があるんだ?と思います笑
    本当に面白いし、私も湊かなえさんのような文才が欲しい…

  • 「告白」や「リバース」のような衝撃は無いものの最後まで惹き込まれるままに読めた。終始モヤモヤするけど、考えさせられる小説。犯人探しというより、登場人物の心情をメインに書かれている。湊かなえさんは、やっぱり人間の嫌な部分を書くのが上手い…

    ギリギリで踏ん張っているうちに、ある小さなきっかけで転がり落ちてしまう。誰にでも、どの家族にも、起こりうる可能性があることにゾッとした。
    ニュースを見て、自分が加害者や加害者の家族になることを考えたこともなかったけど、自分がその立場になったことを想像して、発言や行動を気をつけようと思った。

    彩花の癇癪と良幸の彼女にイライラした。
    というか、登場人物全員どこかしら歪んでる。
    歪んだ形の家族でも、家族であり続けるし、生きていけるんだな〜と思った。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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