海岸通りポストカードカフェ (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 201
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575517002

感想・レビュー・書評

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  • 世界遺産に関する文庫本を検索していたら、12章のタイトルが、『葉書は世界遺産だと誰かが言った』だったので、たまたまひっかかった。
    梗概を読むと面白そうだったので手に取った。
    こういう巡り合わせの本は、当たり外れは運次第だけど、今回は当たり。

    カフェの常連客睦子さんは、長年会っていない亭主の銀次さんから30年程前に一度葉書を受け取って以来、カフェで二度目の葉書を待つ日々。最後の最後で涙腺が緩み、じわっと来る。

  • これはもうかなりのツボです♪
    海岸通り....なんていう爽やかな風が吹いてそうなタイトルからしてそうですけれど
    手紙を書くことが大好きな私にとってはたまりません...^^

    これまでに心の癒しに珈琲のいい香りを漂わせてくれるカフェや
    美味しいランチに心を和ませてくれる食堂だったりと、近くにあったら
    ぜひ私もご相伴にあずかりたいと思わせてくれたお店には数々出会いましたけれど
    今回はその反対.....私もこんなお店を持ちたいくらいだわ!と
    心躍らせてくれた海岸通りポストカードカフェでした。

    懐かしい人を想う便りや旅の思い出。
    日々の暮らしぶりや、ふと思いついたしょうもないこと。
    悲しかったこと嬉しかったこと、ほんの一言のつぶやきぼやきに
    なかなか見つからない探しものや、打ち明けられずにいる秘めた想いも...

    横浜の海岸通りにあるポストカードカフェ宛に葉書を送ると
    届けられた葉書はすべて、壁一面に飾られるようにして貼られ公開されている。
    そしてその葉書は送り主に返却されることはなく、永久保存という形で
    いつまでもお店の倉庫で保管されている...。

    決して人目に晒すものではないのだけれど
    あえてオープンにすることで、お店で知り合えた人たちとの触れ合いから
    探していたものが見つかったり、新しい出会いや発見があったり。
    そしていつしか常連さんになって
    助言をしたり貰ったり、元気や勇気を与えあって心通わせていく...。
    時には大いに自慢して褒められたりして得意げな気分になるのもいいし
    なかなか果たせない目標なんかも
    あえて公言しちゃうと案外うまくいくかもしれない?!(笑)

    海岸通りにある
    ポストカードを飾る小さなお店が、人の心と心を繋ぐ12の連作短編集。
    続きがありそうな終わり方だったのが嬉しいです。^^

    • 杜のうさこさん
      yumiieさん、こんばんは~♪
      先日はコメントありがとうございました!

      yumiieさんの本棚は、私が好きだったり、読みたいと思っ...
      yumiieさん、こんばんは~♪
      先日はコメントありがとうございました!

      yumiieさんの本棚は、私が好きだったり、読みたいと思っている本がいっぱいで、
      目移りして困ってしまいます(笑)
      どちらに書こうか迷ったのですが、ずっと積読状態のこの本にしました。

      鏡開きの”あんこ”、おいしそうですね~♪
      小豆からコトコトされたんですね!
      自分好みの甘さと、つぶし加減ででき上がったあんこはもうっ!!たまりません!
      と言いながら、滅多にコトコトしないで買ってきてしまうのですが(笑)

      それと、『ぶたぶた』さん。
      またお一人、ぶたぶたワールドのお仲間みっけ♪です。
      私も奥さんと娘さんがいた時には、「え゛~~」となりました。
      最初は、飲み物で毛が濡れないのかしら?とか、素朴なギモンでいっぱいだったのに、
      今となっては、何の違和感もなく…(笑)

      この本も早く読まなくちゃ♪
      では、また遊びに来ますね~(^^)/
      2018/02/02
    • yumiieさん
      杜のうさこさんようこそいらっしゃいませ♪こんばんは。ご訪問ありがとうございます。
      こちらこそ!先ほどはたくさんいいねポチをたくさん頂いてあ...
      杜のうさこさんようこそいらっしゃいませ♪こんばんは。ご訪問ありがとうございます。
      こちらこそ!先ほどはたくさんいいねポチをたくさん頂いてありがとうございました。
      とっても嬉しかったです♪^^

      私の本棚の中からうさこさんのお気に入りがお目に留まって頂けたなんて増々嬉しくなります♪
      こちらの「ポストカードカフェ」はうさこさんもお持ちだったのですね! ぜひ読んで読んで~~。
      よかったですよ~と~っても♪^^
      「ぶたぶた」さんも大好きです。最初はぬいぐるみがぁ?!...なんて
      少々抵抗が無きにしも非ずだったんですけれど(笑)
      意外ににストーリー性がしっかりしていて楽しめて、ほっこりするし
      一冊読み終えるとまた次も~って思ってしまうの。くせになる~。(笑)

      そう♪だけど実はね、私もうさこさんの本棚に先日お邪魔したときに
      お気に入りをいくつも見つけてメモさせて頂いていました。^^
      すでに待機の姿勢で順番待ちしている本もあります!

