白砂 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575515879

作品紹介・あらすじ

苦労して働きながら予備校に通う、二十歳の高村小夜が自宅アパートで殺害された。中年男性の目撃情報と大金が入金されていることから、援助交際との関わりが捜査線上に浮かぶ。「こんなにつましい暮らしぶりで真面目な彼女がなぜ?」違和感を抱いた下谷署の刑事・目黒一馬は別の角度から捜査を開始する。小夜の両親はすでに亡く、なぜか祖母は頑なに遺骨を受け取らない。鍵は小夜の故郷にあると見た目黒の執念が、運命に翻弄された女たちの人生を浮き彫りにしていく。最後にたどり着いた、死の裏にある驚愕の真実とは。切なさあふれるミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • うーん。きれいにまとまってる感じだけど何か嫌だなぁ。
    小夜が気の毒すぎた。
    殺されて当然なくらいとんでもない人物ならまだしも、普通にいい子だった。
    ちゃんと話しても遺骨は分けてもらえなかっただろうけど、もうちょっと弁解の余地を与えてあげたかったなぁ。
    うーん。無念だー。

  • 切ないけれど、美しい情景が漂う。
    最後の最後に投下される事実に驚かされ、全ての根源はこの事実だったのかと気づくと、ままならないなと、切ない気持ちになる。

  • ベテラン刑事と人懐っこい部下のコンビが独自の感性と手法で殺人事件の犯人を追い詰めていくヒューマンミステリー。初著者作品。

    読書間もなく、タイトルに納得。

    その後、読みやすい文体は、まるでドラマを観ているかのような心地をもたらせてくれた。

    大きな感動や衝撃は無かったが、良い意味でゆるい読み応えがあって良かった。

  • 白砂の意味にびっくり!
    最後の方
    小夜の散骨の場面に登場した
    長門って誰?

  • ひと夏の恋の短歌だけで気づいてしまうなんて、どれだけ素敵な恋愛だったのだろう。
    小夜には幸せになって欲しかったな。 
    誕生石ならぬ誕生日石があるのを知り、早速自分のを調べてしまった。 
    目黒警部のその人の過去にまで寄り添い、犯罪を犯す心理を考える捜査の仕方が、人間くさくて良かった。

  • うーん、納得できないとこもあるけれど
    父と母をなんとか繋げたい、自分も父と繋がりたいという純粋な思いがあったんだなと感じる

  • 白砂ってそういうことなのね…

    序盤は「私」の話と「目黒警部」の話が
    どう結び付くのかもどかしかったが
    捜査開始後はテンポ良く進んでいったと思う

    ただ、目黒と山名の会話が
    それ必要?と思ったところもある
    彼らの人柄を表すためだったのかもしれないけど…

    犯人が真実を認めるために
    警察チームがどう追い詰めるのか
    というところが見どころだね

  • なんだか切ない物語だけどなぜ好恵が小夜を殺さなきゃいけなかったのか動機がいまいち納得出来なかった。
    ミステリーとしても特にこれといった仕掛けもないし、特に気になったのが目黒と山名の掛け合い。
    中途半端な感じでコメディタッチにしたいのかシリアスな物語にしたいのかよくわからなかった。

  • 刑事ものに出てくる被害者って殺されたらあかん人が殺される。まぁ殺されていい人などめったにいない(殺されて当然の人間もいる)。
    そう思わせてくれるから刑事が必死に犯人にたどり着く話は面白い。この物語の刑事はいかに被害者に、そして加害者に寄り添うかってところに力を注いでいるのがいい。
    白砂が骨だけじゃなくアレの比喩にまで使われているので、最後のクライマックスではおお!!!!ってそうつながるかってすごく興奮した。
    助手刑事との絡みも面白く、これはシリーズ化されてもおかしくないなぁと思った。
    最初はなかなか進展の遅い、それでいて場面代わりのおおい話だなぁと思っていたが、そこでつながるのかあという展開からが評価を上げた。
    人は深い。

  • 店頭で衝動買いした本。期待以上に面白かった。
    好恵と小夜が若干雰囲気似てるなあと思いながら読み進めていたけど、二人とも忌み嫌われる要素って何なの?というのがなかなかわからなかった。
    小夜のほうは途中からなんとなく父親のことかな?と推測できる感じはあったけど、好恵のほうが何を言ってるのかなぁとさっぱり。
    過去にどこに住んでいたかでここまで?と思ったら、最終的にはある意味自分自身のことは思い込みかと納得。
    目黒の捜査方法や取り調べ方法が、犯罪者相手でもとても紳士的でとても良い感じ。
    娘にちょっと甘すぎる感じはするけど、山名に対する態度も父親なんてこんなもんだよなと笑えてしまうところでもある。
    初めて読んだ作者さんだったけど、読後感も良く、とても面白かったです。

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著者プロフィール

鏑木 蓮(かぶらき・れん)
1961年京都府生まれ。広告代理店などを経て、92年にコピーライターとして独立する。2004年に短編ミステリー「黒い鶴」で第1回立教・池袋ふくろう文芸賞を、06年に『東京ダモイ』で第52回江戸川乱歩賞を受賞。『時限』『炎罪』と続く「片岡真子」シリーズや『思い出探偵』『ねじれた過去』『沈黙の詩』と続く「京都思い出探偵ファイル」シリーズ、『ながれたりげにながれたり』『山ねこ裁判』と続く「イーハトーブ探偵 賢治の推理手帳」シリーズ、『見えない轍』『見えない階』と続く「診療内科医・本宮慶太郎の事件カルテ」シリーズの他、『白砂』『残心』『疑薬』『水葬』など著書多数。

「2022年 『見習医ワトソンの追究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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