      それにうさこさんのお好きな本のベスト1だったと記憶しているんですけど
      「氷点」むか~し読んだなぁ...って懐かしくなって、確か主人公に出生の秘密かなんかが
      あったんじゃ...とか、ドラマもあったのよね..と、少~し思い出せたけど
      それ以上のことが思い出せなくて、再読したいなとも思っていました。

      そうそうあんこ!
      も~食べたいが一心で頑張っちゃいました♪^^

      ずいぶん長くおしゃべりしてしまいました。
      ぜひまた遊びにいらしてくださいね。
      こちらからもまた伺います♪^^
      2018/02/03
  • 面白かった。前半はそれぞれの話が繋がらない。断片的な話であったが、徐々に人間関係が繋がり、物語としてつながってくる。

    まるで、読み手が、初めてカフェを訪れ、常連になってゆくような、そんな構成だった。

  • 店内にポストカードが飾られているお店。
    いろんな土地の、いろんな人の思いが込められたポストカード。
    こんなお店が本当に存在したら、是非言ってみたいと思う。そして私もお店宛に旅先から葉書を送りたいと思う。

  • それぞれのエピソードがいい。

  •  横浜の絵葉書を壁一面に飾るという風変わりな喫茶店を舞台にした12話収録の連作短編集。1話あたり30ページ弱なので、割と短時間に読み切ることができる。難しい言葉なども使っておらず、平易な言葉が多いので非常に読みやすい。
     カフェっぽく、ホッと一息つけるような作品。ただ、何となく展開が読めてしまうのでインパクトは強くない。ちょっとした不穏な空気は流れるのだが、全体的にほのぼのとした感じでゆっくりと時間が流れていく印象を受ける。
     言葉の大切さを改めて認識できたような気がする。そして、絵葉書の写真が意味することの大きさに驚いた。こんな意識で絵葉書を選んだことなどなかったので。

  • 連作短編。
    色々な事を抱えている人たちが描かれているけど、読み心地は暖かで爽やかな感じ。
    ハガキのやりとりも良いものだなぁと思いました。

  • 「カフェ」「ポストカード」「海岸通り」、3つ好きなものが並んだ。そして手に取ってみれば、明らかに、私の大好きな横浜の街並みが描かれた表紙。大好きなものだらけで、「これは読むっきゃない!」と手に取った。割と読みやすくさくさく進むので、数時間で読了。ポストカードを店内に掲示し、人と人、人と思い出、人とその人自身、を、繋ぐ手助けをする居心地の良いカフェの物語だ。
    内容的には、まぁ、可もなく不可もなく、普通の読み物といった感じ。展開はショートストーリーの詰め合わせのような感じなので、ちょっとした隙間時間にも読める。内容が簡単なので変に頭も疲れない。ただ、人物描写にあまり深みが無いのと、人々の喜怒哀楽の感情を呼び起こすきっかけや展開が強引なところがあるので、あんまり感情移入したり共感したりはできなかった。いやいや、そんなんでそこまで考えないでしょ、とか、ちょっとそれ都合良すぎる言い訳でしょ、みたいな。一応、お店そのものの危機、というドラマの種もあるのだけど、あんまり綺麗に花開かなかったような・・・。
    雰囲気というか、設定だけは本当に素敵。こんなカフェが近くにあったらなー、とか、ああ、久々に横浜散歩したいなー、とか、自分自身のほっこりした気持ちや記憶が戻ってくる。

  • 150902*読了

  • 葉書を綴ることは面倒だ。

    時間がかかる。
    お金がかかる。
    保存も大変。


    葉書を綴ることは思い出を残すことだ。

    時間をかければ思いがこもる。
    お金をかければありがたみが増す。
    大切に大切に保存する。


    メールやSNSが当たり前の時代だからこそ
    大切な人にしか綴ろうと思わない葉書
    葉書をもらうことはもちろん、
    綴っている時さえ愛おしい。


    ただの文(ふみ)ではなく、
    葉書は思い出だ。

    そんな思い出たちを、残し続ける場所
    ポストカードカフェ


    もし現実の世界に存在するのであれば
    訪れてみたいものである。

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著者プロフィール

神奈川県出身。2005年『秋の大三角』で新潮エンターテインメント新人賞を受賞。『劇団6年2組』で第29回うつのみやこども賞受賞。作品に、『チームふたり』からはじまる「チーム」シリーズなど多数。

「2014年 『新装版 チームシリーズ 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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